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1章 五人の勇者
幕間 ユリウスとアリアン
しおりを挟むマリア王女や孝志と別れた後、1時間後に会議が行われた。
特に事務的な話以外しなかったが、今は国王に提出する報告書を作成している。
ため息を吐きながら自室で苦手な書類作業をしていると、部屋のドアが勢いよく開かれた。
「──ユリウスユリウスッ!あのクソ勇者ぶち殺してやったわ!」
入ってきていきなり物騒な事を口にするのは、いまユリウスの頭を悩ませる原因を作った張本人、【剣聖】アリアン・ルクレツィアである。
昨日 あの後何だかんだ大臣に怒られたはずのアリアンだが、まるで反省の色が見えない。軽くサイコ。
彼女の育ての親は自分だが、どこで育て間違えたのか……
「俺のところに嬉しそうに報告するの止めて?俺が指示してやらせたみたいに思われるだろ」
「ごめんなさい!楽しくってつい!」
「楽しいの……?」
やだ怖いこの子。重くサイコ。
─────────
「そういえばユリウスが教えてる、あの見込みのある勇者はどうだった?」
「ん?孝志のことか?見込みあるってどうして?」
「だってユリウスの素晴らしさを見ただけで感付いたのよ?素晴らしい勇者だわ!」
いや単にお前にビビってただけなんだが……まぁ言わないでおくか。
「孝志に関しては完全な特殊能力か指揮に特化したタイプだな。1日しか観てないけど戦闘技術はパッとしないかな?アイツの場合はそれ以外のところで見込みがあるけど」
「じゃあ戦闘能力はあまり高く無いの?」
「それでも勇者だから本気で鍛えれば六神剣くらいの強さにはなると思うがな。それだと単純な戦闘能力としては勇者にして微妙ってだけで」
「なるほど、つまり六神剣に入れるってこと?じゃあ六神剣が七神剣になるわね!」
上手いネーミングを思いついたでしょ?みたいなドヤ顔でアリアンが何か訳わからない事を言い出した。
「違うよ、六神剣に入れる訳じゃないから。例え話で六神剣と比較しただけだぞ?だいたいコイツの強さはこれくらいだ!みたいな時に誰かと比較したりするだろ?」
「・・・・・?」
やだ、この子ってばもうほんとバカ!
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