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第37話
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ガッシャーーーン!!!!
「あぁぁ!!私が大切にしていた陶磁器が!!」
バリバリバリイイィィィ!!!
「やめろおお!!!おいどうしてくれる!!これは貴族の奴らに見せびらかそうと思っていた高級絵画だぞ!!!」
ドッカアアァァァァンンンン!!!!
「ふざけるなあ!!!大金をはたいて作らせた王宮の装飾品が台無しじゃないか!!!!」
罠を破壊した後も、レグルスはまるでこの状況を楽しむかのような雰囲気で、王宮の中にあるものを片っ端から破壊し続けていた。
エリッサの事を心から慕うレグルスにとって、エリッサを虐げ続けていたノーティスの浮かべる苦しそうな表情は、何より愉快なもののように思える。
「もう無理ですノーティス様!!!降伏しましょう!!我々の力ではどうすることもできません!!!」
「そうですよそうですよ!!むしろここまでよく持ちこたえた方だと思います!!」
聖獣との実力の差を痛感させられたのか、王宮の兵たちはこぞってノーティスにそう言葉を発した。
…普段ならばそんな兵たちの言葉など、根性が足りないなどと言って一蹴するのだろうが、さすがのノーティスもこの状況を見てその考えを少し改めつつある様子…。
「(こ、このままでは我が王宮が文字通り滅茶苦茶に…。贅《ぜい》の限りを尽くしたこの王宮、その管理はすべてのこの私に一任されている…。このままでは、この莫大な損失をすべて私のせいにされてしまう…。い、いったいどうすれば言い逃れができる…。どんな手を打てば、どうすればここから巻き返せる…)」
焦りの色を募らせていくノーティスに、もはや少しの余裕もなかった。
もし仮にこの惨状とそのいきさつを第一王子にでも知られたならば、彼はその命をもって今回の責任の代償を払わされる可能性さえある。
身勝手な婚約破棄とそれに伴う王宮の破壊、さらには聖獣との関係の構築失敗まで、思い起こせば思い起こすほど、自分の身を滅ぼされかねないカードはいくらでもあった…。
「(…ここまで盛大に王宮が破壊された以上、これを隠すことは困難だろう…。であるならば、私の助かる道は…)」
…しばらく考えを巡らせた後、ある一つの結論にたどり着いたノーティス。
彼はそのままその場を立ち上がると、そのアイディアを実行するべくある人物の元を目指して走り始めたのだった…。
――――
そしてそれと同じ頃、エリッサの願いに導かれるままに突き進んでいたレグルスは、ようやく彼女と子どもたちの待つ場所へと到着した。
「来てくれたのねレグルス!!本当にありがとう!!」
エリッサはそう言葉をかけながら、レグルスの体をわしわしと撫で上げる。
レグルスはそんな彼女の手つきを心地よく感じながら、その表情をほころばせていた。
二人が別れていた時間はほんのひと時の間ではあったものの、レグルスにとってエリッサと再会するまでの時間は非常に待ち遠しく思えていた様子。
「なになに!すっごくかわいいんだけど!」
「お、俺も触りたい!!」
「尻尾くらいならいいよね!!」
そんな二人の様子に感化されてか、子どもたちもまた明るい表情を浮かべ、レグルスの周りに駆け寄った。
そんな子供たちの事をエリッサが愛しているという事をレグルスは瞬時に察したのか、初対面ではありながらも敵対的な雰囲気を見せることはなく、そのもふもふな体をは子どもたちにもみくちゃにされながらも、特に嫌そうな表情を見せることはなかった。
しかし、レグルスはこれで終わりだとは思っていない様子で、子供たちの手を軽く払いのけてエリッサの前まで訪れると、顔と体の動きでこうメッセージを伝える。
「なになに…。私たちをここから連れ出すまでが私の願いだから、すぐに叶えてあげたい??」
エリッサの言葉に対し、レグルスは「当たり!」と言わんばかりの雰囲気でその首を縦に振って答える。
「…でもレグルス、疲れてるんじゃない?そんなことまで一気にお願いしても大丈夫??」
レグルスと戦闘を行う兵たちの声や、それに伴う大きな音なども聞こえていたエリッサは、心配そうな表情でそう言葉を発した。
しかしそれに対してレグルスは、再びジェスチャーを絡めながらこう返事をした。
「なになに…。思ってたより、楽しめたから、大丈夫、エリッサに、会えたから、エネルギーが有り余ってる?」
エリッサの言葉を聞き、レグルスはややどや顔を浮かべながらうんうんとうなずいてみせる。
そんな二人の様子を見て、子どもたちが不思議そうな表情を浮かべながらこうつぶやいた。
「お姉ちゃんすごい!!この子の言っていること何でもわかるんだ!!」
「この子と言葉で話してるみたい!全部わかっちゃうなんてかっこいい!」
「い、いやいや全然そんなすごいことじゃないよ!!」
子どもたちの声を聞き、なんだか少し照れくさそうな表情を浮かべるエリッサ。
彼女がこうしてレグルスと完璧に意思疎通できていることもまた、レグルスが彼女を慕う要素のひとつなのだろう。
「そ、それじゃあ帰りましょう!!お願いレグルス!!」
「あーー!お姉ちゃん恥ずかしいだ!!顔赤いもん!」
「こ、これ!静かにしなさい!」
明るく楽し気な雰囲気に包まれながら、エリッサは子どもたちを連れてレグルスのそばに体を寄せる。
後はレグルスに任せれば元いた場所に帰ることができるのみだったその時、一人の男が彼女たちの前に大慌てで現れ、こう言葉を叫んだ。
「ちょっとまて!!!そのまま帰ることは許さんぞ!!」
「あぁぁ!!私が大切にしていた陶磁器が!!」
バリバリバリイイィィィ!!!
