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第五十話
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「ふむ上だな...... かなり大きな魔力反応がある。 これ人か!? でも上に魔力が集まっていってるようだ」
魔力感知で調べた。
「どういうことだ? ここの人たちから魔力を集めてるってことか?」
マルキアはそう眉を眉間に寄せた。
「周囲からって感じだな。 まあたいした量でないよ」
「でもそんなに大きいなら危険じゃない。 魔力を増やすどころじゃないわ。 引き返しましょう」
アンナはそういう。
「そうだが...... 教団がわざわざここを聖地のようにしてるんだ、何かあるんだろう。 俺たちへの驚異にならないか確認はしないとな」
「確かに...... それでどうする? 上へは幹部たちしか入れん」
周囲をみながらマルキアはそういった。
「だったら隠蔽魔法しかないな。 これは衝撃なんかですぐ解けるから気を付けろよ」
隠蔽の魔法をかけて塔の上階へと向かった。
十階への階段についた。
「ここまで、なにもないな」
「ええ、ただの休憩部屋と倉庫ね」
「ならこの上か、もう頂上じゃないか」
俺たちが話していると上から話し声がきこえる。
「やはり、魔力が足りていません」
「......そのようですね。 少し出力をあげるしかありません」
階段を慎重にのぼる。
そこはおおきな一つの部屋となっており、さまざまな機械らしきものがある。 そして中央に巨大な球体があった。 その前で黒い服をきた司祭が座り、他の司祭と話しをしていた。
「これは機械かしら?」
「キメラの時のようだな」
「あれは!?」
「どうしたマルキア」
「間違いない...... あの赤い服の司祭、あれはSクラス冒険者のマルリッチだ」
「本当? でもあの人はとても優しく人格者だったはず......」
「ああアンナ、だから【聖人】の二つ名を持っている」
マルキアがそういうとアンナは困惑している。
(その聖人が怪しげな司祭に...... どういうことだ?)
「マルリッチさま。 これ以上出力をあげると、予想できないことが起こるかもしれませんが」
「仕方ありません...... 魔人の復活には必要なこと。 この世界はもはやどうにもならない。 ならば魔人を復活させ救済を求めるしかないのです」
「ですが......」
「......お願いします」
わかりましたというと司祭は他の司祭服のものたちに命じる。
「実験か......」
何か機械を司祭が操ると、座っているマルリッチの体が仄かに光る。
「これは...... 錬金術かしら」
アンナがそう小声でいう。
「止めるか!」
俺たちは姿を現した。
「な、なんなのです!? あなたたちは」
司祭たちが狼狽する。
「これ錬金術だよな。 なにを企らんでいる」
「た、企むなど、我らは魔人復活のためにこの施設を使っているだけです」
そう怯えながら司祭たちが弁明する。
「この人たちクズなの?」
「いや、そんな感じはしないな...... どうやって魔人を復活させるつもりだ」
アンナにそう答えた。
「この装置は魔力を少しずつ周囲から集め、それを圧縮放出するのです。 その放出された圧縮された魔力を器であるマルリッチさまに集め魔人を作り出します。 しかし......」
司祭の一人は心配そうにマルリッチをみながらいう。
「魔人を人為的につくる!?」
「......元々魔人はこのシステムを使って作り出されたもの......」
その時静かにマルリッチが話し出す。
「もうこの世界は生きていくことにつかれたものたちで溢れているのです。 貧困、戦争、差別、誰もが限界に達しつつある...... 私が魔人となればその悩みを解決できる...... うっ、ぐっ、ぐわぁ!!」
マルリッチが苦しみだす。
「おかしい! システムを止めるのだ!」
「止めてはいけない!! 魔力が、もうすぐ! 魔人になれる...... 人を救える...... ぐっ、がぁああああああああ!!!」
マルリッチの体が更に光りその体は大きく変異していく。
「おかしい!! 止めろ!」
司祭がそういうと、みなが慌てて操作している。
そうしている間にもマルリッチは苦しみ、ついには翼がはえ、その体は赤く変色していった。
「グオオオオオ!!!」
そう咆哮すると、機械を吹き飛ばした。
「ぐはっ! マルリッチさま!!」
「ぐっ、許せ! 許さん!! この愚かな世界!! きれいな世界!! 人間を!! 救う! 滅ぼす! 全部!! 全部!!!」
「なんだ!? どうなってる!!」
俺が司祭の一人を捕まえる。
「わからない!! 魔力が影響して精神に変異をきたしたとしか......」
「グオオオオ!! 滅べ!! 私を! 苦しませる! なにもかも!!」
マルリッチが翼を羽ばたかせ、屋根をつきやぶって空にあがった。
「消え去れえええ!!」
マルリッチの口の前に光の渦が集まる。
「魔力ブレスか!! やべえ! マルキア!」
「ああ、リフレクト!!!」
「カアアアアアア!!」
光のブレスが放たれる。
マルキアのリフレクトがそれを防いだ。
「ぐっ! バカな押される! 跳ね返せない!!」
「もう少しまて!! よしできた!」
リフレクトを突き抜けた光りに、玉をなげる。
その光が玉へと吸い込まれた。
「アンナ!!」
「しかたないわ!!」
アンナが操魔の短刀《マジックナイフ》を空へと伸ばしてマルリッチに叩きつける。 マルリッチは目の前へと落ち塔が揺れる。
俺は吸魔玉《ドレインスフィア》を地面にめり込んだマルリッチに投げる。
「グワアアアアア!」
