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第六十一話 ヴァルサキス
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「三人はあの城にいってください!!
ここは我々で守ります!!」
兵士たちからそういわれた。
「うむ、頼むぞ。
シンジ、メルアあの城に入る」
「おうよ!」
「わかったわ!」
オレはメルアとベルを抱くとリブーストで空中を駆け城の扉の前におりる。
「......罠があるかもな」
「うむ、しかし行かねばならん」
「城ごとぶっとばせばいいのよ」
「えっ?」
メルアは魔力をため呪文をとなえる。
「生命を育みたる源......」
「おいまてメルア!!」
「カオスボルテックスナックル!!」
ドガアアアン!!
メルアの打撃ですごい轟音と共に城上部が吹き飛んだ。
「これで死んだかしら」
「ムチャすんな!」
「いや、あれをみよ」
城の瓦礫の中から巨大な黒い人の形をしたものが見える。
「なんだあのでかいの......
サイクロプスか?」
「......ちがうわ。
魔力がすさまじいもの......」
「うむ、あれは......」
「やはりあなたでしたか......」
上空でそう声がした。
見上げると宙に浮いている仮面の男がいた。
「あ、あいつ!?」
「ヴァルキサス......」
ヴァルキサスは仮面をはずすと降りてきた。
「お久しぶりです父上」
「ヴァルキサスよ。
もうやめよ。
人間を滅してどうなるというのだ」
「知れたこと......
人間こそ害悪、滅んで当然なのです」
「ふざけないで!
人間全てが悪なわけがないでしょう!
こいつ、このシンジをみなさい!
元々弱くて、エロくて、バカで、情けなくて......」
メルアが横から口を出した。
「うん、終わり......」
「終わり!?
なんなの最後フォローするとこじゃん!
それだとオレ普通に悪口言われただけじゃん!」
「ごめん。
何かあるかと思ったけどなんにもなかったから」
「見切り発車でいくからでしょ!
ちゃんと考えてからいいなさいよ!
オレが恥かいただけじゃん!」
「人間を滅ぼすなど我が許すと思うか」
「思いません。
あなたは優しい......
いえ甘すぎる。
あんなことを知りながらあなたは......」
(あんなこと?)
「もう終わりだヴァルキサス。
お主の野望は潰えた。
我は全盛期の力を取り戻しておる」
「でしょうね......
リューガリアの所でカイを救ったのでしょう......
そこでエンシェントアーマーの魔晶核《グランコア》を手に入れた」
「なぜそれを......
いやそれならばもはや抵抗は無駄なこと。
早くモンスターを引かせよ」
「いいえ、それこそが私の目的......
人間を滅亡させるにはあなたが邪魔なのですよ!!」
そういうと、ヴァルキサスは呪文を唱える。
オレがリブーストを唱えようとすると、石壁ができた。
「くそ!!」
そして黒い巨人の中にゆっくりと城を崩しながら立ち上がる。
「やめよ!!ヴァルキサス」
ヴァルキサスは黒い巨人に吸い込まれていった。
「仕方あるまい......
シンジ、グランドレインを我に返してくれ。
そしてメルアと離れておるのだ」
ベルは黒い霧を吹き出すととてつもない魔力がほとばしった。
「ぐわっ! やべー!!」
オレはリブーストでメルアを抱いて遠くに逃げた。
黒い霧が人型に代わる。
黒い髪をたなびかせた長身の男が立っている。
凄まじい圧迫感でかなりの距離でもたってるのがやっとだった。
「あれがベルの本当の姿か......」
「嘘でしょ......
あれが生き物なの」
そして両者は空中に飛び上がった。
それはオレたちでは認識すらできず、時おり閃光が煌めき響く衝撃波でその凄まじい戦いを感じるしかなかった。
「見えん!!
でもスゲーことはわかるな!」
「ええ、あんなの巻き込まれたら即死ね......」
「さて、上の戦いはどうしようもないし、オレたちはしたの手伝いに行くか」
「待って!
城の中にお宝があるかもしれないわ!」
メルアに引っ張られてオレは城の瓦礫を探させられる。
「なんもねえよ。
お前がぶっぱなしたんだろ。
あっても粉々だよ」
「うっさいわねえ。
その魔力感知の指輪でさっさと探しなさいよ」
「はいはい......
あっ、なんかあるな」
オレが瓦礫の石をどけると、宝石のようなものがでてきた。
「それは記憶の石だわ。
記憶が残ってるの」
(記憶が残せる。
ビデオカメラみたいなもんか......
これは使える!! くぷぷ)
「何にやついてんのよ気持ち悪い......
あんたそれエロいことにつかおうとしてんのね!!
渡しなさい!」
「やめろ!!
