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遊郭阿片事件編
遊郭阿片事件五
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わっちの家は貧しい農家で、長女であったわっちは八歳で隣町にあった油屋に奉公に出たんでありんす。
奉公先でわっちは挨拶しても無視されなんした。
その家の子たちは挨拶すれば褒められて頭を撫でてもらえる。
あの子とわっち、何がそんなに違うんでありんしょう。
わっちは幼少の頃、そんな毎日を送っていたんでありんす。
あれはわっちが十歳の時でありんした。
お店の金子(きんす)が盗まれる事件が発生したんでありんす。
わっちはそれが番頭はんの仕業である事を偶然見なんした。
番頭はんは賭け事に大金を注ぎ込んでかなりの借金があるという事は他の奉公仲間たちから聞いておりんした。
その日、わっちは夜中にたまたま厠に起きたんでありんすが、主人はんの部屋からガタゴト音がするのが聞こえて来たんでありんす。
それで音のする部屋にそっと近づくと、番頭はんが金子を盗みだしているのを見てしまったんでありんす。
わっちは怖くなって急いで部屋に戻って布団をかぶり、そのまま眠ってしまったんでありんす。
次の日、金子が盗まれたのをご主人はんが発見したんでありんすが、番頭はんがいきなりわっちを指差して「こいつが盗んだのを見た」と言いなんした。
わっちが違うといくら言っても主人はんは信用してくれんでありんした。
嘘をつくな、正直に白状しろとさんざん叩かれたでありんす。
その時の店の人たちのわっちを見る目。
まるで汚いものを見るような侮蔑の目でありんした。
その時わっちは思ったんでありんす。
身分の低い者の言う言葉は何と軽いものでありんしょうと。
番頭はんの言葉はみんな信じるのにわっちの言う事は誰も信じてくれへんかった。
結局わっちは犯人に仕立てられ、主人はんにめった打ちにされて実家に突き返されたんでありんす。
しかも盗んでもいない金子五両を返済しろとおかんにまで詰め寄りましてな。
役人に引き渡さなかっただけありがたく思えとまで言われなんした。
それは役人に引き渡したら、お金が戻らないからで温情なんかではありんせん。
五両なんて大金を払うお金はうちにはござりんせん。
結局わっちはしてもいない盗みの犯人にされて借金を背負わされ、女衒(ぜげん)に五両で売られ、この玉屋に連れてこられたんでありんす。
それが心の傷となりんして、わっちはここへ来て二年間大人の男の人が怖くて話せなくなりんした。
それを根気よく面倒見なんしてくれたのは当時の大夫、穂花姐さんでありんした。
姐さんのおかげでようやく男の人と話せるようになりんしたわっちはこの遊郭という世界で絶対にのし上がってやると心に決めたんでありんす。
子供の時、身分が低いから信用されなかったのでありんしたら、ここで一番高い身分になればみんなわっちの言う事を聞きなんす。
そう思ってがむしゃらに頑張って大夫の地位につくことが出来んした。
今は確かにわっちの言う事はみんな信用してくれるでありんす。
でもあの時、誰か一人でもわっちの言う事を信じてくれていたらと未だに悔しくて堪らないんでござりんす。
だからわっちは誰も信じてくれない悲しさはよくわかっているつもりでありんす。
その後、弟からの手紙で再び店の金子が盗まれる事件があって、そこで番頭が犯人だとわかり、番頭は島流しにされたと聞きなんしたが、店の主人から実家へは最後まで謝罪の言葉はなかったと言うことでありんした。
母は盗人の汚名を着せられたわっちのせいで過労で倒れてそのまま亡くなったそうでありんす。
最後までわっちを女衒に売った事を後悔していたと手紙には書いてありんした。
わっちは親の死に目にすら会えなかったでありんす。
わっちが十九歳なってすぐに知り合った上州屋の大旦那はその話しを聞きなんして油屋の主人はんを見つけ出し、わっちのところに突き出してくれなんした。
油屋の主人はんは最後までわっちと目を合わせんでござりんした。
見世の男たちに囲まれて恫喝され、謝罪だけはしなんしたが、今さら謝ってもらってもわっちはもう元の世界に戻る事は出来んでありんす。
「あんたはわっちが貧しい農民の子供でありんしたからわっちの話しを聞かなんだんどすか?人を見た目と身分で選ぶんでありんすか?であれば今のわっちはあんたの目にはどう映っていなんすか?あんたとわっちは同じ人間でありんす」
