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裏切り
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「来名! お前ミスってんじゃねーか」
「まあ静かに太陽、誰にでも失敗はあるよ、すぐ入力し直せば、帰れるし......」
僕は自分を落ち着かせるように言った。
「そうだよ、竜も近くにはいないみたいだし、ねえ、まなちゃん」
そう要さんが声をかけるも、来名さんは下を向いて答えなかった、
「まなちゃん......?」
「ごめん、ゆうき......」
そう言うと、来名さんは杖を地面に突き立て唱えた。
縛索の石蔓
地面から石の蔓が生えて僕たちは絡めとられ動けなくなった。
「皆は帰って、わたしにはやることがあるの.......」
「何が! まおちゃん」
「おい! 来名!」
「どうした! 来名さん!」
皆がそう言う中、来名さんは歩きだし少し止まると、
「あんたちとの探索......まあまあ楽しかったわ」
とだけ言うと、走り去った。
「追いかけないと、これなんとかはずせない! とおるくん!」
じたばたしながら、要さんがいった。
「すぐ枯れるけど追いかけちゃだめだ」
「なんでだ! 竜に襲われたら死ぬぞ!」
珍しく動揺した太陽に、
「よく見ろ、この町、迷路みたいに入り組んでる、追いかけてもすぐに見つけられないし、行ったのは奥に見える塔のだとは思うけど、もし行って間違った場合、来名さんが用を済まして帰ってきたら、入れ違いになる。
それに竜はあの塔には入れないだろうから、もし竜に見つかって戦いになったら、場所もすぐにわかるはずだろ」
「なるほど、確かに......」
そう言うと、太陽は幾分か落ち着いたようだった。
「彼女の目的を考えていたんだけど......」
「エリクサーしかないんじゃないかな......」
そう要さんがいい、
「となると、意識不明になってる穂唱麻央さんか......」
「間違いない確実にそうだ、あいつの姉貴だったのか.......」
「まだ決まった訳じゃ......」
僕が言うと、太陽は
「いや間違いない! 昔見た穂唱麻央グラビアが、あいつと胸以外は同じだったんだ! おれとしたことが、気づかないなんて......くっ!」
「そんなのでわかるんだ」
要さんが驚いてたが、
「いや特別、太陽だけだよ」
僕は答えた。
「それよりも、来名さんがなぜ100階のコードを知ってたんだろう.......」
「お姉さんから教えてもらったのかも」
「そうだね、それに迷いなく走っていったから、エリクサーの位置も、聞いてたのかも知れない」
その時、絡んでいた蔓が枯れて砕けた。
「よし二人はここに残り一人帰って救助を要請しよう、ぼくと太陽が残るから、要さんは帰って、ぼくにはとっておきが.......」
「ごめん! わたしやっぱり探してくる! 必ず帰るから」
話し終わらないうちに要さんは、走り出していった。
「待ってダメだ!! 太陽! 連れ戻して僕じゃ追い付けない!」
太陽は動かなかった、そして唐突に、
「おれさ、野球してたろ」
「なに言ってんの! こんなとき......」
「でも交通事故に遭って野球できなくなってよ......
そしたら心の中に何にもなくなっちまったんだ、
だから探索者を目指した、新しい夢を探す為に......」
「人間ってさ夢が必要なんだよな、叶わなくったってさ、そして、今おれは手に入れたんだ大切な夢、仲間の......」
「太陽......」
「来名のおっぱいを合法的にさわれる権利をなあ! 待ってろ来名! 絶対さわってやるからなー!」
そう言いながら、太陽は走っていった。
「お前だけは竜に踏み潰されろーーーー!!」
僕はそう叫んだ。
「まあ静かに太陽、誰にでも失敗はあるよ、すぐ入力し直せば、帰れるし......」
僕は自分を落ち着かせるように言った。
「そうだよ、竜も近くにはいないみたいだし、ねえ、まなちゃん」
そう要さんが声をかけるも、来名さんは下を向いて答えなかった、
「まなちゃん......?」
「ごめん、ゆうき......」
そう言うと、来名さんは杖を地面に突き立て唱えた。
縛索の石蔓
地面から石の蔓が生えて僕たちは絡めとられ動けなくなった。
「皆は帰って、わたしにはやることがあるの.......」
「何が! まおちゃん」
「おい! 来名!」
「どうした! 来名さん!」
皆がそう言う中、来名さんは歩きだし少し止まると、
「あんたちとの探索......まあまあ楽しかったわ」
とだけ言うと、走り去った。
「追いかけないと、これなんとかはずせない! とおるくん!」
じたばたしながら、要さんがいった。
「すぐ枯れるけど追いかけちゃだめだ」
「なんでだ! 竜に襲われたら死ぬぞ!」
珍しく動揺した太陽に、
「よく見ろ、この町、迷路みたいに入り組んでる、追いかけてもすぐに見つけられないし、行ったのは奥に見える塔のだとは思うけど、もし行って間違った場合、来名さんが用を済まして帰ってきたら、入れ違いになる。
それに竜はあの塔には入れないだろうから、もし竜に見つかって戦いになったら、場所もすぐにわかるはずだろ」
「なるほど、確かに......」
そう言うと、太陽は幾分か落ち着いたようだった。
「彼女の目的を考えていたんだけど......」
「エリクサーしかないんじゃないかな......」
そう要さんがいい、
「となると、意識不明になってる穂唱麻央さんか......」
「間違いない確実にそうだ、あいつの姉貴だったのか.......」
「まだ決まった訳じゃ......」
僕が言うと、太陽は
「いや間違いない! 昔見た穂唱麻央グラビアが、あいつと胸以外は同じだったんだ! おれとしたことが、気づかないなんて......くっ!」
「そんなのでわかるんだ」
要さんが驚いてたが、
「いや特別、太陽だけだよ」
僕は答えた。
「それよりも、来名さんがなぜ100階のコードを知ってたんだろう.......」
「お姉さんから教えてもらったのかも」
「そうだね、それに迷いなく走っていったから、エリクサーの位置も、聞いてたのかも知れない」
その時、絡んでいた蔓が枯れて砕けた。
「よし二人はここに残り一人帰って救助を要請しよう、ぼくと太陽が残るから、要さんは帰って、ぼくにはとっておきが.......」
「ごめん! わたしやっぱり探してくる! 必ず帰るから」
話し終わらないうちに要さんは、走り出していった。
「待ってダメだ!! 太陽! 連れ戻して僕じゃ追い付けない!」
太陽は動かなかった、そして唐突に、
「おれさ、野球してたろ」
「なに言ってんの! こんなとき......」
「でも交通事故に遭って野球できなくなってよ......
そしたら心の中に何にもなくなっちまったんだ、
だから探索者を目指した、新しい夢を探す為に......」
「人間ってさ夢が必要なんだよな、叶わなくったってさ、そして、今おれは手に入れたんだ大切な夢、仲間の......」
「太陽......」
「来名のおっぱいを合法的にさわれる権利をなあ! 待ってろ来名! 絶対さわってやるからなー!」
そう言いながら、太陽は走っていった。
「お前だけは竜に踏み潰されろーーーー!!」
僕はそう叫んだ。
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