49 / 49
ラストエピソード 〜last episode sakura〜
桜の追憶2 後編
しおりを挟む
紗希とみやが懸命に桜を追っている時、先を行く桜にはもう一方の甲組と呼ばれた武士たち六人が取り囲んでいた。
「松平桜だな。お前に松平の姓など無用。ここで死んでもらう」
「何者だ?」
「これから死ぬ奴に名乗っても意味ないであろう」
相手が名乗らなくても桜には自分が松平の姓を名乗るのが気に入らない人間である事はすぐに察しが付いた。
「松平家の者か?」
「斬れ!」
桜の問いに誰も答えず武士たちは一斉に刀を抜く。
桜は無意識のうちに後ろに下がっていた。
初めての戦いに気持ちが引いてしまっていたのだ。
相手は六人。
桜は剣を抜いたが、恐怖から身体に震えが来ていた。
脳裏には師匠美村紗希の言葉がよぎっていた。
〔剣の道を行く以上、誰かを助けるために誰かを殺さなければならない場面が出でくる。お前が殿一人を守ろうと思ったら何十人、何百人もの人を斬らねばならなくなるかも知れないんだ。お前にその覚悟はあるか?〕
「うう。。」
「こいつ、怯えているぞ」
「こんなのに六人も必要だったのか?」
松平家の武士たちの嘲笑が飛び交う。
〔人を斬るには覚悟がいる。その覚悟なしに剣を学ぶなら身につけられるのは単なる剣舞だ。この道を歩むからには目の前の敵を斬る以外に先へは進めねえんだ〕
「うわああああ」
絶叫と共に桜は剣を振り下ろす。
突然の桜の絶叫に武士たちは追い詰められて気が触れたのだと思っていた。
「こいつ、恐怖からおかしくなったようだ」
「さっさとやっちまえ」
武士たちが一斉に桜に襲い掛かる。
桜は無我夢中で剣を振るい、無意識のうちに桜流抜刀術を繰り出していた。
「斬らなければ死ぬ。。斬らなければ。。」
紗希との十年は桜の身体の隅々まで染み込むようにその動きと技を体得していた。
「焔乃舞(ほむらのまい)」
「華一閃(はないっせん)」
「真空斬(しんくうざん)」
桜の剣が一閃する事に相手が一人、また一人と斬り倒されていく。
返り血を浴びて真っ赤に染まる腕と胸元。
顔にも返り血が降り掛かる。
その動きの速さ、剣の鋭さは武士たちの想像を遥かに超えていた。
「こんなバカな。。」
たかが十五歳の少女一人に六人も多すぎだとタカを括っていた武士たちは驚愕する。
すでに四人が倒され残るは二人であった。
「はあ。。はあ。。」
激しく肩で息をくる桜。
襲いくる恐怖と涙。
手と身体の震えが止まらず立ち尽くす。
胸が痛い。。ズキズキ痛む。。
「今だ!」
隙ありと残る二人が一斉に桜に襲いかかる。
〔斬れ!斬らなければ死ぬのはお前だ!〕
心の中でそんな声が聞こえたような気がした。
桜は小太刀を抜き放つ。
「銀龍牙(しろがねのりょうが)」
超神速の二刀流による六連撃。
紗希に認められた桜の必殺技であった。
二人の武士たちはそれぞれ袈裟斬りと真っ向斬りで斬られて血飛沫を上げて倒れた。
「はあ。。はあ。。」
汗と涙と返り血で桜の顔はぐしゃぐしゃであった。
この呼吸の激しさ身体を動かしたせいじゃない。
初めて人を斬った恐怖と極度の緊張からくる過呼吸であった。
桜はその場にうずくまり激しく嘔吐した。
身体の震えに手の震えが今だに止まらず、斬った時の手応えがまだ手に残る。
桜は自分を落ち着かせるために大きく深呼吸をした。
そしてようやく震えも収まり少しずつだが、呼吸も楽になってきた。
時間にしたらものの数分の出来事であったが、桜にはとてつもなく長い時間に感じた。
「桜。。」
血に染まった手と倒れている遺体にしばらく放心状態になっていた桜であるが、紗希の声にハッと気がつく。
「紗希さん。。」
紗希の声に桜はようやく自我を取り戻した。
まるで夢のような感覚から現実へと引き戻されたのだ。
桜の目の前にはさっきまで生きていた人間だった肉塊。
六人もの命を殺めた現実が胸に突き刺さる。
