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第二十三話
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『ゴールデンフロッグ』と表示された。
「倒してみてくれるか。 一太刀で倒せないと話しにならない」
おれはいわれるまま剣でカエルを切った。
剣をふるうと簡単にきれた。
「弱いですね」
「でも魔法はきかないし、下手だとはずすこともある。 はずすとまずいんだ。 確実に倒さないとね」
「100ゴールドか、経験値もほとんどないし、正直たいしたことはないですけど」
「ああそれはここからだ。 こいつは同じ場所で一定時間でリポップ《復活》する。 そこで倒した場所に、このアイテムをつかう」
レキさんが釜のようなものをそこにはおいた。
「これは【複製の釜】、 その場のものを複製する」
「えっ? それって」
時間経過でゴールデンフロッグは二匹になってきた。 おれとアイは二匹を倒した。
「これって......」
「そういうことだ」
次々とカエルが増える。
「そうだ。 倍々にふえる」
次々と倒していく。
「くっ! これは」
「そう。 こいつらも体当たりしてくる。 ふえれば増えるほど、じみにチクチク体力を減らされる」
(こいつらも魔法がきかないから、殴るしかない! どんどん増えるし、一撃で倒さないと...... そういうことか)
クリアも出し、おれたちはもぐらたたきのようにカエルを叩く。
しばらくすると、部屋を埋め尽くすほどのカエルが現れていた。
「うおおおお!!!」
「多すぎる!!!」
「がんばれ!!!」
おれたちは三人で絶え間なく攻撃してくるカエルの猛攻に耐えながら、倒しまくっていった。
「10万分は稼ぎましたね!」
おれたちは宿へと戻った。
「ああ、もう少し稼ぎたかったんだが、MPとアイテムがつきた」
「これだけあれば、船を修理できます」
アイの言葉におれはうなづく。
「それにあまりやると経済を崩壊させかねない」
「そう。 だからほとんどやらない。 バグを利用するグリッチに近いからな。 今は緊急事態だからだ」
「今はバグも修正されませんしね」
「そうだ。 じゃあ私はいくよ」
「やはり、戦争を止めるんですか?」
「ああ、NPC《ノンプレイヤーキャラクター》との全面戦争は阻止しないとな」
「なんでそこまで...... 先にクリアを目指した方がいいんじゃないですか」
「そうしたいが、仮世の王の情報がつかめずにつまっている...... それに、このゲームはMT《マインドトランスファー》技術を売りにしてるが、AI《人工知能》が優れている、本当の人間のようにね。 私は助けたいんだ」
そう真剣な目でこちらをみすえる。
「確かに...... 高度で人間なのかと思いますね」
「どうやら自立型AIを使っているらしい......」
「えっ!? 自立型って人の管理下をはなれて、勝手に自己進化するってことですか、それって危険なんじゃ......」
アイは眉をひそめる。
「まあ、そういう考えもあるが...... いつだって人類はタブーをおかすものがいるからね。 AIだってその例には漏れないだろう」
「そうですね。 でもすこし怖いな......」
「はっはっは、ただ現状はそこまでのレベルではないよ。 彼らは自分の常識以外の疑問はあまりもたない。 不自然な我々の存在もなんとなく受け入れているだろう。 想像力が欠如しているようだ」
「なるほど、確かに役割をこなしているという感じだ」
「ただこのまま、進化を続ければ...... おっとメールだ。 じゃあ、私はいくよ。 また何かあったらメールで頼むよ」
そういって、レキさんは去っていった。
(進化するAIか、テラリスやクリアもか...... 人間みたいなのはそのせいか...... いまはそんなことを考えている暇はないな)
「これで船の修理をたのみにいこう」
「そうだね!」
おれたちは港にいき修理代を払う。
「わかった。 すこしだけかかるから、待っといてくれ」
そう船大工はいった。
「どうする? かなりかかるのかな?」
「魔法を使いながらだから、時間はかからないみたいね。 とりあえず、クエイグさんのところに行きましょう。 手に入れたアイテムでなにかつくってもらえるかも」
「そうだね」
おれたちは待つあいだクエイグさんのもとへいく。
「おお! 死神の鎌のかけら! こいつはユニークモンスターじゃないのか!」
「ええ」
「そんな化けもん倒すとはな...... これはゴールデンフロッグの皮か、なんでこんな大量に!?」
「いやぁ、なんか手に入って」
「まあ、いいクロウラーソードをかしてちょっと待ってな」
おれたちはクエイグさんに頼むと、町へと戻る。
数日後、クエイグさんのもとへいく。
「できてるぜ。 これがドレインソードと、ゴールデンローブ。 ハットだ」
「おお!」
「うん...... ありがと」
おれたちは礼をいって外に出た。
「これ敵のHP吸いとるらしいよ...... どうしたの?」
アイが複雑な顔をしている。
「これ...... なんか恥ずかしい」
「ああ、金ぴかだもんね。 でもステータスは高いらしいよ」