わっちの言葉に目の前でものも言わす震え上がる主人はんを見なんしてバカバカしくなりんした。
つくづく人という者は中身でなく肩書きを見なんすものですな。
「わっちをこの世界に入れたきっかけを作ったのはご主人はんや。ここに来なんしたからにはそれなりの場代は払ってもらいなんす。そのつもりでおくんなし」
そう言いなんしたら二十両払って逃げるように出ていきなんした。
あっちは大旦那はんに頼み、その金をすべて実家の弟に送ったでありんす。
今、弟はそのお金を元手に農家を廃業させて商人として生活しなんしていて、新しく家も立て直し、結婚して幸せに暮らしていなんす。
朝霧は遠くを見るような目でそう自身の事を話してくれた。
⭐︎⭐︎⭐︎
朝霧の話しを聞いて桜は自分も貧しい農民の子供で両親が亡くなり吉宗に拾われた事を思い出していた。
これまでのやり取りから桜は朝霧という人を信頼出来る人物だと見ていた。
ここは互いに協力して情報交換をした方が事件解決も早いであろうと協力の申し出を受ける事にした。
「朝霧姐さん、私の名は松平桜。将軍家御庭番です」
桜の素性に朝霧は少し驚いた表情を浮かべた。
「将軍家御庭番と言えば公方(くぼう)様〔この場合場将軍を指す〕に直接仕えるお方どすな。これはどえらい人と繋がりを持つことになりんしたな」
正体を明かしたところで桜はすぐに本題に入った。
「私は阿片密売の証拠を掴むために玉屋に潜入調査のために来ました。平田長安とおふじちゃんの一件は私もいま調べているところです。私の知りうる限りの事を教えますから姐さん、おふじちゃんの事以外で何か思いあたる事があれば教えて下さい」
桜はここまでの経緯を話した。
御庭番が三人、玉屋に潜入して全員消息を絶った事。
阿片の密売がこの玉屋で行われているという情報を掴んだ事を。
それを聞いた朝霧はようやく合点がいったという表情で話してくれた。
「あれは五年前、わっちが十六歳で格子に上がった時の事でありんした。
当時の玉屋のお職〔一番〕でわっちの姐さんあった穂花大夫が突然体調に異変をきたし、その後やつれて命を落としたんでありんす。医者に診せても病気の原因がわからずじまいでありんした。わっちは穂花姐さんの亡くなり方を不審に思い内密に調べてみたんでありんす。
しかし霧右衛門はんはさすがに一代でこの玉屋を大見世にまでした人物。実に用心深い人でありんして、なかなかこれといった情報が掴めたかったんでありんす。でもいまの桜はんの話しを聞いて阿片が原因だとわかりようやく穂花姐さんの亡くなった原因がわかりなんした」
「穂花さんは亡くなる前に何か言ってませんでしたか?」
「何もありんせんでした。でも今にして思えば、おそらくまだ十六歳のわっちを事件に巻き込みたくなかったのかも知れませんな」
朝霧はため息を一つつくとふと思い出したように話しを続けた。
「そう言えば、もう一つわっちが不審に思っておりんしたのは霧右衛門はんが数日に一回、五つ半から四つ時〔夜の九時から十時ころ〕に羅生門河岸にある離れに向かう事がありんす。その時間、廊は宴会の真っ最中。見世の一番の繁忙時に楼主が抜けるのはおかしいでありんす」
「確かに。。」
不審の死を遂げたと言うおふじと穂花太夫の件。そして霧右衛門が向かうという離れの件。
羽振りのいい町医者平田長安の件。
「これである程度状況はわかってきた。あとは一つずつ調べていくだけね。朝霧姐さん、しばらく待っていて下さい。必ずおふじちゃんと穂花太夫の件、突き止めて見せます」
︎⭐︎⭐︎⭐︎
その頃、源心は捉えた四人の男たちの取り調べをおこなっていた。
「お前たち、誰に頼まれて桜花を襲った?」
「紅玉大夫だよ」
「理由は?」
「そこまで知るかい。俺たちは見世の者だから大夫に命じられたら実行するのみ。まさかあんな小娘があれほど腕が立つとは思わなかったけどな」
「ついでに聞くが、玉屋に昔いた穂花大夫について何か知っているか」
「穂花大夫?随分と前の事だな。五年前に亡くなったとしか知らねえな」
「死因についても聞いてないか」
「遊女の死因なんて足抜けで折檻されたんじゃなければ大抵瘡毒〔梅毒〕か労咳だろうよ」
「おふじという禿については」
「おふじは足抜けして折檻で死んじまったとしか聞いてねえ。俺たちは見世でも末端だから遊女の死因の理由なんて知る良しもねえよ」