「私が昔話した事、覚えているか?誰かを守るためには誰かを斬らなくてはならない。その守る対象が将軍であれば何十、何百人という人をな。
この道を歩むからには目の前の敵を斬る以外に先へは進めねえんだ。その覚悟がなければ、ここで剣を置くがいい。今ならまだ新しい道を選べるだろう」
紗希にそう言われて、桜は血に染まった自分の手と刀を見つめていた。
そこにみやも追いついた。
そして状況を見て全てを察した。
「桜。。これ全てあなたが?」
みやの言葉に桜は返事をする事なくグッと刀を握りしめる。
「私は。。それでも御庭番になります。それ以外の選択肢が私にはありません。じゃなければ私のこれまでの人生はなかったものになってしまう。斬った人の人生を奪った罪はその数の分だけ私に返ってくるでしょうけど、それも覚悟の上です」
「鬼になるか?いや、なれるのか?」
「私は剣を抜いた時には人の心を捨てて鬼となり相手を情け無用で斬ります。それが出来なけれは死ぬのは自分です」
紗希は何も言わずに桜をじっと見つめる。
「いつか剣を置く時が来るでしょう。その時にこの命がまだあれば、その後の人生は殺めた人たちへの供養に捧げたいと思います。もう、泣きません」
涙を拭いて立ち上がる桜の目つきが変わっていたのを紗希は見ていた。
それは昨日までとは違う人を斬った人間の目つきであった。
「戻れない道を歩き始めたか。良かろう。お前の罪は私の罪だ。お前が人を斬った罪とその人たちの恨み辛みは私が半分引き受けてやる。思い切り江戸で暴れて来い。そして上様を守り抜いて見せろ」
「はい!」
〔。。にしても。予想以上だ。初めての実戦でこれだけの相手を全員斬り倒すとは。私はとんでもない剣客を育てたのかも知れないな〕
紗希は剣客としての桜の才能をこの時初めて見た。
〔こいつなら大丈夫。誰がきても上様を守る事が出来るだろう〕
ちょうど一段落した時に宗直の送った山田奉行所の同心たちが到着した。
「遅かったか。。紗希殿、桜殿。無事で何よりだ。後は我々に任せて殿がお呼びだ。和歌山城に向かうがよい」
「わかった、後は頼みます。桜、和歌山城に行こう。っとそのまえに風呂と着替えだな。その姿で殿に会うわけにはいかねえ」
「そうですね。出直しましょう」
「紗希さん、私は源心と長屋に戻ります」
「みや、ありがとうよ。源心にもお疲れ様と伝えてくれ」
その後、和歌山城に着いた紗希と桜は藩主徳川宗直から直接の謝罪を受け、非は襲った家臣たちにあると罪に問わない事を申し伝えられた。
さらに桜には松平の姓を堂々と名乗るが良いと改めて承認したのだ。
⭐︎⭐︎⭐︎
「紀州藩松平家の一部が紗希と桜を襲っただと?」
吉宗にもこの一件は報告されたが、藩主徳川宗直の知らないところで勝手に動いた者たちの謀反とわかり、宗直は監督不行き届きの厳重注意のみでお咎めを受けることはなかった。
しかし吉宗は今回の一件で六人もの相手を倒した桜の実力に驚き、御庭番として起用する事を決めていた。
「久通、松平桜を正式に御庭番として起用する。年が明けて十五歳になったら江戸に来るよう申し伝えよ」
「はっ!」
加納久通はついにこの日が来たのかと感慨深かった。
「あの時、どこの馬の骨ともわからぬなどと言った事を謝らねばならぬな」
⭐︎⭐︎⭐︎
一年後、江戸日本橋。
日本橋の上で桜は辻斬り犯と対峙する。
「何者だ?貴様」
「私は松平桜。将軍家御庭番」
桜は剣を居合い抜きの構えを取る。
ダン!という足音と共に一気に相手との間合いを詰め剣を抜く。
「迅速斬(じんそくざん)」
鞘から超神速で抜かれた刀は瞬きする間もない刹那の速さで一閃される。
松平桜。吉宗配下の御庭番史上最強と言われた剣客。
僅か一年半足らずの活動期間で数々の武功を立て、その名を歴史に刻んだ。
「松平桜だな。お前に松平の姓など無用。ここで死んでもらう」
「何者だ?」
「これから死ぬ奴に名乗っても意味ないであろう」
