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Lv.14 歩み寄りましょう。
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幸紀様と別居して迎えた平日。授業に出ようと準備していたら東雲から電話で連絡が来た。
『しずおちゃん大丈夫?ユキのこと怖くなってない?』
「問題ありません。監禁は初めてではありませんので」
答えると軽い笑い声が返ってきた。おそらく苦笑だろう。
割と長い付き合いだしそんなの言うまでもないだろうに。
「それより幸紀様の様子はいかがでしょうか。お元気にされてますでしょうか」
『元気だけどずっと不貞腐れてるよ。すぐしずおちゃんの所行こうとするから、聖と一緒に引き止めて気分転換に遊びに連れ回してた。疲れ果てたのか、今朝はぎりぎりまでぐっすり眠ってたみたい』
「あ、ありがとうございます」
安堵のため息が漏れた。幸紀様に鳳堂と東雲がいて本当に良かった。幸紀様が見捨てられなくて良かった。東雲には見えないだろうけどスマホ片手に頭を下げていた。
『でも、まー、あともう少し頭冷やした方がいいと思う。根本的な性格まではいきなり直さないだろうし、俺らの制止がなかったら今すぐしずおちゃんの方に行きたいんだろうけど。それだとまたおんなじ事繰り返しそうだし。今度は何がなんでもしずおちゃんから離れなくなるかもしれない』
甘やかし過ぎたらだめだよ、と東雲が念を押す。分かっている。幸紀様の為にならないし、介入してくれた鳳堂と東雲にも不義理だ。
『クラスで会っても簡単に近付かないように。できるなら会話も控えて。ユキには少し反省させないと』
む、無茶を言う。とてもやり通す自信がない。
どうしても幸紀様が心配になってしまう。そもそも私は幸紀様の使用人としてこの学園に入学しているのに。
「…善処します」
しかし私の立場上そういう他ない。幸紀様にとっても、私にべったりなのを続けるのは良くない。彼はもう孤独な幼児じゃなくて、体は成熟している男の子なのだ。異性との距離感を学んだ方がいい。
そんな訳で朝の準備もそこそこに私は自分のクラスに向かった。どんな顔して会えばいいのかずっと考えていたが、ついに分からなかった。
「しずお」
そして心の準備ができないままに、呼び止められた。振り返らないでも誰だか分かる。
「幸紀様」
呼び止められて、顔を上げる。たった二日なのに随分会わなかったように思う。
「会いたかったよ。ねぇ、こっちに来て。早く、はやくはやく」
幸紀様は愛くるしい笑顔だ。今すぐ駆け寄ってあげたい。しかし、今朝の東雲の言葉が脳裏によぎる。だめだ、ここで甘やかしたら幸紀様のためにならない。
「いえ、学校内では必要以上にお側には行けません。使用人といえども、これからは節度を持たせていただきます」
それに尽力してくれた鳳堂や東雲にも申し訳が立たない。
「なんで?僕、何か悪いことをした?しずおが他の人の所に行かないように閉じ込めるのって、そんなに悪いことなの」
幸紀様が首を傾げる。
ああ、私のせいだと思う。幸紀様の歪んだ認識を作ってしまのは私だと思う。本当に申し訳なく思う。この人を漫画原作どおりの化け物みたいな人にするところだった。そんな人間にはさせないと誓っていたのに。
「わたくしは古賀寧家の使用人です。幸紀様の私物ではありません。というか、人間が人間を所有して好きにできることなどできません」
真顔を作り毅然とした態度を取る。今までの甘やかしを取り返すように。
「うそつき」
幸紀が今まで聞いた事のないような低い声を出したので、ちょっと驚いてしまった。
「嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき。しずおの嘘つき。裏切り者。絶対に許さないから」
幸紀様の目は昏くてじっと私を睨んでいる。その目つきは紛うことなく私を憎んでいる。
「約束したのに、僕の人形になるって」
「幸紀様」
「しずおは僕だけのものなのに」
予鈴が鳴って、私の返事はかき消された。
私は一礼して自席につくために教室に入った。心臓がどくどく脈打っている。幸紀様を前にすると揺らいでしまいそうになる。でもでも、ここで私が折れたら幸紀様は更生できない。犯罪者になって断罪されてしまう。
◆
あれから、私はなるべく幸紀様に接触しないように心がけた。
教室でも生徒会でも。鳳堂や東雲が協力してくれたので、意外と何もなかった。幸紀様は強硬手段に出ることはなかった。安心した。そのあたりの感情を幸紀様は乗り越える事ができたのだろう。
幸紀様が近くにいないと、これ見よがしに陰口を叩かれたり嫌がらせを受ける事もでてきた。目に余るものは鳳堂達がなんとかしてくれたのだが、頼ってばかりもいられない。受け流したり無視するしかない。
「しずお、上履きは?」
スリッパでぺたぺた歩く私を見た赤跳さんが駆け寄ってきた。
多分捨てられた。今日はこのままにするとして明日はどうしようか。私が甘かった…。私物は置かないようにしよう。今私は何の後ろ盾もない無防備なただの庶民だ。油断しないようにしよう。赤跳さんがいてくれて良かった。一人でいるより大分マシだ。
「なくしてしまいました…これって購買部に申し込まないと購入できなかったですよね。確か」
「え。そうだったの!在庫あるのかな」
なかったらしばらくスリッパ生活かもしれない。地味にダメージがでかい。仕方がない、次はイタズラされるものとして用心しよう。
「ねぇ、それより今日も勉強教えてよー。中間まであと二週間切ってるんだし、やばいって」
そうなのである。例の残りの生徒会メンバーを試験上位者から指名するという奇抜な案は鳳堂のゴリ押しで現実のものとなった。
なので他生徒も勉強に熱が入っている。中等部の時など試験自体をバックれる生徒が多発していたというのに…。
肝心の原作ヒロイン赤跳さんは、勉強は苦手気味のようだ。理数系のセンスは悪くないのは救いだが、暗記が本当に苦手なようで地理日本史世界史と生物化学が致命的に弱い。まだ一年生前期なのを差し引いてもだ。
「…図書館行きましょう。私じゃそんなにお役に立てませんよ」
「えーわざわざ図書館なんて行かなくても部屋でいいじゃん」
「部屋だと無駄口止まらないじゃないですか、あなた」
なんだかんだで赤跳さんにも慣れた。彼女は設定普通の女の子で感覚も近いし、生活も雑なのを良く言うとおおらかで気安い。ネチネチとは程遠い明るい人柄で基本人に悪意を持たない。まぁ、いい子なのだ。友達とかこんな環境じゃなかったらかなり多いだろう。
「だって何か気を紛らわせないと頭おかしくなっちゃうし」
「それでよく学年トップ目指すとか…」
「お小言が多いな!しずおは」
雑談を軽く交えて図書館に行くと、本を読むスペース以外に学習室がありそこで勉強することにした。周りの目は冷ややかだ。司書さんの目もあるし鳳堂に報告される可能性もあるので表立っては何もされないであろう。
赤跳さんも気にしてはなさそうでもうノートと問題集を開いている。
「なんか臭くない?庶民ってやっぱりカビ臭いんだわ」「なんで我が物顔で図書館を使ってるんだよ、身の程知らずかよ」「ほんとにな。でてけよ、早く」
そうして「でーてけ」のコールが始まる。はぁ、とため息が出た。今日はなんだか判断を間違えてばかりだ。私は立ち上がって、隣の彼女の袖を軽く引っ張った。
「ごめん。赤跳さんやっぱり部屋に戻ろ…」
「しずお」
突然まったく異質な声が聞こえて、私はハッとして顔を上げた。幸紀様だった。幸紀様がいつの間にか後ろに立っていて慌てて振り返った。
「はい。上履き新しいの」
幸紀様は微笑みながら靴を渡してきた。私は驚きすぎて頭がまともに働かない。
「ありがとうございます…」と答えながら、なんで幸紀様がいらっしゃってるのか、靴を用意しているのか、なんで靴を無くしたことを知っているのか分からなかった。
「勉強してるの?そしたらサロンの部屋使うといいよ、今誰もいないから」
笑顔を張り付けながら幸紀様は矢継ぎ早にいう。
「なんでもしてあげるよ。頭がたりないこいつらを退学だって社会的な抹消だってしてあげる。くっだらない虐めや嫌がらせをした奴らだって同じ目にあわせるよ。しずおのためなら」
幸紀様の発言に周囲がシンと静まり返った。
「ゆ、幸紀さま」
「ねぇ。しずお、僕といるのはメリットがあるでしょう?そいつなんかよりもずっと。僕が隣にいれば嫌なことなんか他人にさせないし、僕が持っているものならなんでもあげる」
幸紀様はずっと笑っていたけれど、泣き崩れてしまいそうな脆さも重なる。私は直視できなくてつい俯いてしまった。
「僕を一人にしないなら何でもしてあげる。お願い、お願い、お願いしずお」
避けようとした両手を取られて、そのままずるずると引き摺られる。のを、寸前で歯を食いしばって足のうらに根を張って止める。待て、流されてはいけない。幸紀様の目はもう昏くなって寧ろ呪いみたいな禍々しいものが宿っていた。
「…ゆ、幸紀様!」
「なに?」
何か言わないと、この場の雰囲気を変えるような何かを。
私は頭が真っ白になっておりパニックになっていた。
「勉強を、勉強を教えてくれませんか?赤跳さんと私に!今回のテストが終わったら、もっ戻りますので」
どの道幸紀様とそんな長時間離れられる訳はないとは思っていた。私だってお一人にさせ続けるのはなんだか不安だ。
「え、どゆこと!?」
赤跳さんのツッコミが空中で破裂して粉々になっていた。
『しずおちゃん大丈夫?ユキのこと怖くなってない?』
「問題ありません。監禁は初めてではありませんので」
答えると軽い笑い声が返ってきた。おそらく苦笑だろう。
割と長い付き合いだしそんなの言うまでもないだろうに。
「それより幸紀様の様子はいかがでしょうか。お元気にされてますでしょうか」
『元気だけどずっと不貞腐れてるよ。すぐしずおちゃんの所行こうとするから、聖と一緒に引き止めて気分転換に遊びに連れ回してた。疲れ果てたのか、今朝はぎりぎりまでぐっすり眠ってたみたい』
「あ、ありがとうございます」
安堵のため息が漏れた。幸紀様に鳳堂と東雲がいて本当に良かった。幸紀様が見捨てられなくて良かった。東雲には見えないだろうけどスマホ片手に頭を下げていた。
『でも、まー、あともう少し頭冷やした方がいいと思う。根本的な性格まではいきなり直さないだろうし、俺らの制止がなかったら今すぐしずおちゃんの方に行きたいんだろうけど。それだとまたおんなじ事繰り返しそうだし。今度は何がなんでもしずおちゃんから離れなくなるかもしれない』
甘やかし過ぎたらだめだよ、と東雲が念を押す。分かっている。幸紀様の為にならないし、介入してくれた鳳堂と東雲にも不義理だ。
『クラスで会っても簡単に近付かないように。できるなら会話も控えて。ユキには少し反省させないと』
む、無茶を言う。とてもやり通す自信がない。
どうしても幸紀様が心配になってしまう。そもそも私は幸紀様の使用人としてこの学園に入学しているのに。
「…善処します」
しかし私の立場上そういう他ない。幸紀様にとっても、私にべったりなのを続けるのは良くない。彼はもう孤独な幼児じゃなくて、体は成熟している男の子なのだ。異性との距離感を学んだ方がいい。
