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第五十四話
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「な、なぜだ......」
「こんな暗いところで糸なんて見えるわけないよね。 あなたの剣か魔力は多分音波を操るんだ。 それで物体の場所を把握してた」
「だが、お前はあそこに......」
そこにはおれが糸を変化させて作った人形があった。
「あなたは目がみえないんだね。 人形をおれだとおもった。 でも【形魔力】で剣の形に変えたおれの姿はわからなかった」
「そ、そうか...... あの投げた剣はお前か......」
そういって気をうしなったリズミラを糸で拘束した。
「扉は鍵がかかってたらしいけど、おれなら」
ガチャ、ガチャ、ガチャン
柔らかくした自分の腕を鍵穴に押し込むと金属化して、鍵をあける。
「あいた」
中に入るとベッドのような石の台座がありだれかが横になっている。
「これがベルスレイブ!?」
おれは驚いた。 そこにいたのは天秤のようなものを胸にだいている長い銀の髪の少女だったからだ。
「こんな女の子なんだ。 本当に眠っているようだ」
耳をそばだてたいが、おれに耳はない。
(おれなんで音聞こえてんだ...... まあいいか、呼吸はないな)
「この子を起こすには、あの偽の剣の中にあったこの魔石に魔力を......」
「まて......」
後ろを振り向くと、バルステアと六人ほど剣を持つものがたっていた。
「くっ! バルステア」
「リズミラの緊急音できてみれば、お前が書類を持つものか...... その書類と魔石をわたせ」
「いやだ......」
(おれの八本の手足収縮の最速跳躍なら抜けられるかも...... 隙を見つけよう)
「逃げるな」
後ろからミリアナが剣をあてられてつれられてきた。
「......おかしな真似をしたら王女の首が飛ぶぞ」
(く、くそっ! これじゃ逃げられない)
「トーマ、私は覚悟できていますわ...... あなたがすべきことわかっていまして」
そう真剣な眼差しでミリアナがいった。
(見捨てて逃げろ...... だがそんなことは)
六人の一人がこちらに近づく。
「さあ渡してもらおうか...... まさか、我ら七人の剣将とやりあおうなどとはおもわんよな」
「くっ!」
(どうする!? 何か、何かないか)
目の前まで男が迫る。 そして男は剣を振り下ろした。
「トーマ!!」
ミリアナが叫ぶ。
ドゥッ!!
「がっ......」
おれの目の前で男が倒れた。 そのそばにはバルジャンさんがいる。
「なに......」
バルステアの後ろからハーバランドさんとメリムたちがいる。
「トーマ!」
「メリム!」
「ハーバランド、貴様なぜここに......」
「しれたことだ。 貴様の悪事をくじくためだ。 ジェガリアの手紙は届いたぞ」
「やはり、ジェガリアが裏切ったか...... 連絡が途絶したからもしやとおもったが、よくあの裏切り者を信じたな」
「そうだな。 最初は罠かともおもったがな」
ここにくる前にジェガリアさんに手紙を書いてもらい。 おれは近くのまちに町の人に届けてもらえるように伝えていた。
(メリムたちが信じられるようにタコの絵を書いておいてよかった)
「だが、状況は変わらんな...... 狙うならマージではなく、ミリアナを助けるべきだったなバルジャン」
「......問題ない」
「なんだと......」
バシュッ
「ぎゃあ!」
水しぶきが上がり、ミリアナに剣を突きつけていた男の腕から鮮血がまった。
タンッ!
その瞬間、バルジャンさんがミリアナを抱きハーバランドさんの横にたった。
「水...... まさか」
「そのまさかよ......」
水しぶきの後ろからエルティッタさんが現れた。
「エルティッタ...... 貴様、酒に溺れていたのではなかったのか」
「あんたが私に追手を放っていたのはしってたからね。 剣を預ければ警戒もされないとおもってたけどずいぶん用心深いわね。 しつこい男はもてないわよ」
(そうか、こいつの目を欺くためにわざと......)