相手が名乗らなくても桜には自分が松平の姓を名乗るのが気に入らない人間である事はすぐに察しが付いた。
「松平家の者か?」
「斬れ!」
桜の問いに誰も答えず武士たちは一斉に刀を抜く。
桜は無意識のうちに後ろに下がっていた。
初めての戦いに気持ちが引いてしまっていたのだ。
相手は六人。
桜は剣を抜いたが、恐怖から身体に震えが来ていた。
脳裏には師匠美村紗希の言葉がよぎっていた。
〔剣の道を行く以上、誰かを助けるために誰かを殺さなければならない場面が出でくる。お前が殿一人を守ろうと思ったら何十人、何百人もの人を斬らねばならなくなるかも知れないんだ。お前にその覚悟はあるか?〕
「うう。。」
「こいつ、怯えているぞ」
「こんなのに六人も必要だったのか?」
松平家の武士たちの嘲笑が飛び交う。
〔人を斬るには覚悟がいる。その覚悟なしに剣を学ぶなら身につけられるのは単なる剣舞だ。この道を歩むからには目の前の敵を斬る以外に先へは進めねえんだ〕
「うわああああ」
絶叫と共に桜は剣を振り下ろす。
突然の桜の絶叫に武士たちは追い詰められて気が触れたのだと思っていた。
「こいつ、恐怖からおかしくなったようだ」
「さっさとやっちまえ」
武士たちが一斉に桜に襲い掛かる。
桜は無我夢中で剣を振るい、無意識のうちに桜流抜刀術を繰り出していた。
「斬らなければ死ぬ。。斬らなければ。。」
紗希との十年は桜の身体の隅々まで染み込むようにその動きと技を体得していた。
「焔乃舞(ほむらのまい)」
「華一閃(はないっせん)」
「真空斬(しんくうざん)」
桜の剣が一閃する事に相手が一人、また一人と斬り倒されていく。
返り血を浴びて真っ赤に染まる腕と胸元。
顔にも返り血が降り掛かる。
その動きの速さ、剣の鋭さは武士たちの想像を遥かに超えていた。
「こんなバカな。。」
たかが十五歳の少女一人に六人も多すぎだとタカを括っていた武士たちは驚愕する。
すでに四人が倒され残るは二人であった。
「はあ。。はあ。。」
激しく肩で息をくる桜。
襲いくる恐怖と涙。
手と身体の震えが止まらず立ち尽くす。
胸が痛い。。ズキズキ痛む。。
「今だ!」
隙ありと残る二人が一斉に桜に襲いかかる。
〔斬れ!斬らなければ死ぬのはお前だ!〕
心の中でそんな声が聞こえたような気がした。
桜は小太刀を抜き放つ。
「銀龍牙(しろがねのりょうが)」
超神速の二刀流による六連撃。
紗希に認められた桜の必殺技であった。
二人の武士たちはそれぞれ袈裟斬りと真っ向斬りで斬られて血飛沫を上げて倒れた。
「はあ。。はあ。。」
汗と涙と返り血で桜の顔はぐしゃぐしゃであった。
この呼吸の激しさ身体を動かしたせいじゃない。
初めて人を斬った恐怖と極度の緊張からくる過呼吸であった。
桜はその場にうずくまり激しく嘔吐した。
身体の震えに手の震えが今だに止まらず、斬った時の手応えがまだ手に残る。
桜は自分を落ち着かせるために大きく深呼吸をした。
そしてようやく震えも収まり少しずつだが、呼吸も楽になってきた。
時間にしたらものの数分の出来事であったが、桜にはとてつもなく長い時間に感じた。
「桜。。」
血に染まった手と倒れている遺体にしばらく放心状態になっていた桜であるが、紗希の声にハッと気がつく。
「紗希さん。。」
紗希の声に桜はようやく自我を取り戻した。
まるで夢のような感覚から現実へと引き戻されたのだ。
桜の目の前にはさっきまで生きていた人間だった肉塊。
六人もの命を殺めた現実が胸に突き刺さる。
「私が昔話した事、覚えているか?誰かを守るためには誰かを斬らなくてはならない。その守る対象が将軍であれば何十、何百人という人をな。
この道を歩むからには目の前の敵を斬る以外に先へは進めねえんだ。その覚悟がなければ、ここで剣を置くがいい。今ならまだ新しい道を選べるだろう」
紗希にそう言われて、桜は血に染まった自分の手と刀を見つめていた。
