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第二話 大魔王との邂逅
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「はあ、痛い......」
オレは体中をさすりながら森を歩く。
異世界に転生して、すぐオレは金を稼げるという冒険者になろうとした。
だが、採用試験で見事なまでにボッコボコにされた。
もちろん剣もまともに扱えないし、もともと身体能力も高いわけじゃない。
当然ながら試験は不合格、もう少し強くなってきてください、と言われこの森にきた。
「いきなりはやっぱ無理だよな......」
そう言ってため息をはく。
「ぐはっ!」
ほほをおもいっきり殴られた。
「まったく辛気くさいわね!
こっちのテンションも下がるからやめなさいよね!」
殴ったのは女神がつけてくれた小さな妖精のメルアだった。
メルアは金の髪をなびかせパタパタと翔びながら両腕を組んでいる。
「殴るなよ!
それでなくても体中痛いんだから!」
「よくそんな弱さでこの世界に転生する気になったわね!
あきれちゃう!」
「そもそも、メルアが手っ取り早く金を稼ぐには冒険者がいいっていったからだろ!」
「このモンスターうごめく危険な世界を選ぶんだから、ふつう強いと思うじゃない!
女神様が遣わせたのだから、すごい人間だと思ったらこんなポンコツだったなんて」
そう言っておおきなため息をついた。
(あの女神なんて、ただのオタクだろ!
本当の姿言ってやろうか!)
「よいですか、私の秘密を他言した場合、あなたを即、殴殺《おうさつ》します」
が、そうニッコリ笑った女神の顔が浮かんだのでやめた。
オレたちは言い争いながら森を進む。
「本当にこっちにあるのかよ。 魔法のアイテム」
「そうよ、わたしの魔力感知に間違いはないわ。
シンジみたいな弱い人間でも、魔法のアイテムがあれば強くなれるはず。
さっさと手に入れて冒険者になるのよ」」
「すごいめんどい。
本当に冒険者やんの?」
「当たり前じゃない!
あんたはお金持ちになってわたしを楽させるの!
そのためにあんたについてるんだから!」
そうオレたちは魔法のアイテムを探しにこの森にきていたのだった。
メルアの力でモンスターを避けながら奥に進むと、茂みの中に苔の生えた石の建造物の一部が見える。
「これ遺跡か......」
「みたいね。
だいぶ古いわ......
ほらそこ! その草の中よ!」
オレがいわれた場所の草をかき分けると、石に何かの棒が刺さっていた。
「これか、でもなんだこれ?」
「なんでもいいからさっさと持っていくわよ」
「遺跡のもの持っていっていいのかよ」
「知らないわ。
見つかったら落ちてたと言い張ればいいのよ」
(なんかイメージの妖精さんとちがうんだよなあ、こいつ)
メルアにせかされて棒を引っ張る。
「かたっ! 石にくっついてんじゃないの」
「もう! だらしないわね!
わたしも手伝うからそれしっかり持ってなさい!」
「わかったよ」
(手伝うってどうするんだ?)
オレがギュッと棒をにぎると、後ろからメルアの声が聞こえる。
「風よ我が声に耳を傾けその大いなる力を......」
「ちょ! ちょっとまって! それ魔法......」
「我が前に示せ! ウィンドストーム!!」
すごい突風がオレを襲う。
棒にしがみついていたが、風で空に飛ばされ地面に落ちた。
「ぐへえ!!」
「ほらとれたじゃない」
「何すんだよ! 落かたがわるかったら死ぬとこだったぞ!」
「生きてるからいいじゃない」
そう簡単に言われて手をみると、抜けたそれは棒ではなく両刃の剣だった。
「これ剣だったのか、でも錆びてるしボロいな」
振ってみたが特に何の力も感じない。
「でも強い魔力は感じる......
使い道があるはずよ」
そう二人で話していると、後ろから異様な気配がする。
振り返ると、剣を抜いたところから黒い霧のようなものが吹き出していた。
「ひょおおおい! これマズいんじゃないのか!
この剣なんか封印してたとかじゃないの!?」
「......わたし知らない......
さっさとずらかるわよ!!」
「よしきた!」
二人で逃げようとしたとき、黒い霧から声がする。
「......待つがよい......
人の子に妖精よ......」
「えっ、しゃべった!」
「先手必勝!!」
メルアは黒い霧に炎の魔法をぶちかました。
黒い霧は燃え上がる。
「ふん! このメルアさまにかかればこんなものよ」
「いきなり、攻撃とは礼儀がなってはおらぬな......」
黒い霧は元にもどりそういった。
「やっぱり逃げるわよシンジ!」
「よしきた!」
逃げるオレたちの前に黒い霧は移動した。
「我からは逃げられぬ......
それに、もし我が危険なものであったらお主たちどうするつもりだ」
「諦める」
「知らないわ」
「......最低だな。
まあよい、お主たちは我の復活を見届けてもらおうか」
そういうと黒い霧は集まり姿を変え始める。
一瞬光が周囲を包む。
「うわ!!」
「きゃあ!!」
そして光が収まると、目の前に人影が映る。
「な、なんだと!?」
「あ、あんたは!?」
オレたちは驚いた。
そこにいたのは子どもだったからだ。
「我、大魔王ヴァルザベール再誕!!」
若干ぽっちゃりめの子どもはそう高らかに宣言した。
オレは体中をさすりながら森を歩く。
異世界に転生して、すぐオレは金を稼げるという冒険者になろうとした。
だが、採用試験で見事なまでにボッコボコにされた。
もちろん剣もまともに扱えないし、もともと身体能力も高いわけじゃない。
当然ながら試験は不合格、もう少し強くなってきてください、と言われこの森にきた。
「いきなりはやっぱ無理だよな......」
そう言ってため息をはく。
「ぐはっ!」
ほほをおもいっきり殴られた。
「まったく辛気くさいわね!