唯一の希望なんだ!」
「このバカ!!」
メルアにぶん殴られた。
その時宝石は光だし、オレたちはその光に包まれる。
ここは我々で守ります!!」
兵士たちからそういわれた。
「うむ、頼むぞ。
シンジ、メルアあの城に入る」
「おうよ!」
「わかったわ!」
オレはメルアとベルを抱くとリブーストで空中を駆け城の扉の前におりる。
「......罠があるかもな」
「うむ、しかし行かねばならん」
「城ごとぶっとばせばいいのよ」
「えっ?」
メルアは魔力をため呪文をとなえる。
「生命を育みたる源......」
「おいまてメルア!!」
「カオスボルテックスナックル!!」
ドガアアアン!!
メルアの打撃ですごい轟音と共に城上部が吹き飛んだ。
「これで死んだかしら」
「ムチャすんな!」
「いや、あれをみよ」
城の瓦礫の中から巨大な黒い人の形をしたものが見える。
「なんだあのでかいの......
サイクロプスか?」
「......ちがうわ。
魔力がすさまじいもの......」
「うむ、あれは......」
「やはりあなたでしたか......」
上空でそう声がした。
見上げると宙に浮いている仮面の男がいた。
「あ、あいつ!?」
「ヴァルキサス......」
ヴァルキサスは仮面をはずすと降りてきた。
「お久しぶりです父上」
「ヴァルキサスよ。
もうやめよ。
人間を滅してどうなるというのだ」
「知れたこと......
人間こそ害悪、滅んで当然なのです」
「ふざけないで!
人間全てが悪なわけがないでしょう!
こいつ、このシンジをみなさい!
元々弱くて、エロくて、バカで、情けなくて......」
メルアが横から口を出した。
「うん、終わり......」
「終わり!?
なんなの最後フォローするとこじゃん!
それだとオレ普通に悪口言われただけじゃん!」
「ごめん。
何かあるかと思ったけどなんにもなかったから」
「見切り発車でいくからでしょ!
ちゃんと考えてからいいなさいよ!
オレが恥かいただけじゃん!」
「人間を滅ぼすなど我が許すと思うか」
「思いません。
あなたは優しい......
いえ甘すぎる。
あんなことを知りながらあなたは......」
(あんなこと?)
「もう終わりだヴァルキサス。
お主の野望は潰えた。
我は全盛期の力を取り戻しておる」
「でしょうね......
リューガリアの所でカイを救ったのでしょう......
そこでエンシェントアーマーの魔晶核《グランコア》を手に入れた」
「なぜそれを......
いやそれならばもはや抵抗は無駄なこと。
早くモンスターを引かせよ」
「いいえ、それこそが私の目的......
人間を滅亡させるにはあなたが邪魔なのですよ!!」
そういうと、ヴァルキサスは呪文を唱える。
オレがリブーストを唱えようとすると、石壁ができた。
「くそ!!」
そして黒い巨人の中にゆっくりと城を崩しながら立ち上がる。
「やめよ!!ヴァルキサス」
ヴァルキサスは黒い巨人に吸い込まれていった。
「仕方あるまい......
シンジ、グランドレインを我に返してくれ。
そしてメルアと離れておるのだ」
ベルは黒い霧を吹き出すととてつもない魔力がほとばしった。
「ぐわっ! やべー!!」
オレはリブーストでメルアを抱いて遠くに逃げた。
黒い霧が人型に代わる。
黒い髪をたなびかせた長身の男が立っている。
凄まじい圧迫感でかなりの距離でもたってるのがやっとだった。
「あれがベルの本当の姿か......」
「嘘でしょ......
あれが生き物なの」
そして両者は空中に飛び上がった。
それはオレたちでは認識すらできず、時おり閃光が煌めき響く衝撃波でその凄まじい戦いを感じるしかなかった。
「見えん!!
でもスゲーことはわかるな!」
「ええ、あんなの巻き込まれたら即死ね......」
「さて、上の戦いはどうしようもないし、オレたちはしたの手伝いに行くか」
「待って!
城の中にお宝があるかもしれないわ!」
メルアに引っ張られてオレは城の瓦礫を探させられる。
「なんもねえよ。
お前がぶっぱなしたんだろ。
あっても粉々だよ」
「うっさいわねえ。
その魔力感知の指輪でさっさと探しなさいよ」
「はいはい......
あっ、なんかあるな」
オレが瓦礫の石をどけると、宝石のようなものがでてきた。
「それは記憶の石だわ。
記憶が残ってるの」
(記憶が残せる。
ビデオカメラみたいなもんか......
これは使える!! くぷぷ)
「何にやついてんのよ気持ち悪い......
あんたそれエロいことにつかおうとしてんのね!!
渡しなさい!」
「やめろ!!
唯一の希望なんだ!」
「このバカ!!」
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