そこにみやも追いついた。
そして状況を見て全てを察した。
「桜。。これ全てあなたが?」
みやの言葉に桜は返事をする事なくグッと刀を握りしめる。
「私は。。それでも御庭番になります。それ以外の選択肢が私にはありません。じゃなければ私のこれまでの人生はなかったものになってしまう。斬った人の人生を奪った罪はその数の分だけ私に返ってくるでしょうけど、それも覚悟の上です」
「鬼になるか?いや、なれるのか?」
「私は剣を抜いた時には人の心を捨てて鬼となり相手を情け無用で斬ります。それが出来なけれは死ぬのは自分です」
紗希は何も言わずに桜をじっと見つめる。
「いつか剣を置く時が来るでしょう。その時にこの命がまだあれば、その後の人生は殺めた人たちへの供養に捧げたいと思います。もう、泣きません」
涙を拭いて立ち上がる桜の目つきが変わっていたのを紗希は見ていた。
それは昨日までとは違う人を斬った人間の目つきであった。
「戻れない道を歩き始めたか。良かろう。お前の罪は私の罪だ。お前が人を斬った罪とその人たちの恨み辛みは私が半分引き受けてやる。思い切り江戸で暴れて来い。そして上様を守り抜いて見せろ」
「はい!」
〔。。にしても。予想以上だ。初めての実戦でこれだけの相手を全員斬り倒すとは。私はとんでもない剣客を育てたのかも知れないな〕
紗希は剣客としての桜の才能をこの時初めて見た。
〔こいつなら大丈夫。誰がきても上様を守る事が出来るだろう〕
ちょうど一段落した時に宗直の送った山田奉行所の同心たちが到着した。
「遅かったか。。紗希殿、桜殿。無事で何よりだ。後は我々に任せて殿がお呼びだ。和歌山城に向かうがよい」
「わかった、後は頼みます。桜、和歌山城に行こう。っとそのまえに風呂と着替えだな。その姿で殿に会うわけにはいかねえ」
「そうですね。出直しましょう」
「紗希さん、私は源心と長屋に戻ります」
「みや、ありがとうよ。源心にもお疲れ様と伝えてくれ」
その後、和歌山城に着いた紗希と桜は藩主徳川宗直から直接の謝罪を受け、非は襲った家臣たちにあると罪に問わない事を申し伝えられた。
さらに桜には松平の姓を堂々と名乗るが良いと改めて承認したのだ。
⭐︎⭐︎⭐︎
「紀州藩松平家の一部が紗希と桜を襲っただと?」
吉宗にもこの一件は報告されたが、藩主徳川宗直の知らないところで勝手に動いた者たちの謀反とわかり、宗直は監督不行き届きの厳重注意のみでお咎めを受けることはなかった。
しかし吉宗は今回の一件で六人もの相手を倒した桜の実力に驚き、御庭番として起用する事を決めていた。
「久通、松平桜を正式に御庭番として起用する。年が明けて十五歳になったら江戸に来るよう申し伝えよ」
「はっ!」
加納久通はついにこの日が来たのかと感慨深かった。
「あの時、どこの馬の骨ともわからぬなどと言った事を謝らねばならぬな」
⭐︎⭐︎⭐︎
一年後、江戸日本橋。
日本橋の上で桜は辻斬り犯と対峙する。
「何者だ?貴様」
「私は松平桜。将軍家御庭番」
桜は剣を居合い抜きの構えを取る。
ダン!という足音と共に一気に相手との間合いを詰め剣を抜く。
「迅速斬(じんそくざん)」
鞘から超神速で抜かれた刀は瞬きする間もない刹那の速さで一閃される。
松平桜。吉宗配下の御庭番史上最強と言われた剣客。
僅か一年半足らずの活動期間で数々の武功を立て、その名を歴史に刻んだ。
10
お気に入りに追加
2
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
フリードリヒ二世の手紙
平井敦史
歴史・時代
神聖ローマ皇帝フリードリヒ二世。
「王座上の最初の近代人」、あるいは「世界の驚異」。
国際色豊かなシチリアで育ち、イスラムの文明に憧憬を抱く彼は、異教徒の言葉であるアラビア語をも習得していた。
