ヤンデレ育成論

やぶへび悶々丸

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Lv.9 仕方ないですよね…

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なぜ幸紀様が原作でああなってしまったのか、私は前世で散々考察していた。

自分の感情が抑えられなかった。
鳳堂への嫉妬の気持ちがあった。
相手の気持ちを理解できないか、したくない。
性格が暗くて孤立しがちだった。
女の子への耐性がなかった。

想像していたそれらは、実際全部幸紀様には当てはまらなかった。

幸紀様は漫画で理解していたキャラクター像と大分違う。それは幼少期からよく見ていたからかもしれない。

ならば、後はどうすればいい。
何が狂気のヤンデレ化へのトリガーになっている…?

あとは…………性欲か。


幸紀様の将来がとても心配だ。特に性に関する部分が。もうずっと気がかりだ。



「おはよう」

幸紀様は毎日5時には目を覚ます。その時に大事なものも屹立なさっている。これをどうにかしなきゃならない。

「あ゛、ぁあ、あッ」

全然遠慮なく私を使う。寝起きなのに激しくする。出した後、乳房を強く噛みつかれ吸われる。揉みしだかれる。

その後シャワーを浴び、そこでもう一回背後から突かれる。幸紀様は避妊をした事がない。ラテックスが肌に合わないのだから仕方がない。私がピルを飲んでいる。絶対に飲み忘れなどできない。

髪を乾かし、朝食にする。食堂で食べられるのだが、幸紀様は混雑が苦手なので朝は自室で摂る。
部屋にはシンプルなキッチンが付いている。冷蔵庫もある。本当はもっとちゃんとした食事を摂ってほしいが、私が調理したものをご提供する。

幸紀様はあまり食事に拘りがなく、文句を言われた事がない。嫌いなものも特にはないようだ。手早く食べられるものを好まれる。
私も急いで食べる。この後片付けないといけない。のに、幸紀様に足先で股をぐりぐり弄られ、食後は大体服を着たまま抱かれる。

そして部活の朝練に出る。幸紀様は真面目なのでよっぽどじゃない限り欠かさない。
朝は参加人数も少なく静かに集中できるから、幸紀様は力を入れて練習なさる。
…私は疲れているので、少し座って休ませてもらう。

授業が始まり真面目に受けられる。この辺りは普通の高校生と変わらない。昼休みに一緒に食堂で食事をする。人目もあるし手を繋ぐのは遠慮したい。

授業が終わって、幸紀様は部活が始まるまで勉強なさる。邪魔しないように、私はその時は静かに居室の清掃や明日の朝食の準備をする。

「そんなの適当にしていいから、こっちに来て」

「そういう訳にも…」

幸紀様のお勉強の邪魔をしたくない。仕事も疎かにしたくない。じゃないと私が幸紀様のお側にいる意味がない。

「しずお。僕の命令を無視するの?」

幸紀様の声が低くなる。そうなると従う他ない。本当に怒り出す前に。

「今伺います」

そうして、側に行くと胸を齧られながら局部に性器が刺さっている。鼻息を荒くして幸紀様は私を激しく突いていた。一回出して幸紀様はまた勉強に戻るが、私は幸紀様の股間に顔を埋めて奉仕しなければならない。これって本当に集中できているのだろうか。

それから部活に行き通常通り練習をされる。ついさっきまで目をぎらぎらさせて乳房を握りつぶしていたのに、そんなのを全く感じさせない涼しい顔をしている。的にもよく中っている。

部活後の夕飯は最近は自室で召し上がる。
取り置きしておいた食事が運ばれてくるのだ。こういう所がセレブ校だなぁ、と思う。
食事か入浴後にもう一回性交される。その後、幸紀様はまた勉強される。その時、私も隣で自分の勉強をする。そろそろもう大人の知識が通用しなくなっているのだ。

夜10時頃に幸紀様は就寝されるが、未だに胸を吸わないとちゃんと寝ない。ここ数年はそこに手でしごいてあげるか、中出しさせる事がセットになる。
そうして一日が終わる。

数えてみると、一日計6回平均出されている。休日だと10回くらいだと思う。
これって大丈夫なのだろうか…。若いからという事で済ませて大丈夫なのだろうか。
私が前世で付き合っていた男は、一日1回どころか月1回くらいだった。自分でするのも週1回と言っていた。それに比べたらとんでもなく消耗しているのではと心配になる。

お疲れになってませんか、と幸紀様に聞いたら「何が?」と答えられた。
「我慢した方が辛いもの」と幸紀様は言うけれど…。一回お医者様にかかられた方がいいのでは。

幸紀様が暴走するきっかけとして考えられるのは、この性欲だ。それがせいぜい私に考えられうる事だ。

私がいるからか…?年頃の男子の周りを彷徨いているから良くないのだろうか。
それに、幸紀様の勉強に支障が出ないか心配だ。成績は学年1位をキープしているがけれども、この先は分からない。

来年、幸紀様は高等部になる。
私の方がまだ心の準備が出来てない。怖くて仕方がない。

「しずお、また何か考え込んでいる?何か心配事でもある?」

私の股の中に大事な精液を吐き出した幸紀様は、少し息を荒上げて聞いてきた。

「…しずおは、幸紀様が女の子と良い関係を築けるか心配です。そろそろ縁談もあるでしょうに」

またそれか、幸紀様はベッドに横たわり私の身体を抱き寄せた。

「別に今女の子はいらない。しずおとしてれば別に何かしたいとも欲しいとも思わない。縁談は断るよ、だって僕家出るから」

「またそんな事を…」

「それじゃあ、しずおがなって欲しい理想の人間じゃない?でも、しずおが前に言ってた幸せになるには、僕はそうしないといけないんだと思う。古賀寧に居続けたら僕はだめになる」

「幸紀様」

「どんなに頑張っても僕は兄様の代わりにならない。認められる事はない。それでも古賀寧に縛られ続けるのは苦しいよ」

幸紀様の目の中には絶望や諦めはないから、少し安心した。確かにその通りかもしれない。幸紀様が他人から大事にされて愛されて生きるには、古賀寧から出てもいいかもしれない。ただ汚いものに触れた事のない純粋培養のお坊ちゃんなので、心配は心配だけれど。

「ねぇ、しずお。しずおは僕が何にもない人になってもずっと一緒にいてくれる?」

私はいたいと思う。幸紀様のお側にいたいと思う。ずっとお世話してあげたいと思う。

「……」

だけど理由がない。私が幸紀様の隣にいる理由がない。だから何も答えられない。
私がいる事で幸紀様に不利益を与えてしまうかもしれない。

「……本当に独り立ちされた時にお答えします」

その時には幸紀様の気持ちも変わっているかもしれない。幸紀様が一人になっても古賀寧から望めば使用人は派遣されるだろう。それが私である必要などない。

「それは、それとして幸紀様。その…やはりしすぎではないですか?」

「何が?」

「その、いやらしい事を…」

「いやらしい事?」

「えっと……セックスを」

幸紀様は首を傾げた。そうかな?と微笑んで聞き返す。

「何?何を基準にそんな事いうの?誰かと比べてる?」

幸紀様の質問には「いえ、一般的に…」といった曖昧な答えしか答えられない。

「僕はそうは思わない。約束したよね、しずお。忘れたなんて言わせない。ずっと僕のお人形になるって。人形はそんな事言わないよ?しずおは僕のものだよね。生まれた時からそうなのに今更違うなんて言い出さないよね?」

そんな事したら本当の人形にしちゃうよ、と幸紀様は言葉を続けた。

「はい…」

もう何も言うことはできないのだと悟った。

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