やっぱり収穫なしかと源心はため息をつく。
四人の男たちは、桜の邪魔にならないよう、この一件が片付くまで牢に入れられる事となった。
奉公先でわっちは挨拶しても無視されなんした。
その家の子たちは挨拶すれば褒められて頭を撫でてもらえる。
あの子とわっち、何がそんなに違うんでありんしょう。
わっちは幼少の頃、そんな毎日を送っていたんでありんす。
あれはわっちが十歳の時でありんした。
お店の金子(きんす)が盗まれる事件が発生したんでありんす。
わっちはそれが番頭はんの仕業である事を偶然見なんした。
番頭はんは賭け事に大金を注ぎ込んでかなりの借金があるという事は他の奉公仲間たちから聞いておりんした。
その日、わっちは夜中にたまたま厠に起きたんでありんすが、主人はんの部屋からガタゴト音がするのが聞こえて来たんでありんす。
それで音のする部屋にそっと近づくと、番頭はんが金子を盗みだしているのを見てしまったんでありんす。
わっちは怖くなって急いで部屋に戻って布団をかぶり、そのまま眠ってしまったんでありんす。
次の日、金子が盗まれたのをご主人はんが発見したんでありんすが、番頭はんがいきなりわっちを指差して「こいつが盗んだのを見た」と言いなんした。
わっちが違うといくら言っても主人はんは信用してくれんでありんした。
嘘をつくな、正直に白状しろとさんざん叩かれたでありんす。
その時の店の人たちのわっちを見る目。
まるで汚いものを見るような侮蔑の目でありんした。
その時わっちは思ったんでありんす。
身分の低い者の言う言葉は何と軽いものでありんしょうと。
番頭はんの言葉はみんな信じるのにわっちの言う事は誰も信じてくれへんかった。
結局わっちは犯人に仕立てられ、主人はんにめった打ちにされて実家に突き返されたんでありんす。
しかも盗んでもいない金子五両を返済しろとおかんにまで詰め寄りましてな。
役人に引き渡さなかっただけありがたく思えとまで言われなんした。
それは役人に引き渡したら、お金が戻らないからで温情なんかではありんせん。
五両なんて大金を払うお金はうちにはござりんせん。
結局わっちはしてもいない盗みの犯人にされて借金を背負わされ、女衒(ぜげん)に五両で売られ、この玉屋に連れてこられたんでありんす。
それが心の傷となりんして、わっちはここへ来て二年間大人の男の人が怖くて話せなくなりんした。
それを根気よく面倒見なんしてくれたのは当時の大夫、穂花姐さんでありんした。
姐さんのおかげでようやく男の人と話せるようになりんしたわっちはこの遊郭という世界で絶対にのし上がってやると心に決めたんでありんす。
子供の時、身分が低いから信用されなかったのでありんしたら、ここで一番高い身分になればみんなわっちの言う事を聞きなんす。
そう思ってがむしゃらに頑張って大夫の地位につくことが出来んした。
今は確かにわっちの言う事はみんな信用してくれるでありんす。
でもあの時、誰か一人でもわっちの言う事を信じてくれていたらと未だに悔しくて堪らないんでござりんす。
だからわっちは誰も信じてくれない悲しさはよくわかっているつもりでありんす。
その後、弟からの手紙で再び店の金子が盗まれる事件があって、そこで番頭が犯人だとわかり、番頭は島流しにされたと聞きなんしたが、店の主人から実家へは最後まで謝罪の言葉はなかったと言うことでありんした。
母は盗人の汚名を着せられたわっちのせいで過労で倒れてそのまま亡くなったそうでありんす。
最後までわっちを女衒に売った事を後悔していたと手紙には書いてありんした。
わっちは親の死に目にすら会えなかったでありんす。
わっちが十九歳なってすぐに知り合った上州屋の大旦那はその話しを聞きなんして油屋の主人はんを見つけ出し、わっちのところに突き出してくれなんした。
油屋の主人はんは最後までわっちと目を合わせんでござりんした。
見世の男たちに囲まれて恫喝され、謝罪だけはしなんしたが、今さら謝ってもらってもわっちはもう元の世界に戻る事は出来んでありんす。
「あんたはわっちが貧しい農民の子供でありんしたからわっちの話しを聞かなんだんどすか?人を見た目と身分で選ぶんでありんすか?であれば今のわっちはあんたの目にはどう映っていなんすか?あんたとわっちは同じ人間でありんす」
わっちの言葉に目の前でものも言わす震え上がる主人はんを見なんしてバカバカしくなりんした。
