やり直しの大魔王の弟子

曇天

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第三十八話 冒険の終わり2

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「リッチ? セレブなの?
 うそだろ、ほらガリガリだぞ」
 
「バカちがうわよ! 
 リッチは高位の魔法使いや司祭が秘術で生まれ変わったアンデッドよ!」

「えっ? スケルトンの親玉なの?」

「うむ、まあそんなとこらだが、魔力が膨大で不死に近い」

「えーーー!」

「ご説明ありがとうございます。
 では皆さんも死んでいただきましょう」

 人形師《ドールマスター》はそういうと空に舞い呪文を唱える。
 巨大な岩が降り注いでくる。

「くっ! この数!! あいつどんだけ魔力あんの!」

 岩を打ち落としながらメルアがいった。

「魔王クラスだな。
 空に浮いてるゆえ攻撃も当たらん」

「仕方ないな!」

「なにか策があるのですかシンジさん!」

「ああ、みてろ!」

 オレはリブーストで高速で移動するとそのまま土下座した。

「サーセン! リッチパイセン! マジすんません!」

 そこに岩が降り注いだ。

「うおっ! あぶね! 謝ってるだろ!」

「もはや謝ってすむ問題ではありませんよ。
 それに私はその魔煌晶《マジッククリスタル》を持って帰らねばならないのでね」

「やはり、貴様の目的は魔王ゼロの復活か」

「ほう、よくご存じで、ただ知ったところで死ぬことにはかわりありませんがね」

 その時リーゼルが伸ばしたハンマーで人形師《ドールマスター》の頭蓋骨を砕いた。

「やった!」

 だが、すぐに砕かれた頭蓋骨はすぐに元に戻る。

「ククッ、そんな攻撃では私は倒せませんよ」

 岩の魔法の撃ち出し、モンスターたちも元に戻っていく。

「魔力の核を砕かねば何度でもよみがえる。
 奴の核を砕くのだ」

 ベルにそういわれてリーゼルは骸骨を砕いている。
 
「くっくっくっ、なにをやっても無駄です。
 あなたたちの死は確定ずみのこと」

 人形師《ドールマスター》の岩の攻撃でリーゼルも疲弊している。

「くっ! モンスターも倒しても倒しても復活してくるわ!
 シンジあんたなにしてんの!
 あんたも攻撃しなさいよ!」

「フッ、あわてるな。
 オレに任せとけ! リブースト!!」

 オレは小さく分割した魔力弾を両手で撃ちだした。

「無駄です! そんな小さなものたとえ核に当たったとしても致命傷にはならないですよ!」

「リバウンド!」

 拡がった魔力弾は方向をかえ人形師《ドールマスター》を貫く。

「無駄だと行っているでしょう」

「まだだ!」

 魔力弾はさらに方向をかえ地面に向かった。

「なにぃぃぃ!?」

 そして地面にあった仮面を撃ち抜いた。
 すると、人形師《ドールマスター》は苦しみだした。

「バ、バカな......
 なぜ核が傷つく......」

「リバウンドで跳ね返った魔力弾は反発力で威力があがんだよ」

「なぜ私の魔力核が仮面だと......」

「そんなのは簡単だ。
 お前は姑息で卑怯なやつだ。
 そのお前が前に出て戦うなんてありえん。
 必ずどこか安全な所に核をおくと思ったぜ」

「そんなお前ごときに見抜かれるなんて......」

「フッ、なにをいっている。
 オレはお前以上に姑息で卑怯な男なんだぜ。
 お前の行動などお見通しさ」

「シンジがカッコ悪いのにかっこいい」

 メルアがそういった。

「......あれだけは!」

 そういうと、仮面が光りベルの持っているクリスタルが光る。

「まずい!」

 ベルがクリスタルをメルアのほうに投げ。

「割れメルア!」

 それを聞いたメルアがクリスタルを砕いた。
 
 その瞬間部屋が光りに包まれる。
 光がおさまると仮面やモンスターたちが砂のように消えた。   

「終わったか」

「やったわね」 

「やりました! 皆さん」

「うむ、なんとかな。
 しかし少し転移させられたかもな」

「まあ、そんくらい大丈夫だろ」

「さあ、お宝を探しましょう!」 

 メルアが興奮していった。

「いや、早く逃げねばならん」

「何でだよベル」

「魔煌晶《マジッククリスタル》を割ったからな。
 クリスタルにに貯まっていた魔力がここに満ちる。
 そうしたら爆発するのだ」

「えーー!」

「シンジ、速くリブーストで逃げるのだ」 

「早く言え! 仕方ない」

 オレは指輪の力で魔力をあげるとベルを背負い、両脇にリーゼルとメルアを抱える。

「おもっ!」

「重くないわ!」 

 メルアに殴られなからリブーストで加速して遺跡にから飛び出した。
 その瞬間遺跡は爆発してオレたちは吹き飛ばされる。

「みんな生きてるか!」

「は、はい」
 
「わたしのお宝がーー!」

 メルアはわんわん泣いている。

「......あ、あにょ、ちょっにょ、おりぇ......にゃばい」

「あーシンジがほっそほそになってるーー!」


 そうメルアの声が聞こえオレは意識を失った。
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