君の魂は砂糖のように甘すぎる ~"Your Soul,Too Sweet like Sugar"~

あなたのことを許さない。怪物に喰われ続ける私を見捨てたのだから。

あの頃、僕たちのすぐ隣で暗闇は生きていた。悪意を持てない少年メロスと暗闇に喰われ続ける少女かふかの懐かしくて哀しいジュブナイルホラー。

5月の連休初日。メロスが部屋で起きると母親は失踪していた。母の遺した一万円札を持ってモール型ショッピングセンターに行くと学校一の嫌われ者である永井かふかがクラスメイトにいじめられる場面に遭遇する。メロスはこっそりとかふかを助けるが、逆にかふかに逆恨みされ善意をつけこまれる。メロスにはかふかに決して逆らえない負い目があった…。

「メロスはかふかを見捨てた。かふかはメロスに殺されたの」

その夜、アパートのベランダで永井かふかが暗闇の怪物に生きたまま喰われるのをメロスは見る。それはまるで夕暮れの校舎で少女を見捨てたときと同じように―――。

ちょうど同じころ、モール型ショッピングセンターで幼児失踪事件が起きていた。かふかが言うにはその事件にはかふかを喰らっていたクラヤミの怪物、晦虫が絡んでいるという。
晦虫は人の悪意を喰らう。ショッピングセンターの奥に捕らわれた少女の絶望を美味そうに食べているが、もうじきその絶望の灯も消えるのだと。
少年は耳たぶを報酬に晦虫の毒である少女の助けを得ると、晦虫に捕らわれた女の子を助けに深夜のショッピングモールに潜入するのであった。そこで少年と少女が見たのは大人の悪意に寄生した晦虫の群れと巨大な晦虫の王、そして、■■の裏切り―――。

ヒトの悪意は怪物にとって蜜の味、じゃあ、ヒトの善意はどんな味?

※本作品はホラーです。性的描写、身体欠損など猟奇的描写はできるだけ抑えめにしていますが、人によっては不快と感じる描写が多数あります。ホラー、サイコサスペンスが苦手な方はご注意してお読みください。 
24h.ポイント 0pt
0
小説 192,194 位 / 192,194件 ホラー 6,814 位 / 6,814件

あなたにおすすめの小説

ゾバズバダドガ〜歯充烏村の呪い〜

ディメンションキャット
ホラー
主人公、加賀 拓斗とその友人である佐々木 湊が訪れたのは外の社会とは隔絶された集落「歯充烏村」だった。 二人は村長から村で過ごす上で、絶対に守らなければならない奇妙なルールを伝えられる。 「人の名前は絶対に濁点を付けて呼ばなければならない」 支離滅裂な言葉を吐き続ける老婆や鶏を使ってアートをする青年、呪いの神『ゾバズバダドガ』。異常が支配するこの村で、次々に起こる矛盾だらけの事象。狂気に満ちた村が徐々に二人を蝕み始めるが、それに気付かない二人。 二人は無事に「歯充烏村」から抜け出せるのだろうか?

ネズミの話

泥人形
ホラー
今の私は、ネズミに似ている。 表紙イラスト:イラストノーカ様

魔人狩りのヴァルキリー

RYU
ホラー
白田サトコ18歳ー。幼少の頃から不運続きで、何をやってもよくない方向に転がってしまうー。唯一の特技が、霊や異形の怪人の気配を感じたり見えると言う能力ー。サトコは、昔からずっとこの能力に悩まされてきた。 そんなある日の事ー。交通事故をきっかけに、謎の異能力を持つハンターの少女と遭遇し、護ってもらう代わりに取引をする事になる。彼女と行動を共にし悪霊や魔物と戦う羽目になるのだった。

水の巫女の助手になる

ぽとりひょん
ホラー
たすくは探偵事務所でアルバイトを始める。 しかし、来る依頼は一風変わっている、つまりオカルトじみていたのだ。 たすくは霊の世界に引き込まれていく。 怖い思いをしながら彼は仕事を続ける。 それは、所長の沙也加が、好みのタイプだったからだ。 沙也加は、龍神の巫女の血を引いており、水を操ることができる。 その力で、悪霊、妖怪を退治していく。 たすくには、隠れた才能があり、仕事を続けていくうちに彼はその力に気づく。 しかし、彼には、自分の力をコントロールできない。 力を発言するには煩悩しかない。 たすくは沙也加にスケベと言われながら力を振るう。 その力は、沙也加の師匠の敵、呪い屋の美月も巻き込んでいく。

魔力を失ってしまった魔法使い

才門宝句
ホラー
才門宝句のホラー短編集

写真は誰が撮った?

ミクリ21
ホラー
写真の話。

暗闇の記憶~90年代実録恐怖短編集~

MITT
ホラー
実話を元に再構成したホラー小説短編シリーズです。 90年代、仲間達と当時有名だった心霊スポット「相模外科」で体験した奇妙な出来事。 暗闇の恐怖……それを垣間見た記憶。 当時を懐かしく思いながら、書いた作品です。 今より、闇が多かった時代、1990年代の頃の実話ベースの作品集です。 なろう連載版では三編に分かれていたのを統合のうえで、アルファにて逐次投稿する予定です。 短期集中連載予定です。