マルリッチの赤い光が玉へと吸い込まれていく。
元の姿にもどったマルリッチだったが、そのまま動くことはなかった。
魔力感知で調べた。
「どういうことだ? ここの人たちから魔力を集めてるってことか?」
マルキアはそう眉を眉間に寄せた。
「周囲からって感じだな。 まあたいした量でないよ」
「でもそんなに大きいなら危険じゃない。 魔力を増やすどころじゃないわ。 引き返しましょう」
アンナはそういう。
「そうだが...... 教団がわざわざここを聖地のようにしてるんだ、何かあるんだろう。 俺たちへの驚異にならないか確認はしないとな」
「確かに...... それでどうする? 上へは幹部たちしか入れん」
周囲をみながらマルキアはそういった。
「だったら隠蔽魔法しかないな。 これは衝撃なんかですぐ解けるから気を付けろよ」
隠蔽の魔法をかけて塔の上階へと向かった。
十階への階段についた。
「ここまで、なにもないな」
「ええ、ただの休憩部屋と倉庫ね」
「ならこの上か、もう頂上じゃないか」
俺たちが話していると上から話し声がきこえる。
「やはり、魔力が足りていません」
「......そのようですね。 少し出力をあげるしかありません」
階段を慎重にのぼる。
そこはおおきな一つの部屋となっており、さまざまな機械らしきものがある。 そして中央に巨大な球体があった。 その前で黒い服をきた司祭が座り、他の司祭と話しをしていた。
「これは機械かしら?」
「キメラの時のようだな」
「あれは!?」
「どうしたマルキア」
「間違いない...... あの赤い服の司祭、あれはSクラス冒険者のマルリッチだ」
「本当? でもあの人はとても優しく人格者だったはず......」
「ああアンナ、だから【聖人】の二つ名を持っている」
マルキアがそういうとアンナは困惑している。
(その聖人が怪しげな司祭に...... どういうことだ?)
「マルリッチさま。 これ以上出力をあげると、予想できないことが起こるかもしれませんが」
「仕方ありません...... 魔人の復活には必要なこと。 この世界はもはやどうにもならない。 ならば魔人を復活させ救済を求めるしかないのです」
「ですが......」
「......お願いします」
わかりましたというと司祭は他の司祭服のものたちに命じる。
「実験か......」
何か機械を司祭が操ると、座っているマルリッチの体が仄かに光る。
「これは...... 錬金術かしら」
アンナがそう小声でいう。
「止めるか!」
俺たちは姿を現した。
「な、なんなのです!? あなたたちは」
司祭たちが狼狽する。
「これ錬金術だよな。 なにを企らんでいる」
「た、企むなど、我らは魔人復活のためにこの施設を使っているだけです」
そう怯えながら司祭たちが弁明する。
「この人たちクズなの?」
「いや、そんな感じはしないな...... どうやって魔人を復活させるつもりだ」
アンナにそう答えた。
「この装置は魔力を少しずつ周囲から集め、それを圧縮放出するのです。 その放出された圧縮された魔力を器であるマルリッチさまに集め魔人を作り出します。 しかし......」
司祭の一人は心配そうにマルリッチをみながらいう。
「魔人を人為的につくる!?」
「......元々魔人はこのシステムを使って作り出されたもの......」
その時静かにマルリッチが話し出す。
「もうこの世界は生きていくことにつかれたものたちで溢れているのです。 貧困、戦争、差別、誰もが限界に達しつつある...... 私が魔人となればその悩みを解決できる...... うっ、ぐっ、ぐわぁ!!」
マルリッチが苦しみだす。
「おかしい! システムを止めるのだ!」
「止めてはいけない!! 魔力が、もうすぐ! 魔人になれる...... 人を救える...... ぐっ、がぁああああああああ!!!」
マルリッチの体が更に光りその体は大きく変異していく。
「おかしい!! 止めろ!」
司祭がそういうと、みなが慌てて操作している。
そうしている間にもマルリッチは苦しみ、ついには翼がはえ、その体は赤く変色していった。
「グオオオオオ!!!」
そう咆哮すると、機械を吹き飛ばした。
「ぐはっ! マルリッチさま!!」
「ぐっ、許せ! 許さん!! この愚かな世界!! きれいな世界!! 人間を!! 救う! 滅ぼす! 全部!! 全部!!!」
「なんだ!? どうなってる!!」
俺が司祭の一人を捕まえる。
「わからない!! 魔力が影響して精神に変異をきたしたとしか......」
「グオオオオ!! 滅べ!! 私を! 苦しませる! なにもかも!!」
マルリッチが翼を羽ばたかせ、屋根をつきやぶって空にあがった。
「消え去れえええ!!」
マルリッチの口の前に光の渦が集まる。
「魔力ブレスか!! やべえ! マルキア!」
「ああ、リフレクト!!!」
「カアアアアアア!!」
光のブレスが放たれる。
マルキアのリフレクトがそれを防いだ。
「ぐっ! バカな押される! 跳ね返せない!!」
「もう少しまて!! よしできた!」
リフレクトを突き抜けた光りに、玉をなげる。
その光が玉へと吸い込まれた。
「アンナ!!」
「しかたないわ!!」
アンナが操魔の短刀《マジックナイフ》を空へと伸ばしてマルリッチに叩きつける。 マルリッチは目の前へと落ち塔が揺れる。
俺は吸魔玉《ドレインスフィア》を地面にめり込んだマルリッチに投げる。
「グワアアアアア!」
マルリッチの赤い光が玉へと吸い込まれていく。
元の姿にもどったマルリッチだったが、そのまま動くことはなかった。
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