36 / 49
激闘編
三日月党との激闘 最終話
しおりを挟む
戦いの最中、泉凪は幼少の頃を思い出していた。
☆☆☆
「。。父上にはかないません」
「立て、泉凪。私が敵であったならお前はもう斬り倒されている」
幼少の泉凪は鬼頭流免許皆伝の腕を持つ父、太蔵に厳しく稽古をつけられた。
鬼頭流の後を継ぐ者が一人娘の泉凪だけであったため、太蔵も初めは実力のある門下生の中から後継者を決めようと考えていた。
しかし泉凪が自ら後を継ぎたいと申し出たため、一度そう決めたからには親子と思うなと厳しく接していた。
泉凪もよくついていったが、来る日も来る日も父に叩きのめされ、ついに心が折れてしまった。
「もう嫌だ!」
「嫌ならお前との親子の縁もこれまでだ。鬼頭の家から出て行くがいい」
「父上。。」
「父と呼ぶな。剣の修業中は師範と弟子の関係。そこからしてお前は甘えているのだ」
泉凪は泣きながら剣を振るうが師である父を恐れて腰が引けている。
「恐れるな。真剣の戦いで相手を恐れた瞬間お前は死ぬのだぞ」
恐れを打ち消すにはひたすら稽古を積み重ねる他ない。
五歳から始めた剣術の道。
泉凪は父との稽古をかさねていくうちに自分が強くなっているのを実感するようになってきた。
そして自分が強くなったからこそ、父の強さと凄さがなおさらわかるようになった。
そんなある日、泉凪が父に質問する。
「師匠、自分より力が上の相手と戦うにはどうしたらいいのですか?」
「それが生きるか死ぬかの戦いであるならば、己の最も得意とする技を一つ身に付ける事であろうな。その一撃で相手を倒せる絶対的な自信を持って出せる技をな」
「己の得意技。。」
「突きでも打ち込みでもいい。何か一つ絶対的な必殺技を身につける事で実力が上の相手にも勝てる可能性が生まれる。考えよ。自分は何か得意なのか。何なら他の誰にも負けないと言えるのか」
父にそう言われて泉凪が自分で出した答えが抜刀術。
泉凪は父との厳しい稽古の後でも抜刀術の練習に明け暮れた。
手のマメが潰れて血だらけになっても刀を抜き続けた。
こうして身につけた技こそ、師である父から鬼頭流の技として認められ、末尾に加えられた泉凪の奥義であった。
☆☆☆
ジリジリと鯉口を切る居合いの構えから前に出る泉凪。
対照的に泉凪が半歩前に出れば夢幻は半歩後ろに下がり距離を保つ。
これが泉凪の必殺技であろう事を夢幻もその構えと気から感じ取っていた。
〔おそらくこの抜刀術がこやつの最後の必殺技。これを避ければ俺の勝ちだ〕
勝負は次の一瞬で決まる。
両者はそう考えていた。
泉凪の目がカッと開らき、必殺技が放たれる。
「鬼頭流終乃型久遠(きとうりゅうついのがたくおん)」
それは音もなく放たれた超神速の居合いで、抜刀の瞬間すでに刀身は夢幻の首筋に到達しようとしていた。
「速い!」
速さで泉凪を上回る夢幻もその抜刀の速度に辛うじてかわすのがやっとであった。
「だが、抜刀の一撃をかわしてしまえばこっちのもの」
夢幻は泉凪に真っ向斬りを振り下ろす。
「勝った!」
と思った一瞬、泉凪の左一文字斬りが夢幻の胴をとらえた。
「な。。」
血飛沫が飛び、夢幻は避けたはずの斬撃で何故左側から斬られたのかがわからなかった。
そして地に倒れたとき、泉凪の左手に刀が握られたのを見てようやく事を悟った。
泉凪は抜刀時、刀を握るときに鍔(つば)から拳一つ分の隙間を開けて居合いを抜き放ち、夢幻が避けたと同時にその隙間に左手を入れて持ち替え、刀を切り替えして左一文字斬りへの連続攻撃に繋げたのだ。
