王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。

薄明 喰

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第4章

突然の大きな音

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2番は僕達が魔力を籠めた魔力晶を回収するとさっさと何処かへ行ってしまった。



何に使うのかっと問うたけれど、おおよそ予想はついている。

呪術は影響の強いもの程、魔力の消費量が多くなる。
僕も呪うのではなく、呪いの方で呪術を使ってみたことがあるのだけれど、呪いの方でもかなりの魔力が持っていかれた。


ちなみに、闇属性に適合した魔力量が少ないもしくは皆無の者が呪術を行うと足りない魔力の分、生命力が削られるらしい。
だから呪術を使用することは好まれていないし、闇属性適合者が嫌われる理由の一端でもある。





彼等はああやって魔力量が多い者達から魔力を集めているのだろう。

せめてどんな呪術を扱おうとしているのかを知りたいが…警戒心が強いのは何も2番だけのことではない。



4番や5番も定期的に集団の様子を魔法を使って視ているし、3番も自身の管轄の者達を定期的にチェックしている。






1番の人は今のところ見ていないし、特別強い魔力も近くに感じないからたぶん何処かへ出ているのだろう。

そうだとすると…そろそろ戻ってくる頃だと思うんだけど…





ドォォオオオオン!!





色んなことを考えながら掃除に取り掛かっていると不意に大きな音が洞窟内に響き渡った。


ノヴァが何だか慣れた様子の近くの者達に何の音かっと尋ねると


「あぁ、お前らは新参者だから知らねーか。1番さんが怒ってんだよ。最近邪魔ばっかりされてるらしいからなぁ。あ!分かってると思うが1番さんに近づくなよ?」


殺されるぞっと首を絞める真似をした男にお礼を言って僕達は視線を交わす。







「どぉーなってんだ!?あぁ!?今日もお偉いご貴族共が邪魔しやがった!!おい5番!!」


「うるさ…自分の力不足だろ。」


「あぁ!?何だって!?殺すぞてめぇ!!!」



聞き耳をたてなくても聞こえてくる1番らしき者の大きな声。

誰かとやり取りをしている様子だが、相手の声は小さすぎて僕達の所までは聞こえてこない。





「闇属性適合者の弟が僕達が暴走させた魔獣に襲われたことで、アーバスノイヤー公爵家の裏部隊が動いているっぽいね。下手に行動すればこの場所がバレる。捕獲された者もいるようだし僕達のことは全部ではなくともバレていると思ったほうがいい。」



4番がそう言っていたのだと後にコルダから聞いた。


そして彼等がこの場所がバレる前に呪術を完成させるしかないっとも言っていたのだそうだ。







決起日は4日後。

コルダの見解では呪術を完成させるために5番が動き出すだろうっと。


そしてその考えは的中し、彼が数名の犠牲を出してでも呪術を完成させるつもりで、その犠牲者リストの中にはちゃっかり僕が含まれていた。







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【お知らせ】登場人物を更新しました。世界観など設定を公開しました。(R6.1.30)
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