芥川繭子という理由

新開 水留

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8「役者たち 1」

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2016年、4月某日。



ビデオカメラに映っているのはレコーディング風景だ。
おそらく次のアルバムに収録されるであろう楽曲の仮レコーディング。
今後の練習や実演の手応えによってどんどんと曲が様変わりしていくため、途中で何度も仮音源のレコーディングを行っては、それをまた壊すという作業が繰り返されるそうだ。彼らにとってプライベートスタジオは成功の証ではなく、楽曲制作において必要不可欠な設備なのである。
今まさに、録音ブースに入っている池脇竜二の姿を全く無視して、機材操作側の部屋では面白い試みが行われようとしていた。
ギターを持った伊澄翔太郎が立っている。
その右側に神波大成が座り、左側には芥川繭子。
少し離れた背後にカメラを持った私、時枝がスタンバっているのだが、
3人の背中が並んでいるのを撮っているだけで気持ちが高揚するのを抑えられない。
実際に今から、伊澄翔太郎という男がどれほど凄いテクニックを持っているかを見せてくれるという。
池脇が仮ボーカル録りをする部屋の反対側で、同時に演奏を始めて最後まで止めずに完走しきると言うのだ。
ちなみにまだライブで演奏した事がなく、そもそも曲の全体像が出来上がったのが、昨日だという。
しかも伊澄の演奏を録音するわけではなく、出来立てほやほやの曲を一度も間違えずに弾けるかどうかの、言わばお遊びだ。
伊澄は全く緊張した様子もなく、リラックスした立ち姿でじっと池脇を見ている。
口元にはうっすらと笑みさえ浮かんでいる。
「はい、いきまーす」小さく合図が聞こえる。
カンカン、カンカンカンカン。
甲高い電子リズムが鳴る。

ギルギルギルギルギルギルギルギルギル。

始まった!
録音ブース内ではない為、ボリュームは抑え気味である。
しかし一気に鳥肌が立ち、体温が2度上昇する。
心臓が早鐘を打ち、緊張で立ちくらみを起こしそうだ。
なんて速い曲なんだ!信じられない!
例えるなら、スレイヤーのアルバム「REPENTLESS」収録の3曲目、「Take Control」に印象が似ているだろうか。
イントロからえげつない高速ピッキングでリフを繋いでいく。
これで最後まで行くつもりか? いやまさか、イントロだけだろう?
両脇の2人は余裕の笑みを浮かべながら、間近で伊澄のプレイを見つめている。
些細なミスも見逃さぬよう監視でもしているのか、それとも見惚れているのだろうか。
どちらにせよ、見慣れたものを見ている時の表情だというのは確かだ。
当の伊澄は2人の視線に晒されながらもリラックスした姿勢を崩さない。
ただそこに立ち、ただギターを鳴らしている。
超、高速でだ!
驚いた事に、池脇のボーカルが始まり、強烈な2人のユニゾンになってからもピッキングの速度が落ちなかった。
ということは全編そのまま弾き切る曲ということなのだろう。
見ているだけで息が止まりそうだ。
私はこの時この曲がどの程度の長さで、どのような構成かは知らない。
まるでシンクロするかのように部屋を隔てて池脇と共演する伊澄の凛とした立ち姿は、
体の一番深い所からやって来る震えでどうにかなってしまいそうなほど格好良い。
神波の表情から察するに、まだ伊澄は間違えていない。
しかしだんだんと、両脇の2人の表情がおかしくなってくる。
本当に最後までこのままいくの?
昨日出来た所だぞ。
いくら翔太郎とはいえそこまでは出来過ぎだろう。
といった事でも考えているのだろうか。
どうやらストップアンドゴーを多用した、
Aメロ、サビ、Bメロ、サビ、Aメロ、サビ、サビ。
という単純な構成のようだ。
構成は単純だがリフの多さ、速さが驚異的である。
繭子の頬が紅潮してきた。
ラストが近いのかもしれない。
一度、伊澄が足を少しだけ開いた。
それでも、特に強張っている様子はない。
最後に彼は『初めて』自分の手元を見た。
フックの多い高速リフで畳みかける。
クラクラする。
これは名曲だ!間違いない!
池脇の絶叫が曲の終わりを告げる。
最後のリフに突入した。
繭子が両手で口を覆う。
神波が苦笑してのけ反った。

ギュルルル、ル!

「くっそ、まじかお前」
「すごおおお!嘘ーーお!」
伊澄は何も言わずに池脇を見つめて、顔の前で拳を握った。
「オッケー!」
池脇は笑って手を叩いた。
この目で見たはずなのに、未だ信じられない。
この男、本当に人間なのか?





2016年、4月某日。


注意しなければ気づかないかもしれないが、神波大成は物凄く細い。
楽器を持っていなければモデルかと見紛う程スタイルが良い。
しかし両方の腕、手首から肘までは意外にも太い。
押弦とピッキングで鍛えられたその腕力は、腕相撲だけならメンバー内最強だという。
-- 細すぎるせいですかね。そんな風に見えないですよ。
「ずっと竜二が強かったんだけどね。こないだ初めて勝ったよ、あの筋肉バカに」
-- ちなみに最弱は誰ですか。あ、繭子か。
「ん? 翔太郎」
「嘘つけ!」
遠くから聞こえてくる伊澄の声。
それらを見ていた繭子がカメラの前に立つ。
「カットで、ここはカットで」
彼女のアップ、笑顔。
-- あはは、はい。






2016年、4月某日。


「あ、来たよ」
と繭子。
雨の降る夜。
事故による交通渋滞に嵌った池脇竜二の、別の取材先からの戻り待ち。
機会があればご挨拶させて欲しいと兼ねてよりお伺いを立てていたURGAさんが、メンバーの到着より先に遊びに訪れた。
応接セットに座って談笑していた私は、繭子の言葉に振り返る。
大きな防音ガラスがはめ込まれた入口のドアの向こうに、J-POP界随一の歌声を持つ世界の歌姫、URGAが踊っている。
こちらに気づいて踊っているのではなく、踊りながらやって来たらしい。
かなり面白い女性のようだ。くるくる回っているせいで、一度見えなくなってしまった。
しかし次の瞬間ひとりでにドアが開いて(おそらくスタッフの誰かが開けた)、両手を高く上げて緩やかにスピンしたまま彼女が入ってきた。
フランス語だろうか、シャンソンのような歌を口ずさみながら近づいてくる。
私に気づいて軽く目を見開いたが、笑顔も、歌も止まらない。
私は立ち上がり、繭子も立ち上がる。
私達の前まで来て、ようやくURGAは歌と踊りと止め、腕と一緒に頭を下げた。
とてもオーガニックな良い匂いがした。
-- 時枝と申します。詩音社で編集者をしています。
「URGAです。初めまして」
「お久しぶりです」
と繭子。
「繭ちゃーん」
とURGAは肺活量と愛嬌に満ち溢れた声をあげて繭子に抱き着いた。
「ご機嫌ですねURGAさん、飲んでますか?」
「まだ飲んでないよ。飲もうとしてたらオリー(伊藤織江)から電話あって。今日ですよねって言われて、ああってなって。慌てて打ち合わせ抜けてきちゃいました」
「っはは、忘れてたんですね。大丈夫なんですか、向こう」
「あんまり時間はないかなぁ。少し先だけど大きいツアーが控えてるんだよね。今日はこちらの時枝さん?の面白い試みの話を聞きに来たのと、翔太郎くんを揶揄いに来ただけだから、すぐ戻るよ」
「練習見ていかないんですか?」
「うるさいし長いもの、君達の練習。残念だけどそんなに時間はないのよ、お姉さん忙しいからね」
「そうっすよね。竜二さん遅刻しちゃったし」
「らしいね。彼がいないと始まらないもんね。ところで、翔太郎くんは?」
「どこかで寝てると思いますよ、呼びましょうか?」
「帰りに探してみる。それはさておき、時枝さん、密着ですってね」
-- はい。一年間密着取材します。
「一年!? 情熱大陸でもそんなにやんないよ? ずーっとかかりっきり?あなた他の仕事は?」
-- もちろん他の仕事もやりながらなので、就業後とか休みの日にこちらにお邪魔してお話を伺ったり、撮影させてもらったりです。
「凄いねえ。じゃあ今、幸せだね」
-- …はい、とても!
一瞬返事が遅れてしまう程、衝撃を受けた。もちろん、「大変だね」などと同情されたかったわけではない。そういう反応ばかりを見て来たせいで、真芯を捉えて私の気持ちを言い当てられるとは、想像もしていなかったのだ。
-- URGAさんのエピソードも出てきますし、いつか少しでもお話をお伺い出来ると嬉しいです。
「去年のアルバムの事とか? もちろんだよー。話を盛って盛って面白おかしく話してあげようね」
-- ぜひ、普通にお話しを聞かせてください(笑)。
「いいのか? ストーリーテリングに定評のあるURGAさんの面白トークが聞けなくなっちゃうよ?」
-- 今から楽しみでなりません(笑)。
「あ、URGAさん、あれ」
繭子が入口を見やる。ドアの向こうに、真顔の伊澄が立ち尽くしている。入って来ようとしない。
「あ!」URGAはぱっと両腕を広げ、「おおーい!」
肺活量と愛嬌に満ちた声を上げながら小走りで入口に向かった。
伊澄が姿を消すと、そのままURGAも外へ飛び出していった。
「逃げるなー!」
という明るい声が遠ざかる。
「私あの人やっぱり好きだー」とお腹を押さえて笑う繭子。「部屋の中が一気に明るくなる気しない? こんな短い時間で、ホラ、いなくなっちゃうともう喪失感が漂ってるよね」
-- なんか寂しい空気になってるね。凄いパワフルだなー。
「ゆるふわ美人、明るい、声がデカイ、声が可愛い、面白い、歌が超ウマイ、ちょっとSっ気が強い、最高ー」
そう言って、繭子はケラケラと笑った。