「まさか、こんな芸当が出来るとはな。抜刀の速度に気を取られて刀の握りまで見ていなかった」
終乃型久遠は二段構えの必殺技。
一撃目の居合い抜きがかわされても刀を左手に持ち替えて瞬時に次の攻撃に移れる。
泉凪が努力で会得した自分だけの技であった。
「勝った。。のか。。」
劣勢から死力を尽くしてようやく掴んだ勝利であった。
「凄い奴だった。この六人衆を束ねる首領とやらはさらに強いのか。参ったな。。」
泉凪は精魂尽き果てたようにその場に倒れてしまった。
「泉凪!」
左近が駆け抜けより泉凪に呼びかけるが反応がない。
「まさか。。」
月光院が青ざめるが「大丈夫でございます。息はあります」と言ったのでホッとひと安心した。
「ですが、首に受けた損傷が大きいです。おそらく鞭打ちと脳しんとうを起こしているかと。よくこの状態で戦えたと思います」
「誰か、すぐに医者を呼んで参れ」
月光院の声に女中たちがすぐに対応する。
「桜は無事なのだろうか。。」
左近がそう呟くと月光院はすかさず声をかける。
「左近、桜のところへ行ってやりなさい」
「しかし月光院様が。。」
「こちらは大丈夫。お前たちが命がけで戦っているのに守られてばかりでは申し訳が立たぬ。私とてこの大奥でそれなりに生きてきたのじゃ。自分の身くらい自分で守る。泉凪は私と女中たちで見ているから大丈夫じゃ」
月光院はそう言ってにこりと笑う。
三日月党も残るは桜が戦っているであろう六人衆最後の一人と首領のみ。
左近は不安がないわけではなかったが、月光院の命に従う事にした。
⭐︎⭐︎⭐︎
「六人衆が全員やられたと申すのか?」
宮守志信の顔に驚きと焦りの表情が浮かんでいた。
「六人衆を持ってすれば天英院、月光院と吉宗の側近を片付けてご覧に入れると言っておきながらこの低落。。申し訳ございません」
「それで、どうするのじゃ?」
「私自ら出向いて全員を始末して来ます。元より最初はそのつもりでした。順番が前後しただけでございます」
「お前だけが頼りじゃ。頼んだぞ」
「ありがたきお言葉。必ずや奴らの首をお方様の前に献上してごらんにいれます」
養源斎が部屋から出ていくと宮守は力無く肘掛けに肘を付いた。
「まさか。。妾が追い詰められるとは」
十年前に江島を大奥から追放した時には表と大奥の権力争い、跡継ぎ問題でその連中を上手く丸め込み味方につける事が出来た。
今、それらの旧勢力は吉宗が将軍になって全ていなくなった。
それでも宮守が大奥で御年寄に上り詰めたのは江島が居なくなった事と、抜け目なさで他の女中より抜き出たからだ。
無論、三日月党の暗躍もあっての事。
死人に口なしで天英院と月光院を裏で始末してしまえば証拠隠滅などいくらでも可能であった。
しかし三日月党という後ろ盾を失えば、二人の命を狙った事は白実に晒され、極刑は免れないであろう。
宮守志信はどこで目論みが狂ってしまったのかを思い起こしていた。
「吉宗とその側近がよもやここまでやるとは想定外であった。家継が死んだ時点で家康から続く徳川本家の血筋が絶えた時には、半ば復讐は達成したと思い、欲が出てしまった。天英院と月光院さえいなくなればこの大奥を我が物に出来るという欲が。
だが、吉宗という想定外の人物の出現で徳川は再建されてしまい、天英院と月光院の暗殺も失敗に終わるやも知れぬとは。。」
志信は鷹司孝子に仕えていた祖母滝田春子をふと思い出した。
「お婆様、私のつまらぬ欲が歯車を狂わせてしまいました。。孝子様のお恨みを晴らす事は出来ぬかもしれません。私ももう少ししたらお婆様の元へ向かうでしょう。お詫びはその時にさせて頂きます」
