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5章 明かされる真実と『狂』の襲撃者

襲撃者、一人目

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テレサと別れた孝志は、これまでの人生を振り返っていた。

そして思う。
この世界に来てから信じられないくらい、女性関係に悩まされていると。
それも馬鹿にされたりビンタされたりと散々な目に。

勿論、テレサと穂花ちゃんに懐かれたり、良い事も有ったけど、それ以上に悪い事が多く起こっていた。

他に良い事と言えば、ネリー王女に告白された事かな──ビンタして来たのもこの女だけど。

そして出会った女達の中で一番ヤバかったのは、ダントツでアリアンさん。
あの人は本当に怖い。だって話題に出すだけで身体が震えるんだもん……え?嘘?今も震えてるよ……怖い……

けど、もう終わった事だし気にしないで良いや。
この城に住むと決めた以上、ラクスール王国で暮らす事はもう無い。まぁ、ユリウスさんとか仲良くなった人達と会いに顔は出すと思うけど。


思い返せば向こうの世界では女性に悩まされる事こそ無かったが、女性とは縁が全く無かったな…


そして、孝志は学校での自分を振り返る。

──俺は学園内のイケメンランキングベスト16に選ばれる程の容姿の持ち主だ。
自分でもそれ程の男だと自負している。

加えて女子達が勝手に作った『友達になりたい男性ランキング』では堂々の一位に輝いた。
しかも、あの橘を大きく引き離しての圧倒的1位。

この時は来たと思ったね。
絶対モテモテの学園生活が始まると思ってたよ。

それなのに……

理由は全く不明だが、同時に開催された『恋人にしたい男性ランキング』ではワースト10位にランクインしてしまったのだ。

もう本当に意味が分からなかったよ。
友達が良くて恋人がダメってどう言う事だよ!?どっちも大して変わんないじゃねーか!

この時はしばらく女性不信になったぜ。


──こんな風に振り返りながら、孝志は向こうの世界に居る家族の事も想い浮かべた。

父を幼い頃に病気で失くした孝志は、母と妹、母方の祖父と四人で一軒家に暮らしていた。

母はエリート会社員、祖父は中小企業だが社長な為、父が居なくてもお金に不自由する事は無く、家族四人で幸せに暮らしてた。

あまり小遣いをくれなかった所為でバイトする事になったのは不満だったが、やっぱりあれこそが幸せな日常だったと孝志は思っている……例え彼女が居たこと無かったとしてもだ。

この世界ではこの古城に住むと決めているが、元の世界に帰るかは別問題である。

「やっぱり、俺が帰ったらテレサ泣くよな……あの子の為にも残るべきだろうか?それにヒモ生活は捨て難い。けど家族や友達にも会いたいし……まぁ決断を焦る必要は無いな!気楽にいこう!はは!」


──と、カッコつけてノスタルジックな気分に浸りながら、孝志はアルマスの待つ結界内へ入って行くのだった。


────────


孝志が結界内に足を踏み入れると、呪いが届かないギリギリの位置で待機してたアルマスが、すぐさま孝志の元へ駆け寄った。

「お疲れ様です。何ともないですか?」

「こうして向こうから美人が駆け寄ってくる……ふっ、悪くないな……」

「あ、あ、頭をやられてる!……ひ、酷い……あ、あまりに酷いっ!」

「……………言い過ぎだよ?」

さっきまで散々可愛いがってくれたのに、今はこれだからな?酷くない?久しぶりに情緒不安定型アルマスも見せられたぜ。

「別に頭おかしくねーよ、むしろこれ以上ない程の常識人だろ?自分で言うのもアレだけど、俺よりまともな人間なんて見た事あるか?」

「ふふっ」

常識なんてあまり持ち合わせて居ない癖に…と、アルマスは思わず笑いを漏らした。

そして孝志も、この笑いが侮辱的なものだと理解する。

「チッ!今の笑いは許せないぜ……もう一生口聞いてやらんからな」

そう言って孝志が舌打ちしながらそっぽを向くと、アルマスはニヤニヤしながら彼の向いた方へと回り込んだ。

「ほほぉ~う?私と一生口を聞かないのは結構ですが、私と口を聞かないで、何か起こったとき誰に相談するんですか?」

「ぐっ……!」

こいつ……痛いとこ突いて来るぜ……!

