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第三十五話 新装備
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オレたちはチアノーラの町へ戻る。
「なあマジッククリスタルってなんだ?」
「うむ、魔力を貯められる水晶だ。
我の時代よりおかれていたゆえ、かなりの魔力がたまっているはずなのだ」
「それを手に入れるのか」
「いいや、もし狙われては厄介ゆえ使えぬなら壊そうと思っておる。
なにか嫌な予感がするのだ。
それに人形師《ドールマスター》というものが探し物と言っておった。
それが気にかかるのだ......」
「何かいってたな。 でもなんで?」
「あそこは古代遺跡あとだとメルアが言っておっただろう。
もしかしたら魔煌晶《マジッククリスタル》を探しておったのかもしれんと思ってな。
魔王ゼロ......
勇者に倒されていたと言っておったが、三魔将の一人のやつはいきておるからな」
「おいおい! あんなのが三人もいたら詰むぞ!
だから、あの亀さん仲間にしようつったのに!」
「あやつはもう長くない。
あやつから魔力がもれ出ていて、周りのモンスターが強化されていただろう。
もはや命つきるのだ」
「魔族なんだから大丈夫じゃないの?」
「あやつは魔族ではなくモンスターだ。
手のひらに乗るぐらい小さなときから我のそばいて魔力を浴び続けた結果あのような姿となった。
今は種族を守るためあそこにいるのだろう」
「......なら、かわいそうか」
「あんたたちどっか行くならさきに伝えときなさいよ!」
そう怒鳴りながら前からどかどかと少女があるいてくる。
「ん? ベルの知り合い?」
「いいや、我は知らぬ」
「なにいってんの? わたしよわたし。
まさか大きさが変わったくらいで、わたしがわかんないんじゃないでしょうね」
「大きさ......
あっ! お前メルアか!
何で人間サイズになってんだ!」
「へへーん、変化の魔法よ」
「ふむ、変化《トランスフォーム》かなかなか高度な魔法だ。
さすが妖精だな」
「でしょ!
どう、シンジ褒めていいのよ」
「へー、お前って案外かわいかったんだな」
オレがそういうと、メルアの顔が真っ赤になっていく。
「バカなにいってんのよ!!」
ドギャ!! ガッ! ガッ! ガッガッガッガッガッガッガッ!!
ズサササー!
「ぐはっ!!」
殴られたオレはバウンドしながら吹きとばされた。
(......そういや、あいつちっこいとき殴られたときも、すげー威力だったな......)
薄れ行く意識の中オレはそう思った。
「死ぬとこだったろ!
何回バウンドしたと思ってる!
十二回だぞ!」
意識を戻したオレはメルアにいった。
「ついいつもの調子で殴っちゃったわ」
悪びれもせずメルアがいった。
「元々妖精は身体能力にも優れておる。
羽を筋力で動かして飛んでおるからな。
大きくなればそれだけ威力もあがる」
「魔法だけだと自分も危険だからね。
この体なら肉弾戦もできるもの」
「確かにあの威力なら戦えるな」
「皆さん!」
リーゼルが魅惑の球体を揺らして走ってくる。
「おお! おっぱ......リーゼル!」
「やっとできましたよ! 皆さん用のアイテム」
「いやだ! お前の呪いのアイテムは!」
「大丈夫ですよ。 ほらこれみてください」
そういうと手に持ったハンマーが伸びた。
「うお! 伸びた!」
「ええ、ベルさんのアイデアで魔力を貯める魔法石を使って持ち手が伸びる仕様にしたんです!
魔力も吸いません」
「じゃあ、あたしに何かある。
素手だと怪我しそうだし小手とかなんか」
「メルアさんずいぶんおっきくなりましたね」
うーんそうですね。
シンジさん用に作ったグローブならいいかも」
そういってリーゼルはカバンからだしてメルアわたす。
「なにこのぷにぷにしたやつ」
「スライムから着想をえた。
スライムグローブです。
衝撃を吸収します」
「確かに柔らかくて怪我しにくそう。
でもそうなると、この指輪邪魔ね。
はいシンジ」
「なんだよこれ」
「最初に武具屋で買った指輪よ。
あんたにあげるわ」
「あの腹につけてたやつか。
もらえるもんはもらっとく」
「ベルさんにはこの剣」
「ふむ、軽いな」
「ハルンがつくってたゴーレムでも斬れる剣をボクが調べて作った。
ゴーレムキラーです。
貯めた少しの魔力で切断力をあげます」
「オレのは」
「シンジさんにはスライムグローブだったんですがそうですね。
メルアさんが大きいのでこのリングですかね。
魔力増幅のリングですが使い方が......」
「おー! ちょうどよかった! 指輪二つ目!」
オレは早速リングを指にはめた。
「あっシンジさん! 待って......」
オレの魔力があがる。
「おっ! すげー魔力があがってる!」
「ちょっと、シンジあんた痩せてきてない......」
「えっ! あれ何か......おかし」
「シンジさんそれは魔力を吸って増大させるマジックドレインリングなです!