そして、エジプトアイユーブ朝スルタン・アル=カーミルとも親しく文を交わし、ついにはイスラム教徒からキリスト教徒へのエルサレムの譲渡――無血十字軍という歴史上の奇跡の花を咲かせる。
しかし、美しき花は無残に手折られ、エルサレムは再びイスラム教徒の手に。そしてそれをきっかけに、第七回十字軍がエジプトに戦火を巻き起こす。
憎悪の連鎖の結末やいかに。
フリードリヒ二世がメインですが、彼と文通相手、およびその周辺の人間たちの群像劇です。そして最後は美味しいところをかっさらっていく奴が……(笑)。
ファ ンタジー要素なし。転 生もチ ートもありません。
「小説家になろう」様の公式企画「秋の歴史2022」向けに執筆・投稿した作品ですが、より多くの方に読んでいただきたく、この度「アルファポリス」様にも投稿させていただくことにしました。
よろしくお願いします。
「カクヨム」様にも掲載しています。
北武の寅 <幕末さいたま志士伝>
海野 次朗
歴史・時代
タイトルは『北武の寅』(ほくぶのとら)と読みます。
幕末の埼玉人にスポットをあてた作品です。主人公は熊谷北郊出身の吉田寅之助という青年です。他に渋沢栄一(尾高兄弟含む)、根岸友山、清水卯三郎、斎藤健次郎などが登場します。さらにベルギー系フランス人のモンブランやフランスお政、五代才助(友厚)、松木弘安(寺島宗則)、伊藤俊輔(博文)なども登場します。
根岸友山が出る関係から新選組や清河八郎の話もあります。また、渋沢栄一やモンブランが出る関係からパリ万博などパリを舞台とした場面が何回かあります。
前作の『伊藤とサトウ』と違って今作は史実重視というよりも、より「小説」に近い形になっているはずです。ただしキャラクターや時代背景はかなり重複しております。『伊藤とサトウ』でやれなかった事件を深掘りしているつもりですので、その点はご了承ください。
(※この作品は「NOVEL DAYS」「小説家になろう」「カクヨム」にも転載してます)
陣代『諏訪勝頼』――御旗盾無、御照覧あれ!――
黒鯛の刺身♪
歴史・時代
戦国の巨獣と恐れられた『武田信玄』の実質的後継者である『諏訪勝頼』。
一般には武田勝頼と記されることが多い。
……が、しかし、彼は正統な後継者ではなかった。
信玄の遺言に寄れば、正式な後継者は信玄の孫とあった。
つまり勝頼の子である信勝が後継者であり、勝頼は陣代。
一介の後見人の立場でしかない。
織田信長や徳川家康ら稀代の英雄たちと戦うのに、正式な当主と成れず、一介の後見人として戦わねばならなかった諏訪勝頼。
……これは、そんな悲運の名将のお話である。
【画像引用】……諏訪勝頼・高野山持明院蔵
【注意】……武田贔屓のお話です。
所説あります。
あくまでも一つのお話としてお楽しみください。
旧式戦艦はつせ
古井論理
歴史・時代
真珠湾攻撃を行う前に機動艦隊が発見されてしまい、結果的に太平洋戦争を回避した日本であったが軍備は軍縮条約によって制限され、日本国に国名を変更し民主政治を取り入れたあとも締め付けが厳しい日々が続いている世界。東南アジアの元列強植民地が独立した大国・マカスネシア連邦と同盟を結んだ日本だが、果たして復権の日は来るのであろうか。ロマンと知略のIF戦記。
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
吼えよ! 権六
林 本丸
歴史・時代
時の関白豊臣秀吉を嫌う茶々姫はあるとき秀吉のいやがらせのため自身の養父・故柴田勝家の過去を探ることを思い立つ。主人公の木下半介は、茶々の命を受け、嫌々ながら柴田勝家の過去を探るのだが、その時々で秀吉からの妨害に見舞われる。はたして半介は茶々の命を完遂できるのか? やがて柴田勝家の過去を探る旅の過程でこれに関わる人々の気持ちも変化して……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる