25 / 51
第25話 人工霊獣② 封印破壊
しおりを挟む
「こっちでいいんだな、大陰」
灰は黒土山に入り、隣を飛ぶ小さな式神、大陰に聞いた。
「うむ、確かにこちらより異様な霊力を感じるぞ。 心しろ」
山頂付近の沢にでると、何か霊力を放つ者とその後ろの男が見えた。
「あれだ! 灰よ、あの後ろの者が人工霊獣だ!」
灰が沢に降りると、
「何故ここが!」
男はその姿を大きな鮫に転じ灰を襲ってきた。 空中を泳ぎ噛みつこうとする鮫をかわした。
「おわっ! 空中を泳ぐなんてありかよ!」
そう言いながら、灰は術式を唱えた。
「火行、炎戦輪乱舞《えんせんりんらんぶ》!」
大量の炎の輪が鮫に当たり穴が空いた。
「お主なかなかやるではないか!」
大陰に褒められ、
「ありがとよ!」
鮫の体は元に戻り空中を高速で移動してくると、ヒレが灰の服にかすり、服が溶けだした。
「当たったら、溶けるのかよ! 逃げても無駄か、なら!」
「全身どろどろに溶かしてやろうぞ!」
灰は術式を唱えた。
「火金水行、阿須羅王「あすらおう》!」
灰は金属の腕を四本つくり炎を纏った。 突進してくる鮫を四本の金属の腕で受け止めると、
「馬鹿め!このまま溶けるがいい!」
「そりゃどうかな!」
四本の腕が溶け鮫に入っていくと、鮫の体が固まり始めた。
「なっ! 何だ! 私が溶かした腕が!?」
「その腕はお前が溶かしたんじゃない、俺の熱で溶けた錫なのさ、そしてお前の中で冷えて固まり始めたんだ」
「......」
鮫は地面に落ちると動かなくなっていった。
「だめだな......もう、封印は解かれておる......」
「そうか、他のを探そう!」
大陰の言葉に灰はそう返して、走り出した。
「うずめよ、貴公、大丈夫か、この先は危険だ」
うずめは阿衣川に着いた。 横を飛ぶ小さな緑の龍、青龍《せいりゅう》が言う。
「大丈夫だよ青龍。 僕は必ず水瀞 漿を止めないといけないんだ......」
(そうだ、必ず......)
川を上流に走ると、滝が見えてきた。 その前に女性が二人いる。
「あれだ! あの後ろにいる者が人工霊獣だ! 今他の式神を呼ぶ」
「いや、僕が止める!」
止める青龍を振り切り、女の前に立ったうずめは、
「水瀞 漿はどこにいる! 答えろ!」
「......漿様を知っている? 貴様何者だ......」
女はその姿を大きな青い蟹に転じると、蟹は火を吹いて攻撃してくる。 うずめは術式を唱え、水の壁、水盾《すいじゅん》で防ぎつつ、水の戟、水戟《すいげき》で攻撃するも、固い殻に阻まれ飛び退いた。
「そんなものでは傷一つつかぬ」
「......みたいだね......」
うずめはそれでも、水弾を撃ち続ける。
「無駄だと言っておろうが!」
大きなハサミがうずめに迫る。 その時、うずめは術式を唱えた。
「水行、氷柱陣《ひょうしょうじん》!」
蟹の体が瞬く間に凍りついた。
「ま、まさか......水を我の体に撒くため攻撃を......」
「答えろ、水瀞 漿はどこにいる」
「クックッ......もう全ての封印は壊れた。 我らの王が甦る......」
「我らの王......」
「まずい! うずめ! よみが陰陽学園の地下で何かを感じると伝えてきておる!」
は青龍と走って向かった。
「神無! どうなっとるこれは!?」
貴人がそう言う、
「わからない、でも学園地下に何かが復活したのは間違いない! 早く行かないと!」
僕は誰かが見つけたであろう地下への道を走りながら言った。 その道は遥か昔に作られたもののようだった。
(強大な霊力が地下から感じる。 封印されてたもの? いや違うこれは......)