こっちのテンションも下がるからやめなさいよね!」
殴ったのは女神がつけてくれた小さな妖精のメルアだった。
メルアは金の髪をなびかせパタパタと翔びながら両腕を組んでいる。
「殴るなよ!
それでなくても体中痛いんだから!」
「よくそんな弱さでこの世界に転生する気になったわね!
あきれちゃう!」
「そもそも、メルアが手っ取り早く金を稼ぐには冒険者がいいっていったからだろ!」
「このモンスターうごめく危険な世界を選ぶんだから、ふつう強いと思うじゃない!
女神様が遣わせたのだから、すごい人間だと思ったらこんなポンコツだったなんて」
そう言っておおきなため息をついた。
(あの女神なんて、ただのオタクだろ!
本当の姿言ってやろうか!)
「よいですか、私の秘密を他言した場合、あなたを即、殴殺《おうさつ》します」
が、そうニッコリ笑った女神の顔が浮かんだのでやめた。
オレたちは言い争いながら森を進む。
「本当にこっちにあるのかよ。 魔法のアイテム」
「そうよ、わたしの魔力感知に間違いはないわ。
シンジみたいな弱い人間でも、魔法のアイテムがあれば強くなれるはず。
さっさと手に入れて冒険者になるのよ」」
「すごいめんどい。
本当に冒険者やんの?」
「当たり前じゃない!
あんたはお金持ちになってわたしを楽させるの!
そのためにあんたについてるんだから!」
そうオレたちは魔法のアイテムを探しにこの森にきていたのだった。
メルアの力でモンスターを避けながら奥に進むと、茂みの中に苔の生えた石の建造物の一部が見える。
「これ遺跡か......」
「みたいね。
だいぶ古いわ......
ほらそこ! その草の中よ!」
オレがいわれた場所の草をかき分けると、石に何かの棒が刺さっていた。
「これか、でもなんだこれ?」
「なんでもいいからさっさと持っていくわよ」
「遺跡のもの持っていっていいのかよ」
「知らないわ。
見つかったら落ちてたと言い張ればいいのよ」
(なんかイメージの妖精さんとちがうんだよなあ、こいつ)
メルアにせかされて棒を引っ張る。
「かたっ! 石にくっついてんじゃないの」
「もう! だらしないわね!
わたしも手伝うからそれしっかり持ってなさい!」
「わかったよ」
(手伝うってどうするんだ?)
オレがギュッと棒をにぎると、後ろからメルアの声が聞こえる。
「風よ我が声に耳を傾けその大いなる力を......」
「ちょ! ちょっとまって! それ魔法......」
「我が前に示せ! ウィンドストーム!!」
すごい突風がオレを襲う。
棒にしがみついていたが、風で空に飛ばされ地面に落ちた。
「ぐへえ!!」
「ほらとれたじゃない」
「何すんだよ! 落かたがわるかったら死ぬとこだったぞ!」
「生きてるからいいじゃない」
そう簡単に言われて手をみると、抜けたそれは棒ではなく両刃の剣だった。
「これ剣だったのか、でも錆びてるしボロいな」
振ってみたが特に何の力も感じない。
「でも強い魔力は感じる......
使い道があるはずよ」
そう二人で話していると、後ろから異様な気配がする。
振り返ると、剣を抜いたところから黒い霧のようなものが吹き出していた。
「ひょおおおい! これマズいんじゃないのか!
この剣なんか封印してたとかじゃないの!?」
「......わたし知らない......
さっさとずらかるわよ!!」
「よしきた!」
二人で逃げようとしたとき、黒い霧から声がする。
「......待つがよい......
人の子に妖精よ......」
「えっ、しゃべった!」
「先手必勝!!」
メルアは黒い霧に炎の魔法をぶちかました。
黒い霧は燃え上がる。
「ふん! このメルアさまにかかればこんなものよ」
「いきなり、攻撃とは礼儀がなってはおらぬな......」
黒い霧は元にもどりそういった。
「やっぱり逃げるわよシンジ!」
「よしきた!」
逃げるオレたちの前に黒い霧は移動した。
「我からは逃げられぬ......
それに、もし我が危険なものであったらお主たちどうするつもりだ」
「諦める」
「知らないわ」
「......最低だな。
まあよい、お主たちは我の復活を見届けてもらおうか」
そういうと黒い霧は集まり姿を変え始める。
一瞬光が周囲を包む。
「うわ!!」
「きゃあ!!」
そして光が収まると、目の前に人影が映る。
「な、なんだと!?」
「あ、あんたは!?」
オレたちは驚いた。
そこにいたのは子どもだったからだ。
「我、大魔王ヴァルザベール再誕!!」
若干ぽっちゃりめの子どもはそう高らかに宣言した。
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