王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。

薄明 喰

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第3章

オスカル君の奮闘

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続いての障害物は魔獣うようよゾーン。


結界の中に入り込んだオスカル君は懐からナイフを取り出し、次々と魔獣の脳天に突き刺していく。

結界の中にいる魔獣はほとんどが幻影。


ただ、中には瘴気に染まりすぎた魔獣がいて学園長の遊び心と国のご都合がひっそりとある感じ。





瘴気に染まった魔獣を全て討伐したオスカル君は、やっと結界から出る。

長いこと進むことより魔獣と戦うことを楽しんだオスカル君は現在8位。



やっちゃったなーって顔をして次のゾーンへ。




次に現れたのは1本の吊るされた紐。

この不安定で細くて頼りない紐を使って次の障害物のところまでわたらないといけない。


ココでは風魔法で浮くこと、身体強化など一切の魔法が禁じられている。




その為、今までを魔法便りに進んできた生徒達はかなり苦戦していて何度も落ちて初めからやり直しになっている。


オスカル君はふーっと息を吐き出すと慌てることもなく慎重に1歩1歩紐の上を歩いていく。

ぷるぷると震える紐を渡るのは至難の業。



バランス感覚、体幹が問われる競技だ。








オスカル君は時間をかけてゆっくりと着実に進みきり、4位の位置に。




次の障害物、ドロドロすぎる沼でもオスカル君は上手に氷魔法を使って相手を去なしながら進んでいき一気に2位の位置へ。





次の障害物は弓矢が飛び交う箱。

飛んでいる弓矢を避けるか、壊すかどうにかしなければならない障害物だ。



しかも決して大きくはない箱の中で、自分だけではなく他の競技者も一緒に中に入れば弓矢へ放ったお互いの魔法がぶつかり良くて相殺、最悪爆発だ。

学園が許可を出してる障害物だから安全措置か何かがあると思うけれど、学生の取り組む競技にしては危険度が高すぎるのでは?





そうは思うけれど、箱の中に入ったオスカル君の表情は活き活きとしていて、他の競技者に遠慮なんて皆無の魔法をぶっ放している。

イラついた生徒がそんなオスカル君に向かって魔法を放ったり、ナイフを投げたりとするが、さらさら~っと避け、倍にして返して……




少しのかすり傷を負いながらもオスカル君は無事箱の外に一番に出たのである。







そして最後の障害物。

生徒から受ける日頃の鬱憤を晴らす気満々の教師陣。



他の競技者も居れば分散されるけれど、オスカル君以外の生徒は未だ箱の中で悪戦苦闘中。

エリアに足を踏み入れた瞬間、一斉にオスカル君へ向かって魔法と剣が放たれる。






しかし穏やかさの中に戦闘狂なるものを飼っているオスカル君。

自信へ向かって放たれる攻撃の数々にニッコニコの笑顔である。



昨日こうなる(集中攻撃)って分かっていて『絶対教師陣の所へは一番で辿り着く』と宣言し、有言実行しているのだから恐ろしい。





最初は楽しみながら応戦していたオスカル君だけど、途中から教師陣ゾーンを抜けてゴールへ向かわないといけないことを思い出したようで、前に進もうとするんだけど…さすがはアーナンダ国一の学園の教師達。

そう簡単には通してくれなくて、オスカル君の表情も段々と険しいものに変わっていく。


そうしているうちに他の競技者も教師陣ゾーンに突入して、オスカル君に集中していた攻撃が分散された。




そこで、一番新米の先生の脇をついてどおにかこうにか教師陣ゾーンから出たオスカル君は











2位だった。















実は皆がバチバチと教師陣とやりあっている間に隠密系の魔法を使って気配を極限までうすーーーーくした生徒がゴールしていたのだ。

内向的な性格をしているらしい彼は2位に悔しがるオスカル君をオロオロとして見ていたけれど、それに気が付いたオスカル君が彼に笑顔で話しかけたことでほっとした様子になり、穏やかな雰囲気でお話しだした。




オスカル君は戦闘狂で、負けず嫌いだけどもともとの性格は穏やかなのだ。

そして負けて悔しくても、勝った相手を尊敬し、学び次に活かすタイプ。






うん。

僕の友人であるのが嘘みたいな良い子だ。








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【お知らせ】登場人物を更新しました。世界観など設定を公開しました。(R6.1.30)
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