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第4章
無能な統治者はぽい
しおりを挟むしばらく皇帝からの返答を待ったが唇を噛み締め、僕を睨みつけるばかりでまったく答える気がなさそうな様子が続いたので返答を待つことを止めることにした。
「無言は肯定と受け取っていい?それとも否定と受け取った方がいい?」
「っお、お前如きがこのラオイン帝国の王座を決める権限はない!!!」
最後の質問っと投げかけた言葉に返ってきたのは現状がまったく理解できていないとしか思えないものだった。
怯えているくせにここまで傲慢な態度を取れるところは素直に尊敬する。
「分かった。それが貴女の答えですね。」
わざとらしく溜息を吐いてみせて、僕は魔法を展開する。
「っな!何だこれは!ぐぅあああぁぁぁぁ・・・・」
「はい。終了。さてっと…第六皇子を此処に連れて来て。」
僕が展開した魔法は闇奈落。
もう戻せって言われても僕には戻せないし、生きているのか死んでいるのかも分からない。
使用者も良く分かっていない魔法だからあんまり乱用はできないけれど、あの皇帝には此処で生きてもらってちゃ困るんだから仕方ないよね。
周りにいた唖然としている使用人達に第六皇子を連れてくるよう命じると、皆我先にと慌てて走り出した。
「ルナイス。ラオイン帝国の魔法騎士達がこちらへ戻って来ている。」
第六皇子の登場をドラゴンの姿のホルス様を愛でながら待っていると、転移でノヴァが現れた。
どうやらラオイン帝国の魔法騎士達がシュバルツの本拠地から戻ってきたらしい。
本拠地に居る者達が負けるとは思えないから、一時退避したのか…それともこちらに僕達が向かった可能性があると勘付き国に戻る判断を下したのか…
どちらにしてもちょっと魔法騎士相手は面倒臭い。
「僕達は第六皇子の登場を待ってるんだけど…なかなか来ないんだよね。」
「…第六皇子はこちらへ向かおうとしているようだが、従者が止めているようだ。」
透視魔法で第六皇子の現状を視たのかノヴァがそう教えてくれる。
第六皇子の従者も腕が立つし忠誠心の厚い人物だと聞いているので、遅れている理由としては納得だが、こういう時に従者に足を引っ張られるようではいけない。
ヨハネス達だって一度は僕の安全の為に止めるだろうけど、僕が絶対に行くと言えばあとは護ることに専念して付いて来てくれるはずだ。
本当にとーさまは素晴らしい護衛達を僕に与えてくれたよね。
「僕の方から出向いてあげようかな。ね?ホルス様。」
『そうだな。ルナイス乗るといい。』
身を屈めてくれたホルス様にわーいっと乗り、ノヴァの腕も引っ張ってホルス様に強制的に乗せる。
そうして僕達はホルス様の背に乗って第六皇子の元へと向かった。
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【お知らせ】登場人物を更新しました。世界観など設定を公開しました。(R6.1.30)
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