「やめろおお!!!おいどうしてくれる!!これは貴族の奴らに見せびらかそうと思っていた高級絵画だぞ!!!」
ドッカアアァァァァンンンン!!!!
「ふざけるなあ!!!大金をはたいて作らせた王宮の装飾品が台無しじゃないか!!!!」
罠を破壊した後も、レグルスはまるでこの状況を楽しむかのような雰囲気で、王宮の中にあるものを片っ端から破壊し続けていた。
エリッサの事を心から慕うレグルスにとって、エリッサを虐げ続けていたノーティスの浮かべる苦しそうな表情は、何より愉快なもののように思える。
「もう無理ですノーティス様!!!降伏しましょう!!我々の力ではどうすることもできません!!!」
「そうですよそうですよ!!むしろここまでよく持ちこたえた方だと思います!!」
聖獣との実力の差を痛感させられたのか、王宮の兵たちはこぞってノーティスにそう言葉を発した。
…普段ならばそんな兵たちの言葉など、根性が足りないなどと言って一蹴するのだろうが、さすがのノーティスもこの状況を見てその考えを少し改めつつある様子…。
「(こ、このままでは我が王宮が文字通り滅茶苦茶に…。贅《ぜい》の限りを尽くしたこの王宮、その管理はすべてのこの私に一任されている…。このままでは、この莫大な損失をすべて私のせいにされてしまう…。い、いったいどうすれば言い逃れができる…。どんな手を打てば、どうすればここから巻き返せる…)」
焦りの色を募らせていくノーティスに、もはや少しの余裕もなかった。
もし仮にこの惨状とそのいきさつを第一王子にでも知られたならば、彼はその命をもって今回の責任の代償を払わされる可能性さえある。
身勝手な婚約破棄とそれに伴う王宮の破壊、さらには聖獣との関係の構築失敗まで、思い起こせば思い起こすほど、自分の身を滅ぼされかねないカードはいくらでもあった…。
「(…ここまで盛大に王宮が破壊された以上、これを隠すことは困難だろう…。であるならば、私の助かる道は…)」
…しばらく考えを巡らせた後、ある一つの結論にたどり着いたノーティス。
彼はそのままその場を立ち上がると、そのアイディアを実行するべくある人物の元を目指して走り始めたのだった…。
――――
そしてそれと同じ頃、エリッサの願いに導かれるままに突き進んでいたレグルスは、ようやく彼女と子どもたちの待つ場所へと到着した。
「来てくれたのねレグルス!!本当にありがとう!!」
エリッサはそう言葉をかけながら、レグルスの体をわしわしと撫で上げる。
レグルスはそんな彼女の手つきを心地よく感じながら、その表情をほころばせていた。
二人が別れていた時間はほんのひと時の間ではあったものの、レグルスにとってエリッサと再会するまでの時間は非常に待ち遠しく思えていた様子。
「なになに!すっごくかわいいんだけど!」
「お、俺も触りたい!!」
「尻尾くらいならいいよね!!」
そんな二人の様子に感化されてか、子どもたちもまた明るい表情を浮かべ、レグルスの周りに駆け寄った。
そんな子供たちの事をエリッサが愛しているという事をレグルスは瞬時に察したのか、初対面ではありながらも敵対的な雰囲気を見せることはなく、そのもふもふな体をは子どもたちにもみくちゃにされながらも、特に嫌そうな表情を見せることはなかった。
しかし、レグルスはこれで終わりだとは思っていない様子で、子供たちの手を軽く払いのけてエリッサの前まで訪れると、顔と体の動きでこうメッセージを伝える。
「なになに…。私たちをここから連れ出すまでが私の願いだから、すぐに叶えてあげたい??」
エリッサの言葉に対し、レグルスは「当たり!」と言わんばかりの雰囲気でその首を縦に振って答える。
「…でもレグルス、疲れてるんじゃない?そんなことまで一気にお願いしても大丈夫??」
レグルスと戦闘を行う兵たちの声や、それに伴う大きな音なども聞こえていたエリッサは、心配そうな表情でそう言葉を発した。
しかしそれに対してレグルスは、再びジェスチャーを絡めながらこう返事をした。
「なになに…。思ってたより、楽しめたから、大丈夫、エリッサに、会えたから、エネルギーが有り余ってる?」
エリッサの言葉を聞き、レグルスはややどや顔を浮かべながらうんうんとうなずいてみせる。
そんな二人の様子を見て、子どもたちが不思議そうな表情を浮かべながらこうつぶやいた。
「お姉ちゃんすごい!!この子の言っていること何でもわかるんだ!!」
「この子と言葉で話してるみたい!全部わかっちゃうなんてかっこいい!」
「い、いやいや全然そんなすごいことじゃないよ!!」
子どもたちの声を聞き、なんだか少し照れくさそうな表情を浮かべるエリッサ。
彼女がこうしてレグルスと完璧に意思疎通できていることもまた、レグルスが彼女を慕う要素のひとつなのだろう。
「そ、それじゃあ帰りましょう!!お願いレグルス!!」
「あーー!お姉ちゃん恥ずかしいだ!!顔赤いもん!」
「こ、これ!静かにしなさい!」
明るく楽し気な雰囲気に包まれながら、エリッサは子どもたちを連れてレグルスのそばに体を寄せる。
後はレグルスに任せれば元いた場所に帰ることができるのみだったその時、一人の男が彼女たちの前に大慌てで現れ、こう言葉を叫んだ。
「ちょっとまて!!!そのまま帰ることは許さんぞ!!」
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