そして何もなかった

平 昌綱

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成就と絶望

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 僕はしばらく青子と距離を置くことにした。そして、自分の恋愛に集中することにした。彼女の名前はR。数学のクラスで一緒だった。僕の一目惚れだった。友達の仲介があって、インスタを交換し、しばらくやりとりを続けた。青子とは違って、Rとの会話は静かで落ち着いたものが多く、その優雅な時間に僕はすっかり心地よさを感じていた。

 ある日、しばらくのやりとりの後、僕は勇気を出してRに電話で告白した。彼女は「少し時間をください」と言い、僕は緊張と期待の中で彼女の返事を待った。そして、翌日スマホを開くと、可愛いスタンプとともに「よろしくお願いします」というメッセージが届いていた。その瞬間、僕は嬉しさのあまり飛び跳ねてしまった。世界がこんなにも輝いて見えるのだと感じた。

 次の日、僕は上機嫌で学校に登校した。しかし、その日の帰りに彼女からのLINEには「ごめんなさい」と一言。僕の春は、一瞬で終わった。悲しみ以外に、適切な言葉は見つからなかった。

 翌日、僕は学校を休んだ。親に「休む」とだけ繰り返し、理由を説明する気力すらなかった。親は僕の様子から何かを察してくれて、学校に電話をかけてくれた。熱があるということになり、公欠扱いになった。失恋で公欠になるなんて、前代未聞の出来事だったと思う。
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