この城にはアルマス以外だとオカマのアレクセイさんと、コミュニケーションが満足に取れないハルートしか居ない。

更におばあちゃんは会ったこと無いから受け容れて貰えるか、まだ分からない状況である。
アルマスやアレクセイさんは心配無いと言ってくれたが、やはり本人と直接話をしない限り不安は拭えない。

という事はつまり、この場所に残る決断をした以上、現状で心から信頼できるのは今の所アルマスとテレサだけなのである。

テレサは相談事に向いてる感じでは無さそうだし。

……………


仕方ない。ここは折れてやるか。


「……ま、偶になら口を聞いてやらん事も無いぜ」

「ハイハイ。それでは戻ろうか?」

敬語だったり、タメ口だったり忙しい奴だ。

「納得いかないけど。わかった、戻ろうか」

テレサが帰って来るまでの間に、アレクセイと話を済ませて置きたかった孝志は、大人しくアルマスと城を目指して歩き出す。
アルマスが手を繋いで来ようとするが、手の甲を思いっきり叩いて払い除ける。


──そして城へ向かって数歩ほど歩いた所で、後方に異変が起こった。
背後にある結界の方から、ガラスを勢いよく叩き割る様な轟音が鳴り響く──!

音に反応して二人は後ろを振り返った。


「!?……マスター!私の後ろに隠れて下さい!」

現状を把握するよりも早く、アルマスは音がした方から孝志を庇うように前に立つ。
そのまま当然の様にアルマスの後ろに躊躇なく隠れるのが、異世界より呼び出されし勇者・松本孝志である。

二人の視線の先には、ひび割れた様に歪んだ空間が広がっていた。

「……なんかアレ結界が壊されてないか?」

「……ええ……壊されてますね」

やはり、あのひび割れて見える空間は結界が壊された事により発生したものの様だ。

「そんな簡単に壊せるモノなのか?」

「いいえ。あれを破れるのは相当厄介な相手ですよ……なんとかアレクセイと合流しなければ……」

アルマスの言葉を聞いて孝志は警戒を強める。

周囲は見晴らしが良く、城の中以外で身を隠せる場所と言えば、離れた場所にある湖周辺の木々くらいだろう。

少し離れた場所にある城へ向かうにしても、アルマスが厄介と言っていた相手に背中を向けて城までの距離を攻撃されずに走るのは流石に難しい。

という事は、ここで迎え打つしかない訳だが……

孝志が脳内で作戦を練っていると、穴の開いた結界の外から人影が一つ、二人の前に姿を現した。

現れたのは孝志と同じくらいの背丈で、黒髪の男だった。
容姿は紛れもなく人間だが、人とは思えない独特な威圧感を放っている。

男は孝志達から数メートルほど離れた場所で立ち止まると、肩に担いでいた剣の切っ先を二人に向けた。

「──よぉ、俺の名前はアッシュ。奪われた仲間を奪い返しに来たぜぇっ!」

アッシュと名乗った男は、孝志とアルマスを鋭い目つきで睨み付けながら声を荒げて言い放った。

「「???」」

が、二人共まったく心当たりが無かった。

「あの……勘違いですよ?僕誘拐とか絶対しない男なんで」

「え?」

孝志の言葉を聞いてアルマスは怪訝な目を向ける。

……テレサの事を思い浮かべてるんだろうが、今は黙ってろと目で合図を送った。

「あぁん!?嘘こいてんじゃねーぞ!コラァ!こっちはテメェらが連れ去るところをしっかりと観てんだよぉ!」


──うわっ!もろヤンキーじゃんか。
オカマの次はヤンキーかよ……相変わらずバリエーション豊富だなこの世界は。

と心で思いながらも、やはり心当たりの無かった孝志は頭を悩ませた。

…テレサは友達居ないって言ってたから違うだろうし……マジでなんの事か分からんぞ?

