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第二十四話

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「よくきたトーマどの、手紙の話だな」

 書斎のような部屋に通されるとマヌエス大臣は机で書き物をしていた手を止めた。 おれたちはマヌエス大臣に城まできて話をしにきていた。

「ええ、マヌエス大臣それで、わかりましたか?」

「これだ......」

 そういうと机の引き出しから紙をだすと、机の上に広げた。

「これはこの大陸の地図。 ここがセメンドリア、そしてここがグリムデン。 その少し南のここがそなたがいっていたアルベクス大森林だ......」

「やはり、どこの領土でもない場所ですね」

 そうおれがいうと、メリムとレフィーネが顔を見合わせた。

「どこの領土でもないそれを確認してもらってたの?」

「まさかトーマ......」

「ああ、そこに居住地をつくる」

 そうおれがいうと三人は驚いている。

「それでこの大森林を...... か」

 マヌエス大臣は腕組みしてつぶやく。

「ええ、マヌエス大臣。 もう各国にすめる場所がない以上、新しくつくるしかないんです。 並みのモンスターならおれたちで排除できますしね」

「私たちならば戦えなくはないだろうが、それを維持しながら町をつくるなんて......」

 レフィーネは首をふる。

「おれに策がある」 

「でもそれが可能なら、人を集めて町をつくれるね」

 メリムがやる気になっている。

「確かに可能ならば...... しかし、その町がつくられたとしても、他の国がほうっておくとはおもえぬ。 かならず隣国が割譲や支配を目論むぞ。 ここからは遠くて助けてもやれぬ」

「ああ、町が手に入るならすぐにでも攻めてきそうだ。 例えば隣国グリムデンとか......」

 大臣にレフィーネが同調する。

「貴公にはこの国をすくってもらった恩があるゆえ、王からいかなる助力でもするようにいいつかっておるが......」

 苦悩するようにマヌエス大臣はうなる。

「いいえ、他国と戦争してもらわなくてもかまいません。 この国もセファイラにお金を奪われて大変ですからね。 そこはおれたちでなんとかします。 それにグリムデンもすぐには手をだしてこないよ」

「どうしてだ? 失礼ながらあのグリムデンの王アルバハムは欲深で野心家だ。 そう易々と益をみのがすとはおもえぬ」

 大臣はそういぶかしげにきいた。

「おれたちはクラウンアントを倒したんです」

「なっ!? あのモンスターを!」

 マヌエス大臣は言葉を失う。

「そのためにあの洞窟のモンスターを倒したのね」

「確かに国すら手出ししなかったあいつを倒したものなら、警戒して手もだしてこないか」

 メリムとレフィーネは納得したようだ。

「まあもし手をだしてきても大丈夫なように対策はする。 そのための時間稼ぎだ」

「うむ、それで我が国にできることがあるかな」

「こちらで入手したものの、取引を許してもらえればありがたいんですが」

「交易か、それなら容易い。 こちらは多くの資源には不足しておる。 特にグリムデンとの取引ぎ少なくなっておる。 代替か必要だった。 取り急ぎ王へと伝えよう」

「おねがいします」

 おれたちは城を後にした。

「ごめん二人とも、少し神剣を探しにいけないや」

「かまわないわ! 人を救うのが神剣士! これで町をつくれれば多くの人が救えるもの」

「そうだな。 いまは神剣も見つけるのは難しいしな。 それにソールたちのことも気になるから...... それで本当に町なんてつくれるのか。 私たちには資材を買うお金もないぞ」

「ああ、まずはハイレルさんに会いに行こう」

 おれたちはハイレルさんの店にいく。


「子供たちは元気です。 アムともなかよくなって...... このままうちで引き取っていいのですよ」

 大きな庭でメリムとレフィーネ、子供たちが楽しそうに駆け回っている。

「でも、彼ら以外も助けないといけないんです。 それでハイレルさんに大森林で手に入れたものを買い取って流通させてもらえば...... 可能ですか」

「もちろん! そのようなものがあるなら扱わさせていただきますよ!」

 そうハイレルさんと約束し、おれたちは大森林に向かう準備をした。
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