☆☆☆
「。。父上にはかないません」
「立て、泉凪。私が敵であったならお前はもう斬り倒されている」
幼少の泉凪は鬼頭流免許皆伝の腕を持つ父、太蔵に厳しく稽古をつけられた。
鬼頭流の後を継ぐ者が一人娘の泉凪だけであったため、太蔵も初めは実力のある門下生の中から後継者を決めようと考えていた。
しかし泉凪が自ら後を継ぎたいと申し出たため、一度そう決めたからには親子と思うなと厳しく接していた。
泉凪もよくついていったが、来る日も来る日も父に叩きのめされ、ついに心が折れてしまった。
「もう嫌だ!」
「嫌ならお前との親子の縁もこれまでだ。鬼頭の家から出て行くがいい」
「父上。。」
「父と呼ぶな。剣の修業中は師範と弟子の関係。そこからしてお前は甘えているのだ」
泉凪は泣きながら剣を振るうが師である父を恐れて腰が引けている。
「恐れるな。真剣の戦いで相手を恐れた瞬間お前は死ぬのだぞ」
恐れを打ち消すにはひたすら稽古を積み重ねる他ない。
五歳から始めた剣術の道。
泉凪は父との稽古をかさねていくうちに自分が強くなっているのを実感するようになってきた。
そして自分が強くなったからこそ、父の強さと凄さがなおさらわかるようになった。
そんなある日、泉凪が父に質問する。
「師匠、自分より力が上の相手と戦うにはどうしたらいいのですか?」
「それが生きるか死ぬかの戦いであるならば、己の最も得意とする技を一つ身に付ける事であろうな。その一撃で相手を倒せる絶対的な自信を持って出せる技をな」
「己の得意技。。」
「突きでも打ち込みでもいい。何か一つ絶対的な必殺技を身につける事で実力が上の相手にも勝てる可能性が生まれる。考えよ。自分は何か得意なのか。何なら他の誰にも負けないと言えるのか」
父にそう言われて泉凪が自分で出した答えが抜刀術。
泉凪は父との厳しい稽古の後でも抜刀術の練習に明け暮れた。
手のマメが潰れて血だらけになっても刀を抜き続けた。
こうして身につけた技こそ、師である父から鬼頭流の技として認められ、末尾に加えられた泉凪の奥義であった。
☆☆☆
ジリジリと鯉口を切る居合いの構えから前に出る泉凪。
対照的に泉凪が半歩前に出れば夢幻は半歩後ろに下がり距離を保つ。
これが泉凪の必殺技であろう事を夢幻もその構えと気から感じ取っていた。
〔おそらくこの抜刀術がこやつの最後の必殺技。これを避ければ俺の勝ちだ〕
勝負は次の一瞬で決まる。
両者はそう考えていた。
泉凪の目がカッと開らき、必殺技が放たれる。
「鬼頭流終乃型久遠(きとうりゅうついのがたくおん)」
それは音もなく放たれた超神速の居合いで、抜刀の瞬間すでに刀身は夢幻の首筋に到達しようとしていた。
「速い!」
速さで泉凪を上回る夢幻もその抜刀の速度に辛うじてかわすのがやっとであった。
「だが、抜刀の一撃をかわしてしまえばこっちのもの」
夢幻は泉凪に真っ向斬りを振り下ろす。
「勝った!」
と思った一瞬、泉凪の左一文字斬りが夢幻の胴をとらえた。
「な。。」
血飛沫が飛び、夢幻は避けたはずの斬撃で何故左側から斬られたのかがわからなかった。
そして地に倒れたとき、泉凪の左手に刀が握られたのを見てようやく事を悟った。
泉凪は抜刀時、刀を握るときに鍔(つば)から拳一つ分の隙間を開けて居合いを抜き放ち、夢幻が避けたと同時にその隙間に左手を入れて持ち替え、刀を切り替えして左一文字斬りへの連続攻撃に繋げたのだ。
「まさか、こんな芸当が出来るとはな。抜刀の速度に気を取られて刀の握りまで見ていなかった」