「いつまで吹かしこいてんだオメェら!いいからとっととミーシャを返しやがれ!」

…………あのクソエルフの名前が出て来るって事は、コイツ魔族だな。
見た目が人間そのものだから気が付かなかった。
てか誘拐してねーし、逆にされたし。

なんかこの誤解はムカついたから、俺は誤解を解く事にした。

「いや、俺が連れ去られたんだし」

「テメェ嘘こいてんじゃねーよ、オラッ!」

「………」

たったこれだけのやり取りで、コイツには何を言っても無駄だと孝志は悟った。

どうしようかと悩んでいると、アッシュは孝志に対して気に食わない事が他にも有るらしく、オラついた表情のまま言い放つ。

「お前さっきから女の後ろに隠れやがって……恥ずかしいとは思わねーのかよぉ?」

「え?全然思わないけど?」

「んだとぉ?!ふざけんな!」

「別にふざけてねーし。戦えないもんは仕方ないだろ?怖いし」

「はぁ?勇者の癖に何言ってんだお前?」

「つーか、何で勇者ってわかるんだ?」

孝志のこの問いに、アッシュは親指で自分を指して堂々と答えた。

「俺は十魔衆序列六位だぜ?相手が勇者だと対峙して解るんだよ」

いや、十魔衆って何だよ。

孝志が心に疑問を抱いていると、アッシュの正体を聞いたアルマスが真っ青な顔色に変わる。

「じゅ、十魔衆!?ま、まずいですよ!マスター!」

「知ってんの?」

俺が質問すると、首を縦に振りながらアルマスは答えた。

「十魔衆と言えば、魔王軍の最高戦力ですよ?私が居た時代もそうでしたし、恐らく、現代もそんな感じだと思われます」

「マジで?……アッシュとか言う魔族……そんな感じなのか?」

「おう!そんな感じだぜぇ!」

俺の問い掛けに対し、アッシュは凄いだろと言わんばかりのドヤ顔で答えた。

「でも六番目だろ?……弱いじゃないか」

「はぁ!?」

「マ、マスター、十魔衆はほんとにヤバイので、あまり挑発はやめましょう?ここは何とか足止めしてアレクセイが来るのを待つべきです」

「アレクセイさん、そんなに強いのか?」

「ええ……今は少し衰えてるらしいですが、あの敵なら問題無く蹴散らしてくれるでしょう」

「……そうか」

やっぱり元魔王だけあって、いざという時は頼りになりそうだ。

──なら、この場は時間を稼げば良い訳だな。

アルマスの後ろに隠れていた孝志だったが、何かを思い付いたらしく、アルマスの前へと移動した。

「孝志ッ!前に出てはダメッ!私が盾になるから後ろに隠れていてっ!」

自分を心配して声を荒げるアルマスの情愛に、孝志は嬉しく思うも、彼女を安心させる様に微笑みを浮かべた。

「ふっ、ヤンキーの相手は任せてくれ。なんせ向こうの世界では普段イキってるヤンキー共を上手く言いくるめてジュースとか奢らせて来たからな……ヤンキー処理はお手の物だ」

「確かに、向こうの世界では上手く不良共を言いくるめてましたが、アッシュとか言う魔族は、あんなクソガキ達とは違って相当な手練れですよ?十魔衆の称号は伊達ではない筈です」