だから大きく魔力をあげるようとするといっぱい吸われてしまうんです!」
「ありぇ...... にゃんか...... 意識ぎゃ......」
「あー! またシンジがほっそほそになってるー!」
メルアの声を聞きながらオレはまた意識を失った。
「なあマジッククリスタルってなんだ?」
「うむ、魔力を貯められる水晶だ。
我の時代よりおかれていたゆえ、かなりの魔力がたまっているはずなのだ」
「それを手に入れるのか」
「いいや、もし狙われては厄介ゆえ使えぬなら壊そうと思っておる。
なにか嫌な予感がするのだ。
それに人形師《ドールマスター》というものが探し物と言っておった。
それが気にかかるのだ......」
「何かいってたな。 でもなんで?」
「あそこは古代遺跡あとだとメルアが言っておっただろう。
もしかしたら魔煌晶《マジッククリスタル》を探しておったのかもしれんと思ってな。
魔王ゼロ......
勇者に倒されていたと言っておったが、三魔将の一人のやつはいきておるからな」
「おいおい! あんなのが三人もいたら詰むぞ!
だから、あの亀さん仲間にしようつったのに!」
「あやつはもう長くない。
あやつから魔力がもれ出ていて、周りのモンスターが強化されていただろう。
もはや命つきるのだ」
「魔族なんだから大丈夫じゃないの?」
「あやつは魔族ではなくモンスターだ。
手のひらに乗るぐらい小さなときから我のそばいて魔力を浴び続けた結果あのような姿となった。
今は種族を守るためあそこにいるのだろう」
「......なら、かわいそうか」
「あんたたちどっか行くならさきに伝えときなさいよ!」
そう怒鳴りながら前からどかどかと少女があるいてくる。
「ん? ベルの知り合い?」
「いいや、我は知らぬ」
「なにいってんの? わたしよわたし。
まさか大きさが変わったくらいで、わたしがわかんないんじゃないでしょうね」
「大きさ......
あっ! お前メルアか!
何で人間サイズになってんだ!」
「へへーん、変化の魔法よ」
「ふむ、変化《トランスフォーム》かなかなか高度な魔法だ。
さすが妖精だな」
「でしょ!
どう、シンジ褒めていいのよ」
「へー、お前って案外かわいかったんだな」
オレがそういうと、メルアの顔が真っ赤になっていく。
「バカなにいってんのよ!!」
ドギャ!! ガッ! ガッ! ガッガッガッガッガッガッガッ!!
ズサササー!
「ぐはっ!!」
殴られたオレはバウンドしながら吹きとばされた。
(......そういや、あいつちっこいとき殴られたときも、すげー威力だったな......)
薄れ行く意識の中オレはそう思った。
「死ぬとこだったろ!
何回バウンドしたと思ってる!
十二回だぞ!」
意識を戻したオレはメルアにいった。
「ついいつもの調子で殴っちゃったわ」
悪びれもせずメルアがいった。
「元々妖精は身体能力にも優れておる。
羽を筋力で動かして飛んでおるからな。
大きくなればそれだけ威力もあがる」
「魔法だけだと自分も危険だからね。
この体なら肉弾戦もできるもの」
「確かにあの威力なら戦えるな」
「皆さん!」
リーゼルが魅惑の球体を揺らして走ってくる。
「おお! おっぱ......リーゼル!」
「やっとできましたよ! 皆さん用のアイテム」
「いやだ! お前の呪いのアイテムは!」
「大丈夫ですよ。 ほらこれみてください」
そういうと手に持ったハンマーが伸びた。
「うお! 伸びた!」
「ええ、ベルさんのアイデアで魔力を貯める魔法石を使って持ち手が伸びる仕様にしたんです!
魔力も吸いません」
「じゃあ、あたしに何かある。
素手だと怪我しそうだし小手とかなんか」
「メルアさんずいぶんおっきくなりましたね」
うーんそうですね。
シンジさん用に作ったグローブならいいかも」
そういってリーゼルはカバンからだしてメルアわたす。
「なにこのぷにぷにしたやつ」
「スライムから着想をえた。
スライムグローブです。
衝撃を吸収します」
「確かに柔らかくて怪我しにくそう。
でもそうなると、この指輪邪魔ね。
はいシンジ」
「なんだよこれ」
「最初に武具屋で買った指輪よ。
あんたにあげるわ」
「あの腹につけてたやつか。
もらえるもんはもらっとく」
「ベルさんにはこの剣」
「ふむ、軽いな」
「ハルンがつくってたゴーレムでも斬れる剣をボクが調べて作った。
ゴーレムキラーです。
貯めた少しの魔力で切断力をあげます」
「オレのは」
「シンジさんにはスライムグローブだったんですがそうですね。
メルアさんが大きいのでこのリングですかね。
魔力増幅のリングですが使い方が......」
「おー! ちょうどよかった! 指輪二つ目!」
オレは早速リングを指にはめた。
「あっシンジさん! 待って......」
オレの魔力があがる。
「おっ! すげー魔力があがってる!」
「ちょっと、シンジあんた痩せてきてない......」
「えっ! あれ何か......おかし」
「シンジさんそれは魔力を吸って増大させるマジックドレインリングなです!
だから大きく魔力をあげるようとするといっぱい吸われてしまうんです!」
「ありぇ...... にゃんか...... 意識ぎゃ......」
「あー! またシンジがほっそほそになってるー!」
メルアの声を聞きながらオレはまた意識を失った。
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