終乃型久遠は二段構えの必殺技。
一撃目の居合い抜きがかわされても刀を左手に持ち替えて瞬時に次の攻撃に移れる。
泉凪が努力で会得した自分だけの技であった。
「勝った。。のか。。」
劣勢から死力を尽くしてようやく掴んだ勝利であった。
「凄い奴だった。この六人衆を束ねる首領とやらはさらに強いのか。参ったな。。」
泉凪は精魂尽き果てたようにその場に倒れてしまった。
「泉凪!」
左近が駆け抜けより泉凪に呼びかけるが反応がない。
「まさか。。」
月光院が青ざめるが「大丈夫でございます。息はあります」と言ったのでホッとひと安心した。
「ですが、首に受けた損傷が大きいです。おそらく鞭打ちと脳しんとうを起こしているかと。よくこの状態で戦えたと思います」
「誰か、すぐに医者を呼んで参れ」
月光院の声に女中たちがすぐに対応する。
「桜は無事なのだろうか。。」
左近がそう呟くと月光院はすかさず声をかける。
「左近、桜のところへ行ってやりなさい」
「しかし月光院様が。。」
「こちらは大丈夫。お前たちが命がけで戦っているのに守られてばかりでは申し訳が立たぬ。私とてこの大奥でそれなりに生きてきたのじゃ。自分の身くらい自分で守る。泉凪は私と女中たちで見ているから大丈夫じゃ」
月光院はそう言ってにこりと笑う。
三日月党も残るは桜が戦っているであろう六人衆最後の一人と首領のみ。
左近は不安がないわけではなかったが、月光院の命に従う事にした。
⭐︎⭐︎⭐︎
「六人衆が全員やられたと申すのか?」
宮守志信の顔に驚きと焦りの表情が浮かんでいた。
「六人衆を持ってすれば天英院、月光院と吉宗の側近を片付けてご覧に入れると言っておきながらこの低落。。申し訳ございません」
「それで、どうするのじゃ?」
「私自ら出向いて全員を始末して来ます。元より最初はそのつもりでした。順番が前後しただけでございます」
「お前だけが頼りじゃ。頼んだぞ」
「ありがたきお言葉。必ずや奴らの首をお方様の前に献上してごらんにいれます」
養源斎が部屋から出ていくと宮守は力無く肘掛けに肘を付いた。
「まさか。。妾が追い詰められるとは」
十年前に江島を大奥から追放した時には表と大奥の権力争い、跡継ぎ問題でその連中を上手く丸め込み味方につける事が出来た。
今、それらの旧勢力は吉宗が将軍になって全ていなくなった。
それでも宮守が大奥で御年寄に上り詰めたのは江島が居なくなった事と、抜け目なさで他の女中より抜き出たからだ。
無論、三日月党の暗躍もあっての事。
死人に口なしで天英院と月光院を裏で始末してしまえば証拠隠滅などいくらでも可能であった。
しかし三日月党という後ろ盾を失えば、二人の命を狙った事は白実に晒され、極刑は免れないであろう。
宮守志信はどこで目論みが狂ってしまったのかを思い起こしていた。
「吉宗とその側近がよもやここまでやるとは想定外であった。家継が死んだ時点で家康から続く徳川本家の血筋が絶えた時には、半ば復讐は達成したと思い、欲が出てしまった。天英院と月光院さえいなくなればこの大奥を我が物に出来るという欲が。
だが、吉宗という想定外の人物の出現で徳川は再建されてしまい、天英院と月光院の暗殺も失敗に終わるやも知れぬとは。。」
志信は鷹司孝子に仕えていた祖母滝田春子をふと思い出した。
「お婆様、私のつまらぬ欲が歯車を狂わせてしまいました。。孝子様のお恨みを晴らす事は出来ぬかもしれません。私ももう少ししたらお婆様の元へ向かうでしょう。お詫びはその時にさせて頂きます」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