最下層につくと大きな部屋になっていて、奥で何かが戦っているよう凄まじい音と衝撃がきた。
奥で見たのは水瀞理事長と戦う、異形の獣の姿だった。 それは頭が猿、胴が狸、手足か虎、尾が蛇の獣だった
「あれは、鵺《ぬえ》じゃ! 源 頼政《みなもとのよりまさ》公と猪早太《いの はやた》に討たれた霊獣、あんなものを封印しておったのか!」
鵺は宙を飛びながら雷を纒い、水瀞理事長と戦っている。
見ると向こう側に一人の男が立っていた。
「父さん!」
その声に振り向くと、うずめと灰達がいた。
「うずめか......」
「父さん、何故こんなこと......」
「知れたことだ、ただ強さが欲しかった。 私は霊力が少なく、五行家には相応しくなかった。 お前が生まれて私は愕然とした、私など相手にもならない程の霊力と力を持っていた。 父上も息子もその力を持つのに私だけが力を持たない......だから力を欲したそれだけだ」
「そんな下らないことのために......」
「お前にはそうだろうが......同じ世代には多くの才能がある者がいた。 私がどれ程、努力しようとも並ぶことすら叶わない......この屈辱と劣等感がどれほどのものか、お前のように力ある者には力無き者の気持ちなどわかるはずもない!」
漿は絶叫した。
「それで、無名に鵺のことを聞いたのか!」
「ああ、あいつはここに鵺が封印されてることも、封印の場所も知っていた」
「だが残念だったな、理事長のじいさんが鵺をやっちまいそうだ」
灰の言うとおり、鵺がかなりのダメージを受けたのか、肩で息をしていた。
「漿よ、お主封印を守られると考え、ちいーと焦ったの、完全復活させるには早すぎたのじゃ」
そう水瀞理事長に言われた。 漿は口を歪ませると、
「いいえ......これでいいのですよ父上、私は研究のすえ人工霊獣には、核となる魂には術士が必要という結論に至りました。 そして無名の持ってた魂を移す秘術を用いれば......」
そう言うと手に水を集め鋭利にすると、術式を唱えると自らの首を切り倒れた。
「父さん!?」
うずめがそう言うと、鵺が苦しみだし地上に落ちると光る球体となった。
「まずい! あの球を皆攻撃するのじゃ!」
水瀞理事長の声で皆攻撃を行った。 だが光の球体はゆっくりと人影を映した。 それは人型となった鵺だった。
灰は黒土山に入り、隣を飛ぶ小さな式神、大陰に聞いた。
「うむ、確かにこちらより異様な霊力を感じるぞ。 心しろ」
山頂付近の沢にでると、何か霊力を放つ者とその後ろの男が見えた。
「あれだ! 灰よ、あの後ろの者が人工霊獣だ!」
灰が沢に降りると、
「何故ここが!」
男はその姿を大きな鮫に転じ灰を襲ってきた。 空中を泳ぎ噛みつこうとする鮫をかわした。
「おわっ! 空中を泳ぐなんてありかよ!」
そう言いながら、灰は術式を唱えた。
「火行、炎戦輪乱舞《えんせんりんらんぶ》!」
大量の炎の輪が鮫に当たり穴が空いた。
「お主なかなかやるではないか!」
大陰に褒められ、
「ありがとよ!」
鮫の体は元に戻り空中を高速で移動してくると、ヒレが灰の服にかすり、服が溶けだした。
「当たったら、溶けるのかよ! 逃げても無駄か、なら!」
「全身どろどろに溶かしてやろうぞ!」
灰は術式を唱えた。
「火金水行、阿須羅王「あすらおう》!」
灰は金属の腕を四本つくり炎を纏った。 突進してくる鮫を四本の金属の腕で受け止めると、
「馬鹿め!このまま溶けるがいい!」
「そりゃどうかな!」
四本の腕が溶け鮫に入っていくと、鮫の体が固まり始めた。
「なっ! 何だ! 私が溶かした腕が!?」
「その腕はお前が溶かしたんじゃない、俺の熱で溶けた錫なのさ、そしてお前の中で冷えて固まり始めたんだ」
「......」
鮫は地面に落ちると動かなくなっていった。
「だめだな......もう、封印は解かれておる......」
「そうか、他のを探そう!」
大陰の言葉に灰はそう返して、走り出した。
「うずめよ、貴公、大丈夫か、この先は危険だ」
うずめは阿衣川に着いた。 横を飛ぶ小さな緑の龍、青龍《せいりゅう》が言う。
「大丈夫だよ青龍。 僕は必ず水瀞 漿を止めないといけないんだ......」
(そうだ、必ず......)