同じ日の夜、遅く。練習後のスタジオにて。
いつか繭子から聞いた、伊澄翔太郎の恋人だという女性がスタジオに遊びに来た。
「お疲れさまでしたー」
と言いながら、スタジオのドアを開けて伊藤織江が入ってきた。その後ろから、背の高いショートヘアの美人が現れる。言葉以上の、超のつく美人である。繭子の可愛さとはまたジャンルが違うので比べられないが、ちょっと信じられないレベルの場違いさだ。昔からバンドマンの彼女は化粧っ気の強い美人と相場が決まっているが、しかし彼女は次元が違い過ぎる。
「オツカレ差し入れ肉まーん」
その美人は持って来たビニール袋を体の前に突き出して、いきなりそう言った。
彼女を振り返ったメンバーの表情がふっと緩んだのを、私は見逃さなかった。
楽器前の応接セットにメンバー全員が座り私だけが側に立っている格好だったので、すぐに新顔の私に気が付いたようだった。
「えーっと、時枝さん」
とその美人が名前で呼んでくれた事で、私は慌てて我に返った。。
-- 初めまして。あまりにお綺麗なので、びっくりしてご挨拶が遅れました。詩音社の時枝と申します。
「初めまして、関誠です」
と言って彼女は丁寧に頭を下げた。
-- え、やっぱり。え、やっぱり!
「なんで2回言ったの」
と笑う繭子。
-- 似てるなーとは思ったんですけど、まさかそんな。え、伊澄さんの?
当の伊澄本人は珍しく、所在無さげに視線を泳がせている。代わりに繭子がカメラに向かって紹介してくれた。
「恋人であり、正真正銘のモデルさんです」
-- ふわー、出版業界10年程いますけど、本物のモデルさんに初めてお会いしました。握手してください。っていうか、出来すぎじゃないですか。超絶ギタリストの恋人が同じく超のつく美人モデルとか、世間を敵に回すと思います。
(一同、笑)
「知るかそんなもん。知り合った時は別にモデルじゃないから」
「そうですよ、たまたまですよ」
伊澄と関誠が二人して顔を横に振る。
-- 恋人がしばらくしてモデルになったパターンですか、あー、それなら、あるある。ってないわ!
「うっせーな、仕事しろよ仕事」
(一同、笑)
興奮状態の私はそれでも関誠に話しかける。
-- お付き合いは、長いんですか?
「そうですね。10年ひと昔って言いますし、余裕で10年以上経ってるので、はい、昔から」
-- またゆっくりお話を聞かせてもらう事は出来ますか?
「名前とか出ちゃいますか?一応事務所通してもらって大丈夫なら、私の方は。ってかめっちゃ喋りたいし」
ニッコリ笑った顔が雑誌の表紙から切り取ったように格好良い。
-- ありがとうございます!嬉しいです。
「若い頃の繭子の話とか超したいです」
「嫌だ!」
慌てて繭子がカメラの前に立った。
-- あれ、どちらが年上とか聞いても?
関誠が小さく手を上げる。
「私です、今年31です」
-- 全然見えないです、私より年上でその陶器のような肌とか反則ですよ。
「いやー、もう20代前半の子達とは並びたくないですよ。ほんとに」
-- そんなそんな、全然20代前半に見えます。
「というかそんな事言い出したら繭子でしょう。この子を私はなんとかしたい。この腹立つくらい、磨かなくてもぴかぴかのダイヤをめっちゃ磨きたい」
