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第四十六話
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「さて、お前たちだが」
そうキメラたちをカルネアスのトロールたちの集落にあつめる。 二十体のキメラはさまざまな動物やモンスター、人間を合成した姿をしていた。
「我らはこんな姿だ。 人間でもモンスターでもない。 もはやどこにもいけない」
最初にあったキメラ、クライオはそういった。
「ただおれは、おれたちをこんな姿にしたものたちへ復讐したい!」
そう多腕のキメラがそういかりをぶちまける。
「ああ! 必ず殺してやる!」
キメラたちはそう口々にいった。
「それはまて、お前たちに協力してほしい。 そいつらを殺したところで元にも戻れないだろう。 居場所はおれがつくる」
キメラたちは顔を見合わせていたが、みんなうなづいた。
「......わかった。 どうせ名前以外はおもいだせん。 お前に力を貸そう」
そうクライオがいうと、キメラたちはみんなうなづく。
「ありがとう。 とりあえずみんなもおれの領界にいてくれ。 必要なら呼ぶ。 バーン、ネオンはキメラたちとかえってくれ」
「マサトさまは?」
「おれは他の二組と合流するよ」
「わかりました」
キメラたちも荷馬車にのせ、バーンとネオンはかえっていった。
「さて、この魔力...... やはり、アミネイアとコゴルか」
おれはアミネイアとコゴルのもとにむかう。
海風のにおいがする。 目の前に大海原が見える。 ここはマイゼン共和国。 水産資源の宝庫ときいていた。
「でも活気もないな。 市場なのに」
町にはいると魚介が売り買いされているが、売り物も少なく活気もない。
「なんか聞いてたのとは違うな。 ここにマーメイドがいるのか。 まずは」
この町の店舗に顔をだす。
「マサトさまですか! 私はマイゼン王国の店舗を任されているスクアともうします!」
元気な褐色の肌の青年がこたえる。
「それでここにアミネイアとコゴルがきたはずなんだけど?」
「ええー? 大分前にきたのですが、てっきり帰られたのかと」
不思議そうにスクアはいった。
「それでどこにいくと?」
「ええ、えっと、マーメイドの話をしていましたね。 でも......」
「どうしたの?」
「いえ最近、特に海でマーメイドたちが攻撃を仕掛けてくるんです。 昔は溺れたものを助けてもくれたのですが...... お二人はそれを話すと見に行くといって...... まさかとは思いますが」
そうスクアは肩をおとした。
「まあ、大丈夫だよ。 二人とも魔法や戦闘もかなりの腕だからね」
「そうですよね!」
スクアは安心した顔をした。
(二人の魔力は感じる。 死んではない...... この近くにはいない。 いったいどこに)
おれは魔力をおい海岸へとやってきた。
難破船だろうか、いくつかの船の残骸がある。
磯のほうをみていた、そのとき、突然海から手がのび、おれの足をつかむと海にひきずりこんだ。
「なっ......」
みると人魚がおれの足を持って泳いでいる。
(このまま引きずり込むつもりか...... いや横に泳いでいる。 だがそんな早くもない)
とりあえず、もってた剣の鞘であたまを軽くこずくと、人魚は口から泡をだして海に浮かんだ。
おれは海面へあがる。
「うっ...... はっ! なに!?」
目をさました人魚の少女は驚いている。
「いたたっ! あー コブが!」
涙目で頭を撫でている。
「お前はなんなんだ。 なんでおれを襲う。 めちゃめちゃ弱いのに」
「なっ!? 君! 早くここから離れなよ!」
「離れる? どういうことだ」
「......それは」
そうマーメイドは口を閉ざした。
(わけありか)
「おれは仲間を探している。 女の子と小柄な少年だ」
「それって、あの二人......」
「知ってるのか! どこにいる」
「ちょっと、そっちに!!」
マーメイドは更に陸に近い岩場におれを呼ぶ。
「その二人は捕らえられてるの......」
「マーメイドにか」
「ええ、新しくマーメイドの長になったアルピュリアさまが、人間たちに戦争を仕掛けようとしてるの......」
そうマーメイドの少女、キュルアは難破船をみて悲しそうだ。
「さすがにマーメイドは陸に上がれないし、無理だろ」
「なんか、アルピュリアさまが、すごい力を黒いローブの奴らからもらったって、その力があれば人間たちを支配できるって......」
「黒衣の化者《ダークレイス》か」
「そうそう! でも...... 人間たちと戦っちゃダメって前の長が、だから、あそこから離そうと......」
「それで、おれを...... 前の長はどうなった?」
「幽閉されてる。 そう! そこに二人もいるよ!」
「そうか、ならそこにつれてってくれるかキュルア」
「だめだよ! 捕まっちゃうよ!」
「その二人は仲間なんだ。 頼む」
「えっ...... うーん」
悩みながらもキュルアは、おれをマーメイドの集落へつれていってくれるといった。
「でもどうするの? 行ってもすぐ捕まるし、まず海のなかだよ」
そうキュルアは心配そうに聞いてきた。
「大丈夫」
(今のおれなら光の精霊、そのものをつくれるよな)
おれが【創造】《クリエイト》で光の精霊をつくり、その姿を消した。
(結構魔力をくったが、できた! あとは......)