川を上流に走ると、滝が見えてきた。 その前に女性が二人いる。
「あれだ! あの後ろにいる者が人工霊獣だ! 今他の式神を呼ぶ」
「いや、僕が止める!」
止める青龍を振り切り、女の前に立ったうずめは、
「水瀞 漿はどこにいる! 答えろ!」
「......漿様を知っている? 貴様何者だ......」
女はその姿を大きな青い蟹に転じると、蟹は火を吹いて攻撃してくる。 うずめは術式を唱え、水の壁、水盾《すいじゅん》で防ぎつつ、水の戟、水戟《すいげき》で攻撃するも、固い殻に阻まれ飛び退いた。
「そんなものでは傷一つつかぬ」
「......みたいだね......」
うずめはそれでも、水弾を撃ち続ける。
「無駄だと言っておろうが!」
大きなハサミがうずめに迫る。 その時、うずめは術式を唱えた。
「水行、氷柱陣《ひょうしょうじん》!」
蟹の体が瞬く間に凍りついた。
「ま、まさか......水を我の体に撒くため攻撃を......」
「答えろ、水瀞 漿はどこにいる」
「クックッ......もう全ての封印は壊れた。 我らの王が甦る......」
「我らの王......」
「まずい! うずめ! よみが陰陽学園の地下で何かを感じると伝えてきておる!」
は青龍と走って向かった。
「神無! どうなっとるこれは!?」
貴人がそう言う、
「わからない、でも学園地下に何かが復活したのは間違いない! 早く行かないと!」
僕は誰かが見つけたであろう地下への道を走りながら言った。 その道は遥か昔に作られたもののようだった。
(強大な霊力が地下から感じる。 封印されてたもの? いや違うこれは......)
最下層につくと大きな部屋になっていて、奥で何かが戦っているよう凄まじい音と衝撃がきた。
奥で見たのは水瀞理事長と戦う、異形の獣の姿だった。 それは頭が猿、胴が狸、手足か虎、尾が蛇の獣だった
「あれは、鵺《ぬえ》じゃ! 源 頼政《みなもとのよりまさ》公と猪早太《いの はやた》に討たれた霊獣、あんなものを封印しておったのか!」
鵺は宙を飛びながら雷を纒い、水瀞理事長と戦っている。
見ると向こう側に一人の男が立っていた。
「父さん!」
その声に振り向くと、うずめと灰達がいた。
「うずめか......」
「父さん、何故こんなこと......」
「知れたことだ、ただ強さが欲しかった。 私は霊力が少なく、五行家には相応しくなかった。 お前が生まれて私は愕然とした、私など相手にもならない程の霊力と力を持っていた。 父上も息子もその力を持つのに私だけが力を持たない......だから力を欲したそれだけだ」
「そんな下らないことのために......」
「お前にはそうだろうが......同じ世代には多くの才能がある者がいた。 私がどれ程、努力しようとも並ぶことすら叶わない......この屈辱と劣等感がどれほどのものか、お前のように力ある者には力無き者の気持ちなどわかるはずもない!」
漿は絶叫した。
「それで、無名に鵺のことを聞いたのか!」
「ああ、あいつはここに鵺が封印されてることも、封印の場所も知っていた」
「だが残念だったな、理事長のじいさんが鵺をやっちまいそうだ」
灰の言うとおり、鵺がかなりのダメージを受けたのか、肩で息をしていた。
「漿よ、お主封印を守られると考え、ちいーと焦ったの、完全復活させるには早すぎたのじゃ」
そう水瀞理事長に言われた。 漿は口を歪ませると、
「いいえ......これでいいのですよ父上、私は研究のすえ人工霊獣には、核となる魂には術士が必要という結論に至りました。 そして無名の持ってた魂を移す秘術を用いれば......」
そう言うと手に水を集め鋭利にすると、術式を唱えると自らの首を切り倒れた。
「父さん!?」
うずめがそう言うと、鵺が苦しみだし地上に落ちると光る球体となった。
「まずい! あの球を皆攻撃するのじゃ!」
水瀞理事長の声で皆攻撃を行った。 だが光の球体はゆっくりと人影を映した。 それは人型となった鵺だった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
【完結】後妻に入ったら、夫のむすめが……でした
仲村 嘉高
恋愛
「むすめの世話をして欲しい」
夫からの求婚の言葉は、愛の言葉では無かったけれど、幼い娘を大切にする誠実な人だと思い、受け入れる事にした。
結婚前の顔合わせを「疲れて出かけたくないと言われた」や「今日はベッドから起きられないようだ」と、何度も反故にされた。
それでも、本当に申し訳なさそうに謝るので、「体が弱いならしょうがないわよ」と許してしまった。
結婚式は、お互いの親戚のみ。
なぜならお互い再婚だから。
そして、結婚式が終わり、新居へ……?
一緒に馬車に乗ったその方は誰ですか?
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる