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第3話
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「よく来たわね。あなたとこうして会うのは初めてかしら?」
「は、はい…。お招きいただきありがとうございます…」
誘いは受けていたから、覚悟はしていたものの…。こうして直接会ってみると、やっぱりどこか不思議な気持ちになる…。
「伯爵の婚約相手は…あなただったのね?」
私の頭の上から足先まで、じっくり見て分析してくる彼女…。レリアは初めて会う私を興味深そうに接した。
「ど、どうして私を呼ばれたのですか?あなたから見れば、決して面白いような存在ではないかと思うのですが…」
心の中に葛藤を抱えるのは嫌だった私は、最初に最大の疑問を投げかけてみることにする。彼女からの誘いに乗る形でここまで来たわけだけれど、彼女が私を誘った理由がよく分からない。彼女の様子から見るに、婚約を台無しにしたいとか、伯爵様との関係をより深めたいとか、そういうわけではないように見えるけれど…。
と考えていたその時、私にとって全く想像もしていなかった人物が目の前に現れた。
「ファ、ファーラ伯爵様…!?」
不意に扉を開けこの場に現れた人物、そこには私を冷遇して家出させた伯爵様の姿があった…。
「いつぶりだろうかね、セイラ。まさか君が本当に家出をしてくるとは…。こうしてレリアがつなぎ合わせてくれなければ、もしかしたら会うこともなかったかもしれない」
あれほどに私に高圧的に当たってきた伯爵様に、その態度や言葉を改めるような様子はまったく見られない…。
「まぁ話を引き延ばしても無駄だろうから、単刀直入に言おうじゃないか。君との婚約だが、こんなことをされてしまっては続けることはできない。終わりにさせてもらおうと思う。もとはといえば君がいなくなったのが原因なのだから、責任も君にあるからな?僕を悪者にするのはやめてくれよ?」
一方的に自分の言葉を告げてくる伯爵様…。それに続き、レリアもまた私に言葉を発した。
「こうなっても仕方はないわよね?せっかく伯爵様があなたの事を見込んで婚約者としてくれたのに、それを捨てて逃げ出してしまうだなんて…。それが伯爵様を支える将来の妻のやることとは思えないもの」
出て行けと言ったのはそっちの方だったのに…と思う私の事など構わず、二人はそろって私に対して薄ら笑いを浮かべている。きっと楽しくて仕方がないのだろう…。自分たちが苦しめていると思う私の姿を見ることが…。
けれど、それは私にとっても悪くない話だった。そもそも伯爵様との関係に未来などないと思ったから家出をした私。どれだけ彼の元からいなくなってしまいたいと思っても、それをずっと許してはくださらなかった。それをこうして婚約破棄してくださると言っておられるのだから、素直に受け入れない手はない。
「そうですか。私はもう用済みということですので、その婚約破棄を受け入れさせていただこうと思います」
そんな私の姿は、二人には負け惜しみを言っているように映ったようで…。
「くくく…。内心では婚約破棄などしたくないのだろう?今泣いて謝れば許してやらないこともないぞ?貴族との婚約を取りやめられるなど、それほどもったいない話はないぞ?」
「そうよセイラ?せっかく伯爵様が謝れば考え直してくださると言っているのだから、ここは素直に謝った方がいいんじゃない??まぁそれで許されるとも思わないけれど(笑)」
私が本心から婚約破棄を受け入れたがっているとは、二人とも全く気づいていない様子だった。
「は、はい…。お招きいただきありがとうございます…」
誘いは受けていたから、覚悟はしていたものの…。こうして直接会ってみると、やっぱりどこか不思議な気持ちになる…。
「伯爵の婚約相手は…あなただったのね?」
私の頭の上から足先まで、じっくり見て分析してくる彼女…。レリアは初めて会う私を興味深そうに接した。
「ど、どうして私を呼ばれたのですか?あなたから見れば、決して面白いような存在ではないかと思うのですが…」
心の中に葛藤を抱えるのは嫌だった私は、最初に最大の疑問を投げかけてみることにする。彼女からの誘いに乗る形でここまで来たわけだけれど、彼女が私を誘った理由がよく分からない。彼女の様子から見るに、婚約を台無しにしたいとか、伯爵様との関係をより深めたいとか、そういうわけではないように見えるけれど…。
と考えていたその時、私にとって全く想像もしていなかった人物が目の前に現れた。
「ファ、ファーラ伯爵様…!?」
不意に扉を開けこの場に現れた人物、そこには私を冷遇して家出させた伯爵様の姿があった…。
「いつぶりだろうかね、セイラ。まさか君が本当に家出をしてくるとは…。こうしてレリアがつなぎ合わせてくれなければ、もしかしたら会うこともなかったかもしれない」
あれほどに私に高圧的に当たってきた伯爵様に、その態度や言葉を改めるような様子はまったく見られない…。
「まぁ話を引き延ばしても無駄だろうから、単刀直入に言おうじゃないか。君との婚約だが、こんなことをされてしまっては続けることはできない。終わりにさせてもらおうと思う。もとはといえば君がいなくなったのが原因なのだから、責任も君にあるからな?僕を悪者にするのはやめてくれよ?」
一方的に自分の言葉を告げてくる伯爵様…。それに続き、レリアもまた私に言葉を発した。
「こうなっても仕方はないわよね?せっかく伯爵様があなたの事を見込んで婚約者としてくれたのに、それを捨てて逃げ出してしまうだなんて…。それが伯爵様を支える将来の妻のやることとは思えないもの」
出て行けと言ったのはそっちの方だったのに…と思う私の事など構わず、二人はそろって私に対して薄ら笑いを浮かべている。きっと楽しくて仕方がないのだろう…。自分たちが苦しめていると思う私の姿を見ることが…。
けれど、それは私にとっても悪くない話だった。そもそも伯爵様との関係に未来などないと思ったから家出をした私。どれだけ彼の元からいなくなってしまいたいと思っても、それをずっと許してはくださらなかった。それをこうして婚約破棄してくださると言っておられるのだから、素直に受け入れない手はない。
「そうですか。私はもう用済みということですので、その婚約破棄を受け入れさせていただこうと思います」
そんな私の姿は、二人には負け惜しみを言っているように映ったようで…。
「くくく…。内心では婚約破棄などしたくないのだろう?今泣いて謝れば許してやらないこともないぞ?貴族との婚約を取りやめられるなど、それほどもったいない話はないぞ?」
「そうよセイラ?せっかく伯爵様が謝れば考え直してくださると言っているのだから、ここは素直に謝った方がいいんじゃない??まぁそれで許されるとも思わないけれど(笑)」
私が本心から婚約破棄を受け入れたがっているとは、二人とも全く気づいていない様子だった。
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