そんな訳で朝の準備もそこそこに私は自分のクラスに向かった。どんな顔して会えばいいのかずっと考えていたが、ついに分からなかった。
「しずお」
そして心の準備ができないままに、呼び止められた。振り返らないでも誰だか分かる。
「幸紀様」
呼び止められて、顔を上げる。たった二日なのに随分会わなかったように思う。
「会いたかったよ。ねぇ、こっちに来て。早く、はやくはやく」
幸紀様は愛くるしい笑顔だ。今すぐ駆け寄ってあげたい。しかし、今朝の東雲の言葉が脳裏によぎる。だめだ、ここで甘やかしたら幸紀様のためにならない。
「いえ、学校内では必要以上にお側には行けません。使用人といえども、これからは節度を持たせていただきます」
それに尽力してくれた鳳堂や東雲にも申し訳が立たない。
「なんで?僕、何か悪いことをした?しずおが他の人の所に行かないように閉じ込めるのって、そんなに悪いことなの」
幸紀様が首を傾げる。
ああ、私のせいだと思う。幸紀様の歪んだ認識を作ってしまのは私だと思う。本当に申し訳なく思う。この人を漫画原作どおりの化け物みたいな人にするところだった。そんな人間にはさせないと誓っていたのに。
「わたくしは古賀寧家の使用人です。幸紀様の私物ではありません。というか、人間が人間を所有して好きにできることなどできません」
真顔を作り毅然とした態度を取る。今までの甘やかしを取り返すように。
「うそつき」
幸紀が今まで聞いた事のないような低い声を出したので、ちょっと驚いてしまった。
「嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき。しずおの嘘つき。裏切り者。絶対に許さないから」
幸紀様の目は昏くてじっと私を睨んでいる。その目つきは紛うことなく私を憎んでいる。
「約束したのに、僕の人形になるって」
「幸紀様」
「しずおは僕だけのものなのに」
予鈴が鳴って、私の返事はかき消された。
私は一礼して自席につくために教室に入った。心臓がどくどく脈打っている。幸紀様を前にすると揺らいでしまいそうになる。でもでも、ここで私が折れたら幸紀様は更生できない。犯罪者になって断罪されてしまう。
◆
あれから、私はなるべく幸紀様に接触しないように心がけた。
教室でも生徒会でも。鳳堂や東雲が協力してくれたので、意外と何もなかった。幸紀様は強硬手段に出ることはなかった。安心した。そのあたりの感情を幸紀様は乗り越える事ができたのだろう。
幸紀様が近くにいないと、これ見よがしに陰口を叩かれたり嫌がらせを受ける事もでてきた。目に余るものは鳳堂達がなんとかしてくれたのだが、頼ってばかりもいられない。受け流したり無視するしかない。
「しずお、上履きは?」
スリッパでぺたぺた歩く私を見た赤跳さんが駆け寄ってきた。
多分捨てられた。今日はこのままにするとして明日はどうしようか。私が甘かった…。私物は置かないようにしよう。今私は何の後ろ盾もない無防備なただの庶民だ。油断しないようにしよう。赤跳さんがいてくれて良かった。一人でいるより大分マシだ。
「なくしてしまいました…これって購買部に申し込まないと購入できなかったですよね。確か」
「え。そうだったの!在庫あるのかな」
なかったらしばらくスリッパ生活かもしれない。地味にダメージがでかい。仕方がない、次はイタズラされるものとして用心しよう。
「ねぇ、それより今日も勉強教えてよー。中間まであと二週間切ってるんだし、やばいって」
そうなのである。例の残りの生徒会メンバーを試験上位者から指名するという奇抜な案は鳳堂のゴリ押しで現実のものとなった。
なので他生徒も勉強に熱が入っている。中等部の時など試験自体をバックれる生徒が多発していたというのに…。