「そうだけど......」
かぶるのをしぶるアイを説得して、おれたちは港にきた。
「倒してみてくれるか。 一太刀で倒せないと話しにならない」
おれはいわれるまま剣でカエルを切った。
剣をふるうと簡単にきれた。
「弱いですね」
「でも魔法はきかないし、下手だとはずすこともある。 はずすとまずいんだ。 確実に倒さないとね」
「100ゴールドか、経験値もほとんどないし、正直たいしたことはないですけど」
「ああそれはここからだ。 こいつは同じ場所で一定時間でリポップ《復活》する。 そこで倒した場所に、このアイテムをつかう」
レキさんが釜のようなものをそこにはおいた。
「これは【複製の釜】、 その場のものを複製する」
「えっ? それって」
時間経過でゴールデンフロッグは二匹になってきた。 おれとアイは二匹を倒した。
「これって......」
「そういうことだ」
次々とカエルが増える。
「そうだ。 倍々にふえる」
次々と倒していく。
「くっ! これは」
「そう。 こいつらも体当たりしてくる。 ふえれば増えるほど、じみにチクチク体力を減らされる」
(こいつらも魔法がきかないから、殴るしかない! どんどん増えるし、一撃で倒さないと...... そういうことか)
クリアも出し、おれたちはもぐらたたきのようにカエルを叩く。
しばらくすると、部屋を埋め尽くすほどのカエルが現れていた。
「うおおおお!!!」
「多すぎる!!!」
「がんばれ!!!」
おれたちは三人で絶え間なく攻撃してくるカエルの猛攻に耐えながら、倒しまくっていった。
「10万分は稼ぎましたね!」
おれたちは宿へと戻った。
「ああ、もう少し稼ぎたかったんだが、MPとアイテムがつきた」
「これだけあれば、船を修理できます」
アイの言葉におれはうなづく。
「それにあまりやると経済を崩壊させかねない」
「そう。 だからほとんどやらない。 バグを利用するグリッチに近いからな。 今は緊急事態だからだ」
「今はバグも修正されませんしね」
「そうだ。 じゃあ私はいくよ」
「やはり、戦争を止めるんですか?」
「ああ、NPC《ノンプレイヤーキャラクター》との全面戦争は阻止しないとな」
「なんでそこまで...... 先にクリアを目指した方がいいんじゃないですか」
「そうしたいが、仮世の王の情報がつかめずにつまっている...... それに、このゲームはMT《マインドトランスファー》技術を売りにしてるが、AI《人工知能》が優れている、本当の人間のようにね。 私は助けたいんだ」
そう真剣な目でこちらをみすえる。
「確かに...... 高度で人間なのかと思いますね」
「どうやら自立型AIを使っているらしい......」
「えっ!? 自立型って人の管理下をはなれて、勝手に自己進化するってことですか、それって危険なんじゃ......」
アイは眉をひそめる。
「まあ、そういう考えもあるが...... いつだって人類はタブーをおかすものがいるからね。 AIだってその例には漏れないだろう」
「そうですね。 でもすこし怖いな......」
「はっはっは、ただ現状はそこまでのレベルではないよ。 彼らは自分の常識以外の疑問はあまりもたない。 不自然な我々の存在もなんとなく受け入れているだろう。 想像力が欠如しているようだ」
「なるほど、確かに役割をこなしているという感じだ」
「ただこのまま、進化を続ければ...... おっとメールだ。 じゃあ、私はいくよ。 また何かあったらメールで頼むよ」
そういって、レキさんは去っていった。
(進化するAIか、テラリスやクリアもか...... 人間みたいなのはそのせいか...... いまはそんなことを考えている暇はないな)
「これで船の修理をたのみにいこう」
「そうだね!」
おれたちは港にいき修理代を払う。
「わかった。 すこしだけかかるから、待っといてくれ」
そう船大工はいった。
「どうする? かなりかかるのかな?」
「魔法を使いながらだから、時間はかからないみたいね。 とりあえず、クエイグさんのところに行きましょう。 手に入れたアイテムでなにかつくってもらえるかも」
「そうだね」
おれたちは待つあいだクエイグさんのもとへいく。
「おお! 死神の鎌のかけら! こいつはユニークモンスターじゃないのか!」
「ええ」
「そんな化けもん倒すとはな...... これはゴールデンフロッグの皮か、なんでこんな大量に!?」
「いやぁ、なんか手に入って」
「まあ、いいクロウラーソードをかしてちょっと待ってな」
おれたちはクエイグさんに頼むと、町へと戻る。
数日後、クエイグさんのもとへいく。
「できてるぜ。 これがドレインソードと、ゴールデンローブ。 ハットだ」
「おお!」
「うん...... ありがと」
おれたちは礼をいって外に出た。
「これ敵のHP吸いとるらしいよ...... どうしたの?」
アイが複雑な顔をしている。
「これ...... なんか恥ずかしい」
「ああ、金ぴかだもんね。 でもステータスは高いらしいよ」
「そうだけど......」
かぶるのをしぶるアイを説得して、おれたちは港にきた。
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