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最近、親友の様子がおかしい 〜碓井視点〜
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~碓井視点~
俺には親友と呼ぶべき存在が二人も居る。
二人とも高校一年からの付き合いだが、その内の一人の様子が最近どうもおかしい。
「……雄治……なんかあったか?」
「ん?どうして?」
「だって、最近姫田さんのこと無視してるし、女子に対する態度もなんか冷たいだろ?」
「ふっ……そうやって心配してくれるお前はやっぱり良い奴だよ……」
え、きめぇ……鳥肌立ってきた、なんだどうした心の友よっ!!
「よ、よく見ろって!ほら、碓井恭介だぜ?見下されるべき存在だぞ?ほら!いつもみたいに罵れよっ!」
「………お前、よく見ると色っぽいまつ毛してるよな?触っても良い?」
「オゲェェェッッ!!」
「大丈夫?体調悪いのかい?僕はとっても心配だよ」
「お前なんか雄治じゃねぇ……!!」
「一体いつから雄治だと錯覚していた?」
「なん……だと……?」
「まぁそれはそうと、今日石田とカラオケ行くことになったんだよ。碓井はバイトだろ?その所為で二人で行くことになったから気まずいんだが?」
「情緒不安定かよっ!……ん?──お前石田と仲良かったっけ?」
「……まぁまぁ?」
「ママ?」
「……俺の前で母親の話すんなつってんだろ!!殺すぞ!!」
「こわっ!」
そこまでキレなくても良いのに……どうせ、しょーもない反抗期か何かだろ?早く仲直りしろよな?
──授業が始まったので席へと戻る。
俺と雄治の席は離れているので、休み時間しかまともに話せない。まぁそれが普通なんだけどな。
その後も親友の様子を見ていたけど、人との接し方がおかしい。というか……やっぱり女子に対する接し方がおかしいと見てて思った。
一部の女子はそれに違和感を抱いてる様だし……このままだとお前モテないぞ?顔は良いんだから、そうなってしまうと勿体ないんだけどなぁ~?
そして昼休み……俺は弁当を手に持って、そのまま雄治の席へと向かおうとした。
「──ねぇねぇ、最近の坂本くんってば、なんかおかしくない?」
「ん?何がよ?」
……ほれ見ろほれ見ろほれ見ろっ!ああもう言わんこっちゃないぜぇ!!早速、俺の近くに居る女子二人がお前の噂をしてるぞ?!
しゃーない……めちゃくちゃ言うようなら止めるとするかね。俺と雄治はマブダチ、だから助け合いって大事だもんな!!
「なんか坂本くん超クールになったよね!」
「まぁたしかにね」
「うんうん!いつもの明るい感じも悪くないけど、私は今の坂本くんも良いと思う!」
「喋り方も変わったね」
「そうよ!しかも姫田さんと喧嘩したみたいだし!ワンチャンあるかも!?」
「今までは姫田さん一筋って感じで、付け入る隙なんて無かったけど……フリーならマジで狙ってみようかな?」
「美奈ちゃん、結構本気?」
「うん……だってカッコいいし……」
「──いやちょっと待てお前らぁ!!」
「碓井くん!?」
「はぁ?盗み聞きとかキモいんだけど?」
「いや、どう考えても前の雄治がいいだろっ!」
「なに急にっ!!今の雄治くんが良いよ!!」
「いいや!前のが良かったね!」
「私は今も前も好きだし」
「美奈ちゃん、そうやってマウント取るのやめなよ?しかも後出しは卑怯だよ?」
「そうだぞっ!ずるいぞ!ずるいずるいっ!」
(なにこの二人?)
「──君達……もしかして坂本雄治について話してたのかい?」
「「「………!?」」」
三人は声のする方を向く。
するとそこには石田一樹が立って居た。学年屈指のイケメンと言われる……そんな男が三人の前に立ちはだかった。
「坂本談義だろ?俺も混ぜてくれ」
「ああ良いぜっ……!雄治を良く知ってるのは俺だっ!お前なんかにアイツは渡さないぜっ!」
「ふん……では来い……!お手並みを拝見するとしよう……!」
「はぁぁぁッッ!!!!」
「ぬおぉぉッッ!!!!」
((なにこの二人?))
──男二人による熱い雄治の良いところ語りは白熱を極めるのであった。そして、その様子を一部の女子が頬を赤くしながら観ていたという。
その様子はもちろん雄治も観ていた。アレだけ騒いで居るのだから当然だろう。
「アイツら何言ってんの恥ずかしい……」
まぁ言ってる事は全部ほんとなんだけどさ。
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