王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。

薄明 喰

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第4章

にぃ様がこっそりとやったこと

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祝賀会が終わって宿泊しているお客様も寝静まった頃。



僕はにぃ様のベットに潜り込んでいた。







ナイ様がいるかなっと、少しドキドキしながらにぃ様の部屋の扉を叩くとにぃ様は驚きながらも快く僕を部屋に招き入れてくれた。

ナイ様は部屋にいなくてほっと息を吐いたが…婚前の2人が寝床を共にするはずがないと冷静になった頭で思い、自分の脳みその残念さに苦笑い。





「にぃ様。」


「ん?どうした。」



一緒のお布団の中でこっそりとにぃ様を呼ぶと、にぃ様はすぐに返事をしてくれる。

体も僕の方に向けて、小さい頃にしてくれたように額を撫でてくれるが気持ちいい。






「…ノヴァとの生活は楽しみです。楽しみだけど…とーさまやにぃ様と離れるのは寂しいです。」


「あぁ。俺も寂しい。」



明日、住み慣れた我が家を離れると思うと何だかすごく寂しい気持ちになって…耐えられなくてにぃ様の所へやってきたのだ。





新たな住まいでノヴァと暮らすのは本当に楽しみだし嬉しい。


だけどとーさまやにぃ様の気配のない家でこれから暮らすのだと思うと不安もある。





ノヴァが強力な結界を張ってくれているけど、どれくらい刺客を防いでくれるか分からないし

ノヴァととーさまが自ら厳選したから安心だろうけど…新たな使用人達が味方であると信用することができ、その気配に慣れるまでは安眠はできない。


そうして改めて、自分の中でとーさまとにぃ様の存在の大きさを知った。









「…実はな、お前達の家にアーバスノイヤー家と繋がる転移陣の部屋がある。」


「へ?」



ぎゅっと抱きしめ合っていると、にぃ様がすごく言いづらそうに言った言葉におまぬけな声が口からもれた。




「ノヴァに提案したら緊急時以外は事前の連絡を取ることを条件に設置を許可された。ので、寂しくなったらいつでも帰って来れる。」


「あー…ちなみに此処ではどの部屋に繋がって?」



「客室をひとつ潰した。」



「…なるほど。」




ちょっとどういう反応をしたらいいのか分からない。

にぃ様も微妙なお顔しているけど、たぶんこれを提案したのはにぃ様。


しかし、転移陣がにぃ様の部屋とかじゃなくてよかった。




ノヴァからの相談はなかったけど…たぶんにぃ様が口留めしたな。







でも






「安心しました。」


「…そうか。」







ノヴァを信頼していないわけじゃないけど、やっぱりにぃ様の安心感はちょっと他の人とは違うんだ。

だから色々深く考えるのを止めたら、安心って思いが残った。



でもまぁ…






極力使わないでおこうとは思ってます。








________


愛読、エール、いいね、コメントいつもありがとうございます!

人気キャラ投票…果たして需要はあるのか?と思いながら開催させていただきましたが
予想以上にコメントをよせていただけまして感涙しております^^

投票は5/31の本日24:00をもちまして終了とさせていただきます。


1~3位のキャラ番外編につきましては、6月中にあげる予定ですので気長にお持ちいただければ幸いです。


これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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