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終わりの実感

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「おい、なんかお前の従姉妹顔真っ赤にして爆走してったんだけど」
「あれ、ハルさんだ」

ガラガラと千夏が出て行った扉を開けて、滅多に来ない一つ上の先輩、篠田しのだはるかが部室へと訪れる
剣道部と言うバリバリの運動部のこの人が、文系部なんて特に用のあるような場所ではなかったはずなんだけど…

「篠田先輩こんにちは」
「おー、それで吉田はどうしたんだ?」
「あは~まぁ、いろいろあったんだよ
で、なんかあったの?」
「あ、ネネ来てねぇか?」
「ネネ…?あぁ、門馬部長なら、新刊落とすとか何とかで今日は休みっすよ」
「え?ボス、今日サボり??」

門馬寧々、この部活の部長であり、ハルさんの尋ね人は今日は来ていないらしい
そういえば、最近流行病のせいでずっとやってなかったイベントがやり始めてヒャッホイしてたな

「あー通りで、連絡戻れないわけだ」
「そうなの?蒼太はよく連絡取れたねぇ」
「まぁ、なんせ俺が書いたのを描いてるんで」
「梅崎っていつもどんな作風の書いてんだ?」
「俺の絵柄的には少女漫画っすね」
「は?アイツの絵柄は少年漫画じゃん
少女漫画の話は似合わんだろ??」
「あーね、蒼太が書きたいのと大将書きたいの絵と話が真逆だからね…」
「たまに話を交換してんですよ」
「あー、あれか逆だったかもしんねぇ…ってやつ」

某忍びない系忍者の漫画のコラ画像を思い出して笑いそうになる
てか、世界終わるのにイベントなんてやるの??

「そういや、ネネが出るイベントってやつは何時やんだ?」
「えっと…確か12月の、あっ」
「わぁ、とっくに人類滅びてんじゃん」
「うっわ部長これ気付いてんのか…?」
「気が付いてないだろ、たぶん…」

可哀想に…まぁ、ワンチャン気付いてるけど本作って手元に置いて起きたくて作ってるのかって可能性も…
あれ、本ってどのぐらいで作れんだっけ?そもそも印刷所今やってんのか?

「電話してみよ」
「あぁ、多分今連絡無理っすよ
戦闘シーン書いてるっぽいので」
「マジ?結局家いくしかないのか…」
「家…そうだ、ハルさんはボスになんの用だったの?」

結局なんの用出来たのか聞くのを忘れてた
学校で会いに来るより家が隣なんだからそっちの方が楽なはずだろうに

「数学のノートを借りに…マジでやべぇ…」
「そんなやばいんすか?」
「ヤバいもやばい、ハルさんガチガチの文系だから数学の補習常連」
「言うな言うな、心が痛い」

数学の先生も諦めるぐらいの赤点、逆に尊敬する
てか、数学の先生いるの?
理数系全滅って話じゃ無かったっけ?

「3年は、数学の授業あるんすか?」
「いや、部活でコーチやってるじぃ様が教えてくれるって」
「あ~あの、確かに数学の先生やってたって木戸センが言ってたね」
「まぁ、今週は家族が来るらしくって部活も何もなくて暇なんだけどな」

世界が終わるって言うんだ、家族が集まっても不思議では無い
…そう考えてみると、本当に世界は終わるのかって実感する
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