そして、作った空気の精霊とまぜる。
「さあ、いこう」
不思議そうにキュルアがみている。
そうキメラたちをカルネアスのトロールたちの集落にあつめる。 二十体のキメラはさまざまな動物やモンスター、人間を合成した姿をしていた。
「我らはこんな姿だ。 人間でもモンスターでもない。 もはやどこにもいけない」
最初にあったキメラ、クライオはそういった。
「ただおれは、おれたちをこんな姿にしたものたちへ復讐したい!」
そう多腕のキメラがそういかりをぶちまける。
「ああ! 必ず殺してやる!」
キメラたちはそう口々にいった。
「それはまて、お前たちに協力してほしい。 そいつらを殺したところで元にも戻れないだろう。 居場所はおれがつくる」
キメラたちは顔を見合わせていたが、みんなうなづいた。
「......わかった。 どうせ名前以外はおもいだせん。 お前に力を貸そう」
そうクライオがいうと、キメラたちはみんなうなづく。
「ありがとう。 とりあえずみんなもおれの領界にいてくれ。 必要なら呼ぶ。 バーン、ネオンはキメラたちとかえってくれ」
「マサトさまは?」
「おれは他の二組と合流するよ」
「わかりました」
キメラたちも荷馬車にのせ、バーンとネオンはかえっていった。
「さて、この魔力...... やはり、アミネイアとコゴルか」
おれはアミネイアとコゴルのもとにむかう。
海風のにおいがする。 目の前に大海原が見える。 ここはマイゼン共和国。 水産資源の宝庫ときいていた。
「でも活気もないな。 市場なのに」
町にはいると魚介が売り買いされているが、売り物も少なく活気もない。
「なんか聞いてたのとは違うな。 ここにマーメイドがいるのか。 まずは」
この町の店舗に顔をだす。
「マサトさまですか! 私はマイゼン王国の店舗を任されているスクアともうします!」
元気な褐色の肌の青年がこたえる。
「それでここにアミネイアとコゴルがきたはずなんだけど?」
「ええー? 大分前にきたのですが、てっきり帰られたのかと」
不思議そうにスクアはいった。
「それでどこにいくと?」
「ええ、えっと、マーメイドの話をしていましたね。 でも......」
「どうしたの?」
「いえ最近、特に海でマーメイドたちが攻撃を仕掛けてくるんです。 昔は溺れたものを助けてもくれたのですが...... お二人はそれを話すと見に行くといって...... まさかとは思いますが」
そうスクアは肩をおとした。
「まあ、大丈夫だよ。 二人とも魔法や戦闘もかなりの腕だからね」
「そうですよね!」
スクアは安心した顔をした。
(二人の魔力は感じる。 死んではない...... この近くにはいない。 いったいどこに)
おれは魔力をおい海岸へとやってきた。
難破船だろうか、いくつかの船の残骸がある。
磯のほうをみていた、そのとき、突然海から手がのび、おれの足をつかむと海にひきずりこんだ。
「なっ......」
みると人魚がおれの足を持って泳いでいる。
(このまま引きずり込むつもりか...... いや横に泳いでいる。 だがそんな早くもない)
とりあえず、もってた剣の鞘であたまを軽くこずくと、人魚は口から泡をだして海に浮かんだ。
おれは海面へあがる。
「うっ...... はっ! なに!?」
目をさました人魚の少女は驚いている。
「いたたっ! あー コブが!」
涙目で頭を撫でている。
「お前はなんなんだ。 なんでおれを襲う。 めちゃめちゃ弱いのに」
「なっ!? 君! 早くここから離れなよ!」
「離れる? どういうことだ」
「......それは」
そうマーメイドは口を閉ざした。
(わけありか)
「おれは仲間を探している。 女の子と小柄な少年だ」
「それって、あの二人......」
「知ってるのか! どこにいる」
「ちょっと、そっちに!!」
マーメイドは更に陸に近い岩場におれを呼ぶ。
「その二人は捕らえられてるの......」
「マーメイドにか」
「ええ、新しくマーメイドの長になったアルピュリアさまが、人間たちに戦争を仕掛けようとしてるの......」
そうマーメイドの少女、キュルアは難破船をみて悲しそうだ。
「さすがにマーメイドは陸に上がれないし、無理だろ」
「なんか、アルピュリアさまが、すごい力を黒いローブの奴らからもらったって、その力があれば人間たちを支配できるって......」
「黒衣の化者《ダークレイス》か」
「そうそう! でも...... 人間たちと戦っちゃダメって前の長が、だから、あそこから離そうと......」
「それで、おれを...... 前の長はどうなった?」
「幽閉されてる。 そう! そこに二人もいるよ!」
「そうか、ならそこにつれてってくれるかキュルア」
「だめだよ! 捕まっちゃうよ!」
「その二人は仲間なんだ。 頼む」
「えっ...... うーん」
悩みながらもキュルアは、おれをマーメイドの集落へつれていってくれるといった。
「でもどうするの? 行ってもすぐ捕まるし、まず海のなかだよ」
そうキュルアは心配そうに聞いてきた。
「大丈夫」
(今のおれなら光の精霊、そのものをつくれるよな)
おれが【創造】《クリエイト》で光の精霊をつくり、その姿を消した。
(結構魔力をくったが、できた! あとは......)
そして、作った空気の精霊とまぜる。
「さあ、いこう」
不思議そうにキュルアがみている。
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