肝心の原作ヒロイン赤跳さんは、勉強は苦手気味のようだ。理数系のセンスは悪くないのは救いだが、暗記が本当に苦手なようで地理日本史世界史と生物化学が致命的に弱い。まだ一年生前期なのを差し引いてもだ。
「…図書館行きましょう。私じゃそんなにお役に立てませんよ」
「えーわざわざ図書館なんて行かなくても部屋でいいじゃん」
「部屋だと無駄口止まらないじゃないですか、あなた」
なんだかんだで赤跳さんにも慣れた。彼女は設定普通の女の子で感覚も近いし、生活も雑なのを良く言うとおおらかで気安い。ネチネチとは程遠い明るい人柄で基本人に悪意を持たない。まぁ、いい子なのだ。友達とかこんな環境じゃなかったらかなり多いだろう。
「だって何か気を紛らわせないと頭おかしくなっちゃうし」
「それでよく学年トップ目指すとか…」
「お小言が多いな!しずおは」
雑談を軽く交えて図書館に行くと、本を読むスペース以外に学習室がありそこで勉強することにした。周りの目は冷ややかだ。司書さんの目もあるし鳳堂に報告される可能性もあるので表立っては何もされないであろう。
赤跳さんも気にしてはなさそうでもうノートと問題集を開いている。
「なんか臭くない?庶民ってやっぱりカビ臭いんだわ」「なんで我が物顔で図書館を使ってるんだよ、身の程知らずかよ」「ほんとにな。でてけよ、早く」
そうして「でーてけ」のコールが始まる。はぁ、とため息が出た。今日はなんだか判断を間違えてばかりだ。私は立ち上がって、隣の彼女の袖を軽く引っ張った。
「ごめん。赤跳さんやっぱり部屋に戻ろ…」
「しずお」
突然まったく異質な声が聞こえて、私はハッとして顔を上げた。幸紀様だった。幸紀様がいつの間にか後ろに立っていて慌てて振り返った。
「はい。上履き新しいの」
幸紀様は微笑みながら靴を渡してきた。私は驚きすぎて頭がまともに働かない。
「ありがとうございます…」と答えながら、なんで幸紀様がいらっしゃってるのか、靴を用意しているのか、なんで靴を無くしたことを知っているのか分からなかった。
「勉強してるの?そしたらサロンの部屋使うといいよ、今誰もいないから」
笑顔を張り付けながら幸紀様は矢継ぎ早にいう。
「なんでもしてあげるよ。頭がたりないこいつらを退学だって社会的な抹消だってしてあげる。くっだらない虐めや嫌がらせをした奴らだって同じ目にあわせるよ。しずおのためなら」
幸紀様の発言に周囲がシンと静まり返った。
「ゆ、幸紀さま」
「ねぇ。しずお、僕といるのはメリットがあるでしょう?そいつなんかよりもずっと。僕が隣にいれば嫌なことなんか他人にさせないし、僕が持っているものならなんでもあげる」
幸紀様はずっと笑っていたけれど、泣き崩れてしまいそうな脆さも重なる。私は直視できなくてつい俯いてしまった。
「僕を一人にしないなら何でもしてあげる。お願い、お願い、お願いしずお」
避けようとした両手を取られて、そのままずるずると引き摺られる。のを、寸前で歯を食いしばって足のうらに根を張って止める。待て、流されてはいけない。幸紀様の目はもう昏くなって寧ろ呪いみたいな禍々しいものが宿っていた。
「…ゆ、幸紀様!」
「なに?」
何か言わないと、この場の雰囲気を変えるような何かを。
私は頭が真っ白になっておりパニックになっていた。
「勉強を、勉強を教えてくれませんか?赤跳さんと私に!今回のテストが終わったら、もっ戻りますので」
どの道幸紀様とそんな長時間離れられる訳はないとは思っていた。私だってお一人にさせ続けるのはなんだか不安だ。
「え、どゆこと!?」
赤跳さんのツッコミが空中で破裂して粉々になっていた。
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