「はん!手練れだろうが十魔衆だろうが、所詮ヤンキーなんだろ?そんなの俺の敵じゃないぜ」

「もぉ~~!!その自身はいったい何処から来てるんですかっ!?」

アルマスの表情は晴れる事なく、今も不安そうに孝志を見ていた。

それに、アッシュの方も問答無用で攻撃してくるタイプでは無い様で、二人の会話が終わるまで律儀に待ってくれるみたいだった。

それをいい事に孝志は堂々とアルマスに作戦を耳打ちする。



「──そんな頭の悪そうな作戦が成功するでしょうか?」

作戦内容を聞いたアルマスは心配そうに孝志の顔を見るが、これに親指を立てて笑顔で返す。

「大丈夫。相手はたかがヤンキーだ。頭の悪い作戦でも上手く行くさ」

「……さっきから結構な言い草だけど、ヤンキーに恨みでもあるの?」

「恨みはない。むしろヤンキー良い奴が多いぞ?……ただ見下してるだけだ」

「良い奴なのに見下してるの?」

「まぁ、奴ら色んな人に迷惑掛けてるからな」

因みに、俺もアルマスも先程から相当隙をみせているが、アッシュとか言う魔族ヤンキーは目くじらこそ立てているものの、攻撃を仕掛けて来る気配はまるでない。

不意打ちは卑怯だとか、変なこだわりでも持ち合わせているのだろう……実に扱い易い。

これなら上手く行く筈だ。

「話は済んだか?じゃあそろそろ始めようかッ!」

話が終わった事を確認したアッシュは、今にも突っ込んで行きそうな体勢で剣を構える。

しかし──それに孝志が待ったを掛ける。

「ちょっと待て。実は戦いを始める前に提案が有るんだが……聞いて貰えないか?」

「ハッ!なんだ?おもしれー事でも提案してくれんのか?ええ?」

孝志の提案を聞いたアッシュは、構えを解き嬉しそうに孝志を見た。

「いやな、戦いの前に俺の必殺技を見せてやろうと思って……開戦はその後にしようぜ?」

「……寝ぼけてんのか?……その攻撃は俺に向けて放つんだろーがよ。そんなのわざわざ待つ訳ないだろ」

そう言い放つと、アッシュはこれ以上の問答は不要だと言わんばかりに脚に力を込め、いつでも飛び掛かれる体勢を再び取り始めた。

恐らく、孝志が僅かでも不審な行動をとれば、それを合図に飛び掛かって行く筈だ。


──しかし、完全に戦闘態勢だったアッシュは孝志が放った次の一言で、それを自ら解く事になった。

「アッシュと言ったな?お前……まさか、ビビってんのか?おう?」

「………あぁ?」

よしよし、簡単に食い付いてくれたぞ。
こめかみに青筋が浮き上がったのが、離れた位置からでも十分わかった。

これならば……と、孝志は更に言葉を畳み掛ける。

「いや、正直に言えよ。俺にビビってんだろ、お前?俺の一撃が怖いだよなぁ?アッシュさん?」

「…………はぁぁ?」

「いや、もう良いぜ。ビビリとこれ以上話したくねーよ。人を女の後ろに隠れてるとかバカにして言ってたけど、お前の方がダセェじゃねーか!ハッ!」

孝志の挑発で、アッシュの怒りは簡単に爆発した。

「………………はぁああぁあぁぁ~~~~~~ッッッッ!!!!!?」

あまりの激昂で、アッシュは顔中に血管を浮き上がらせると、怒りに満ち溢れた叫び声を上げる。

「上等だコラァッッ!!舐めんじゃねーぞさっきからよぉ!良いぜ!喰らってやるよその一撃ッ!お前のチンケなプライド、完膚無きまでに叩き潰してやるから覚悟しとけやっ!」