そういって関誠は繭子の両肩をがっしりと掴む。繭子は遠慮がちな苦笑いを浮かべて、首から上だけを仰け反らせた。尊敬する伊澄の恋人相手ともなると普段私に対する態度とは異なるというわけだ。全くいつものキレがない。
「誠さんもたいがいしつこいなー」
「10年逃げ続けてるくせにー」
笑い合う二人の関係も、なんだか面白そうである。他のメンバーを無視したまま話続ける事に後ろめたさを感じて振り返ると、誰もこちらを見ていなかった。思い思い各自で話し込んでおり、関誠の存在が彼らにとっていかに当たり前なのかが理解できた。ひとしきり繭子と笑い合った後、関誠は普通に伊澄の隣に腰かけた。当然の事なのに、どきりとした。
「撮影?」
と尋ねる伊澄に、笑顔で頷き返す関誠。
「結構遅くまでやって…」
という言葉が聞こえた所で、私は彼らから意識を切り離した。なんだか見てはいけないようなプライバシーがそこにある気がした。カメラが回っている事を知った上での行動なのだと分かっていても、何故か私の方が照れてしまった。このスタジオ内で自分が女性である事を包み隠さない存在に、初めて出会ったからかもしれない。関誠はずっと見ていたくなるフォトジェニックだし、その隣には好奇心の尽きない天才が座っている。本来なら目を逸らすなど出来はしないはずなのだが、編集者でない人としての本能が、それを拒んだ。
何度かここでも記しているように、伊藤織江は神波大成の伴侶である。同姓ではないが、本人達から聞いているので間違いはない。しかしこのスタジオ内、このビル内でそれらしい2人の姿を見た事はないし、そもそも付き合っているのかも分からない絶妙な距離感を保っている。今もそうだ。伊澄と関誠が話を始めると、神波と池脇が楽曲の話を再開し、伊藤織江は私と繭子の間に立って、練習後の疲労回復には睡眠が一番だから今日はうちに泊っていくがよい、といった話を始めた。関誠のように、ぴったりと神波の横についてプライベートな話をしている場面を見た記憶は一切ない。誰よりも古くからメンバーの事を知っている伊藤だからだろう。神波ではなく彼女の方が、誰に対しても同様の接し方と距離を自分に義務付けているように見える。それでいて事務的な所もなく、誰にでも愛想が良くて朗らかで、身振り手振り話す仕草などはとても愛らしくてキュンとする。
そんな伊藤とは真逆の存在である、関誠。入って来た時の風変りな挨拶もさることながら、別段他のメンバーに気を遣うそぶりも見せずに伊澄の隣に座った。そしてそれを誰も気にしていない。
「オイ!」
急に池脇が声を出して、振り返った関誠とハイタッチした。それに続いて神波も。
「ぱーい!おーつ!」
パーン、パーンと軽快な音が2つ。そしてまた、関誠は伊澄と話を再開する。伊澄翔太郎の恋人だからという、『狐、虎の威を借る』という顔をしていないのもまた特筆すべき点だろう。所謂昔からいる「バンギャ」が彼女のような態度をとると、見ている他のファンにしてみれば鼻持ちならない筈なのだが、彼女にはそういった嫌味も高慢さもない。とても自然で、もともとそこにいたかのような治まり具合が感じられた。
そうか、この形が正解なのだと私は気が付いた。
それを言うなら、私がここにいることがおかしいのだ。
役者が揃ったとは、こういう時に使う言葉に違いない。




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