つくづく人という者は中身でなく肩書きを見なんすものですな。
「わっちをこの世界に入れたきっかけを作ったのはご主人はんや。ここに来なんしたからにはそれなりの場代は払ってもらいなんす。そのつもりでおくんなし」
そう言いなんしたら二十両払って逃げるように出ていきなんした。
あっちは大旦那はんに頼み、その金をすべて実家の弟に送ったでありんす。
今、弟はそのお金を元手に農家を廃業させて商人として生活しなんしていて、新しく家も立て直し、結婚して幸せに暮らしていなんす。
朝霧は遠くを見るような目でそう自身の事を話してくれた。
⭐︎⭐︎⭐︎
朝霧の話しを聞いて桜は自分も貧しい農民の子供で両親が亡くなり吉宗に拾われた事を思い出していた。
これまでのやり取りから桜は朝霧という人を信頼出来る人物だと見ていた。
ここは互いに協力して情報交換をした方が事件解決も早いであろうと協力の申し出を受ける事にした。
「朝霧姐さん、私の名は松平桜。将軍家御庭番です」
桜の素性に朝霧は少し驚いた表情を浮かべた。
「将軍家御庭番と言えば公方(くぼう)様〔この場合場将軍を指す〕に直接仕えるお方どすな。これはどえらい人と繋がりを持つことになりんしたな」
正体を明かしたところで桜はすぐに本題に入った。
「私は阿片密売の証拠を掴むために玉屋に潜入調査のために来ました。平田長安とおふじちゃんの一件は私もいま調べているところです。私の知りうる限りの事を教えますから姐さん、おふじちゃんの事以外で何か思いあたる事があれば教えて下さい」
桜はここまでの経緯を話した。
御庭番が三人、玉屋に潜入して全員消息を絶った事。
阿片の密売がこの玉屋で行われているという情報を掴んだ事を。
それを聞いた朝霧はようやく合点がいったという表情で話してくれた。
「あれは五年前、わっちが十六歳で格子に上がった時の事でありんした。
当時の玉屋のお職〔一番〕でわっちの姐さんあった穂花大夫が突然体調に異変をきたし、その後やつれて命を落としたんでありんす。医者に診せても病気の原因がわからずじまいでありんした。わっちは穂花姐さんの亡くなり方を不審に思い内密に調べてみたんでありんす。
しかし霧右衛門はんはさすがに一代でこの玉屋を大見世にまでした人物。実に用心深い人でありんして、なかなかこれといった情報が掴めたかったんでありんす。でもいまの桜はんの話しを聞いて阿片が原因だとわかりようやく穂花姐さんの亡くなった原因がわかりなんした」
「穂花さんは亡くなる前に何か言ってませんでしたか?」
「何もありんせんでした。でも今にして思えば、おそらくまだ十六歳のわっちを事件に巻き込みたくなかったのかも知れませんな」
朝霧はため息を一つつくとふと思い出したように話しを続けた。
「そう言えば、もう一つわっちが不審に思っておりんしたのは霧右衛門はんが数日に一回、五つ半から四つ時〔夜の九時から十時ころ〕に羅生門河岸にある離れに向かう事がありんす。その時間、廊は宴会の真っ最中。見世の一番の繁忙時に楼主が抜けるのはおかしいでありんす」
「確かに。。」
不審の死を遂げたと言うおふじと穂花太夫の件。そして霧右衛門が向かうという離れの件。
羽振りのいい町医者平田長安の件。
「これである程度状況はわかってきた。あとは一つずつ調べていくだけね。朝霧姐さん、しばらく待っていて下さい。必ずおふじちゃんと穂花太夫の件、突き止めて見せます」
︎⭐︎⭐︎⭐︎
その頃、源心は捉えた四人の男たちの取り調べをおこなっていた。
「お前たち、誰に頼まれて桜花を襲った?」
「紅玉大夫だよ」
「理由は?」
「そこまで知るかい。俺たちは見世の者だから大夫に命じられたら実行するのみ。まさかあんな小娘があれほど腕が立つとは思わなかったけどな」
「ついでに聞くが、玉屋に昔いた穂花大夫について何か知っているか」
「穂花大夫?随分と前の事だな。五年前に亡くなったとしか知らねえな」
「死因についても聞いてないか」
「遊女の死因なんて足抜けで折檻されたんじゃなければ大抵瘡毒〔梅毒〕か労咳だろうよ」
「おふじという禿については」
「おふじは足抜けして折檻で死んじまったとしか聞いてねえ。俺たちは見世でも末端だから遊女の死因の理由なんて知る良しもねえよ」
やっぱり収穫なしかと源心はため息をつく。
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