「まあいい、全員集まったのだ。 どうせ逃がさなければかまうまい。 お前たち」
剣将の五人が散り剣をかまえる。
「ハーバランドたちはお前たちがやれ」
「はっ!」
「トーマ!」
「ハーバランドさん! こいつはおれが倒します! そっちをお願いします!」
「わかった! なんとかこらえてくれ! こいつらを倒して加勢する!」
「倒すだと、貴様程度の小僧がか......」
そういってバルステアが剣を抜くと、金色の剣身を蒼い火花が散った。
「こんな暗いところで糸なんて見えるわけないよね。 あなたの剣か魔力は多分音波を操るんだ。 それで物体の場所を把握してた」
「だが、お前はあそこに......」
そこにはおれが糸を変化させて作った人形があった。
「あなたは目がみえないんだね。 人形をおれだとおもった。 でも【形魔力】で剣の形に変えたおれの姿はわからなかった」
「そ、そうか...... あの投げた剣はお前か......」
そういって気をうしなったリズミラを糸で拘束した。
「扉は鍵がかかってたらしいけど、おれなら」
ガチャ、ガチャ、ガチャン
柔らかくした自分の腕を鍵穴に押し込むと金属化して、鍵をあける。
「あいた」
中に入るとベッドのような石の台座がありだれかが横になっている。
「これがベルスレイブ!?」
おれは驚いた。 そこにいたのは天秤のようなものを胸にだいている長い銀の髪の少女だったからだ。
「こんな女の子なんだ。 本当に眠っているようだ」
耳をそばだてたいが、おれに耳はない。
(おれなんで音聞こえてんだ...... まあいいか、呼吸はないな)
「この子を起こすには、あの偽の剣の中にあったこの魔石に魔力を......」
「まて......」
後ろを振り向くと、バルステアと六人ほど剣を持つものがたっていた。
「くっ! バルステア」
「リズミラの緊急音できてみれば、お前が書類を持つものか...... その書類と魔石をわたせ」
「いやだ......」
(おれの八本の手足収縮の最速跳躍なら抜けられるかも...... 隙を見つけよう)
「逃げるな」
後ろからミリアナが剣をあてられてつれられてきた。
「......おかしな真似をしたら王女の首が飛ぶぞ」
(く、くそっ! これじゃ逃げられない)
「トーマ、私は覚悟できていますわ...... あなたがすべきことわかっていまして」
そう真剣な眼差しでミリアナがいった。
(見捨てて逃げろ...... だがそんなことは)
六人の一人がこちらに近づく。
「さあ渡してもらおうか...... まさか、我ら七人の剣将とやりあおうなどとはおもわんよな」
「くっ!」
(どうする!? 何か、何かないか)
目の前まで男が迫る。 そして男は剣を振り下ろした。
「トーマ!!」
ミリアナが叫ぶ。
ドゥッ!!
「がっ......」
おれの目の前で男が倒れた。 そのそばにはバルジャンさんがいる。
「なに......」
バルステアの後ろからハーバランドさんとメリムたちがいる。
「トーマ!」
「メリム!」
「ハーバランド、貴様なぜここに......」
「しれたことだ。 貴様の悪事をくじくためだ。 ジェガリアの手紙は届いたぞ」
「やはり、ジェガリアが裏切ったか...... 連絡が途絶したからもしやとおもったが、よくあの裏切り者を信じたな」
「そうだな。 最初は罠かともおもったがな」
ここにくる前にジェガリアさんに手紙を書いてもらい。 おれは近くのまちに町の人に届けてもらえるように伝えていた。
(メリムたちが信じられるようにタコの絵を書いておいてよかった)
「だが、状況は変わらんな...... 狙うならマージではなく、ミリアナを助けるべきだったなバルジャン」
「......問題ない」
「なんだと......」
バシュッ
「ぎゃあ!」
水しぶきが上がり、ミリアナに剣を突きつけていた男の腕から鮮血がまった。
タンッ!
その瞬間、バルジャンさんがミリアナを抱きハーバランドさんの横にたった。
「水...... まさか」
「そのまさかよ......」
水しぶきの後ろからエルティッタさんが現れた。
「エルティッタ...... 貴様、酒に溺れていたのではなかったのか」
「あんたが私に追手を放っていたのはしってたからね。 剣を預ければ警戒もされないとおもってたけどずいぶん用心深いわね。 しつこい男はもてないわよ」
(そうか、こいつの目を欺くためにわざと......)
「まあいい、全員集まったのだ。 どうせ逃がさなければかまうまい。 お前たち」
剣将の五人が散り剣をかまえる。
「ハーバランドたちはお前たちがやれ」
「はっ!」
「トーマ!」
「ハーバランドさん! こいつはおれが倒します! そっちをお願いします!」
「わかった! なんとかこらえてくれ! こいつらを倒して加勢する!」
「倒すだと、貴様程度の小僧がか......」
そういってバルステアが剣を抜くと、金色の剣身を蒼い火花が散った。
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