フリードリヒ二世の手紙
平井敦史
歴史・時代
神聖ローマ皇帝フリードリヒ二世。
「王座上の最初の近代人」、あるいは「世界の驚異」。
国際色豊かなシチリアで育ち、イスラムの文明に憧憬を抱く彼は、異教徒の言葉であるアラビア語をも習得していた。
そして、エジプトアイユーブ朝スルタン・アル=カーミルとも親しく文を交わし、ついにはイスラム教徒からキリスト教徒へのエルサレムの譲渡――無血十字軍という歴史上の奇跡の花を咲かせる。
しかし、美しき花は無残に手折られ、エルサレムは再びイスラム教徒の手に。そしてそれをきっかけに、第七回十字軍がエジプトに戦火を巻き起こす。
憎悪の連鎖の結末やいかに。
フリードリヒ二世がメインですが、彼と文通相手、およびその周辺の人間たちの群像劇です。そして最後は美味しいところをかっさらっていく奴が……(笑)。
ファ ンタジー要素なし。転 生もチ ートもありません。
「小説家になろう」様の公式企画「秋の歴史2022」向けに執筆・投稿した作品ですが、より多くの方に読んでいただきたく、この度「アルファポリス」様にも投稿させていただくことにしました。
よろしくお願いします。
「カクヨム」様にも掲載しています。
旧式戦艦はつせ
古井論理
歴史・時代
真珠湾攻撃を行う前に機動艦隊が発見されてしまい、結果的に太平洋戦争を回避した日本であったが軍備は軍縮条約によって制限され、日本国に国名を変更し民主政治を取り入れたあとも締め付けが厳しい日々が続いている世界。東南アジアの元列強植民地が独立した大国・マカスネシア連邦と同盟を結んだ日本だが、果たして復権の日は来るのであろうか。ロマンと知略のIF戦記。
吼えよ! 権六
林 本丸
歴史・時代
時の関白豊臣秀吉を嫌う茶々姫はあるとき秀吉のいやがらせのため自身の養父・故柴田勝家の過去を探ることを思い立つ。主人公の木下半介は、茶々の命を受け、嫌々ながら柴田勝家の過去を探るのだが、その時々で秀吉からの妨害に見舞われる。はたして半介は茶々の命を完遂できるのか? やがて柴田勝家の過去を探る旅の過程でこれに関わる人々の気持ちも変化して……。
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
富嶽を駆けよ
有馬桓次郎
歴史・時代
★☆★ 第10回歴史・時代小説大賞〈あの時代の名脇役賞〉受賞作 ★☆★
https://www.alphapolis.co.jp/prize/result/853000200
天保三年。
尾張藩江戸屋敷の奥女中を勤めていた辰は、身長五尺七寸の大女。
嫁入りが決まって奉公も明けていたが、女人禁足の山・富士の山頂に立つという夢のため、養父と衝突しつつもなお深川で一人暮らしを続けている。
許婚の万次郎の口利きで富士講の大先達・小谷三志と面会した辰は、小谷翁の手引きで遂に富士山への登拝を決行する。
しかし人目を避けるために選ばれたその日程は、閉山から一ヶ月が経った長月二十六日。人跡の絶えた富士山は、五合目から上が完全に真冬となっていた。
逆巻く暴風、身を切る寒気、そして高山病……数多の試練を乗り越え、無事に富士山頂へ辿りつくことができた辰であったが──。
江戸後期、史上初の富士山女性登頂者「高山たつ」の挑戦を描く冒険記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる