雪月華

愛梨

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雪月華

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満月の夜
冬の寒空に浮かぶ大きな月
小さな星達
こんな日に雪なんて降るはずなんてないのに
少しづつゆっくりと降り続けている
月の光に照らされ
雪はまるで砕いた硝子のように
キラキラと輝きながら地に積もっていく

降り続ける雪は地を白銀の世界に変え
立ち尽くす私にも降り積もり
やがて私の体を覆い尽くす

私の傍にやっと来てくれたあなた
あなたの手はやっぱり暖かくて
あなたの顔は優しい笑顔で溢れていて
冷たくなっていく私の身体も心も暖かくなって満たされていく

初めて触れたあなたの頬
あなたの頬を濡らすのは
雪?
泪?
あなたの頬を伝う雫はまるで宝石
それを拭い
あなたの愛を知ることが出来た

もう充分
哀しそうな顔をしないで
あなたの顔
あなたの手
あなたの心
見て触れて感じることが出来た
だから充分

私はこのまま雪に埋もれて
華になれる
あなたのおかげで純白の華になれる
「ウェディングドレス」
宝石のような雫
「エンゲージリング」
あなたが傍にいてくれている
夢見たことが叶う
長い長い間願っていたことが

私は消えてしまうけど
冬の満月には真っ白な華を咲かせるから
私に逢いに来てね
ずっと…
ずっと待ってるから

愛するあなた…
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