ブラックバイトウィザード

曇天

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第十八話 不死者《アンデッド》

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 オレは闇の中に飛び込んだ。
 何もない黒くて四角いかなり大きな空間にマイルズがいる。

「ここまで入ってくるとは......
 貴様なにもんだい!?
 ......そうかその腕、永遠の魔女だね!!」

「久しいねマイルズ。
 一体君たちはどうやってその僕の身体を得たのかな?」
 
「ふん!
 いうわけがなかろう!
 あんたのせいで私は捕らえられたんだからな!」

「まあ、それは君が死者をもてあそび、
 更なる死者を産み出そうとしていたからだろう。
 逆恨みはやめてほしいね」

「黙れ! 黙れ!
 今の私はあのときとは違うのだ!
 今度は前のようにはいかんぞ!」  

 そういうとマイルズは地面に杖をつく、
 闇の中から骸骨の獣たちが現れた。
 
「オレおばあちゃん子なんで、
 あのばあちゃん殺したくないんすけど」

「その心配はないよ。
 きっともう死んでる。
 そうだろうマイルズ」

 そういうとマイルズはニヤリと笑った。

「さすがだ。
 やはりバレてたね」

「死んでるってどういうことっすか!?
 みての通りピンピンしてるじゃないっすか!」

「スケルトンやゾンビと同じさ。
 死んでる自分を操ってるんだ。
 普通の身体でこれ程の魔力は操れないからね」

 マイルズが次々と骸骨の獣を出してくるのを、
 オレは砕いていった。

「くそ! どんどんでてくる!
 キリがないっす」

「死んでるから魔力に生命力を食われることもない。
 僕の身体で魔力は膨大だ。
 やはり本体をやるしかないよタイガくん」

「でもそんだけの魔力じゃ、
 倒してもまた復活してくるんじゃ......」

「ああ、僕に策がある。
 まず彼女を倒してくれないか」

 オレはエクスさんやいひかのことを考えて、
 遅延《ディレイ》を使い覚悟を決め近づいた。
 威力は落ちてるが近づくことで、
 動きを遅くなったマイルズにふれた。 
 すると彼女は骸骨のように崩れていった。

「うっ!」

「大丈夫さタイガくん、ホラ」

 マイルズはゆっくりと元に戻ろうとする。

「むだだよ!
 私は不死者《アンデッド》なんだ!
 お前たちの魔力がなくなったら、
 殺してあたしの兵隊にしてあげるよ!
 いひひひひひ!!」

 そういって骸骨のまま笑った。

「それはお断りさ。
 タイガくん。
 僕の胴体の石を左手に持ったまま、
 マイルズの頭にさわってくれ」

 僕はいわれるがまま、
 石となったヒミコさんの胴体を持って、
 マイルズに触れた。

「何をしても無駄さ!」

「マイルズ、なんで君は匣魔監獄《ごうまかんごく》
 に攻撃してるんだい?」

「ふん!
 そんなもんにゃ興味はないよ。
 私が欲しいのはあんたの身体だからね」

「僕の身体があそこに......
 ふむ、で君たちを監獄から逃がした者は何者だい」

「知らないね。
 みたことも聞いたこともない男さ。
 ただ逃がしてくれたことや、
 町の人間を皆殺しにしてくれたから、
 感謝してるよ兵隊もいっぱいできたしね......
 ......なんだ身体が...... これは......」

 マイルズの身体が元へと戻らなくなった。

「なにをした!?
 永遠の魔女!!」  

「君が欲しがってたものをプレゼントしたのさ」

「私が欲しがってたプレゼント......
 あんたの身体......」

「ああ、
 反射《リフレクト》の魔法を発動させた。
 僕の胴体の石さ」
 
「反射《リフレクト》!?」

「まあ、不死になったのも魔法だろう。
 それを反射すると、どうなるのかな?」

 ヒミコさんはいたずらっぽくいった。

「永遠の魔女ーーーーー!!!」

 そう叫ぶと、
 マイルズは少しずつ砕けていき、
 すぐにチリとなり風に散った。
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