もうほんとおバカ。

後ろのアルマスも信じられない馬鹿を見るような目でアッシュを見ていた。

「じゃあ、行くぜ?」

「とっとと来いやッ!弾き飛ばしてやっからよぉ!」

アッシュは片手で持っていた剣を、両手でしっかり握り直し、孝志の放つ必殺技に備えるのだった。

そして、孝志は両手を前に突き出して唸り声を上げる。

「はぁぁああぁーーーー」

俺は手に力を集中させる様に見せかけて、アッシュの気を自分自身へと向かわせる。

アッシュの気が完全に自分へ向けられた所で、孝志はアルマスに指示を送った。

「はああぁぁーーーーーアルマス頼んだ」

「了解!パーフェクトヴァリアブルセット!目標は十魔衆序列六位・アッシュの周囲に指定。形状はドーム型……展開致します!」

アルマスが言い放つと、透明なバリアがアッシュを囲い込む様に現れる。
そしてそのバリアは、アッシュを1ミリの隙間なく完璧に包み込んだ。

「ーーッッ!!?ーーーー!ーーー!?」

バリアを拳で叩きながら、鬼の様な顔付きで此方を睨むアッシュだが、バリア内は完全防音になっているようで、孝志には何を言っているのか全く理解出来ない。


「よし、上手くいったし早いとこ城に戻るか!効果時間は五分もあるし、十分間に合うだろう!」

「エゲツないやり口ですね……行ったのがマスター以外だったら猛烈に批判してましたよ」

「いや、どう考えても十魔衆とか強そうな自己紹介したアイツが悪いだろ?そんなヤバそうなヤツと勝負する訳ないからな?」

「………まぁ、マスターが無事なら私は何だって良いんですが……」

「だろ?」

アルマスが渋々だが納得してくれたので、バリア内に閉じ込められたアッシュを尻目に、二人は再び城を目指して歩き出した。


そして何事も無く、このまま城に到着するだろうと二人が余裕を持ち始めた瞬間──

先程と全く同じ様に、ガラスが砕かれる様な音が二人の後方から鳴り響く。


──もうこの時点で孝志は何が有ったのか解ってしまっていたが、確信に至る為にも仕方なく後ろを振り返る事にした。

孝志とアルマスの二人が振り返った先には、粉々に砕かれ地面に散らばったバリアの破片と、何事も無かったかの様に此方を睨み付けるアッシュの姿があった。

……どういう事か説明すると、パーフェクトと名の付いたバリアが呆気なく砕け散っていたのだ。

「アルマス……いや、アルちゃんよぉ……絶対に砕かれないバリアじゃ無かったんすかね?」

俺に指摘されると目を瞑り、顔を真っ赤にしながらアルマスはプルプルと恥ずかしそうに震えた。

やっぱり恥ずかしいのね……と少し同情した矢先、アルマスが次に発した言葉は開き直りの言葉だった。

「わ、私、そんなこと言ったかしら~?……せ、刹那で忘れちゃった☆」

「おいあんた!!ふざけたこと言ってんじゃ……」

「テメェら、良い加減にしろよ?」

「「ッッ!?」」

ふざけてたら敵に突っ込まれてしまった。

アルマスと二人でヤンキーの方を見るが、表現が明らかにブチ切れている。
正直、いま飛び掛かって来ないのが不思議なくらい恐ろしい形相だ。

まぁ、俺でもあんな騙し討ちされたらキレると思うし、相手がヤンキーなら尚更だろう……

しかし、この場をどうやって切り抜けようか……

バリアは次の発動まで時間が掛かるし、例えもう一度使っても同じ結果になるのは目に見えている。

……はぁ~、バリアで楽にこの場を乗り切るつもりだったが……仕方ない。

ほんとに心底面倒くさいと思いながらも、孝志は深く息を吐いて覚悟を決めた。

「アルマス。疲れるから死ぬほど嫌なんだけど【第二能力】の解放を頼む。つーか、何が無敵のバリアだよ……初戦からあっさり壊されやがって」

この時、アルマスは思った。
これはこの後でネチネチ文句を言われるパターンだと。
でも良く考ると孝志からネチられるのは自分にとって案外ご褒美なのでは?と思い、後の楽しみにする事にした。

「申し訳ありませんマスター…ふふっ、では第二能力を解放しま~す」

「何でちょっと嬉しそうなの?」

笑ってられるのも今のうちだぞ?……絶対後でネチネチ言ってやるからな!(※アルマスには御褒美です)

孝志はイラつきながらも、腰にぶら下げている収納袋の中から、予め用意してあった剣を一本取り出しそれをアッシュへ向けて構えた。

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