117 / 398
第2章
あのね、僕の秘密はね…
しおりを挟む
二人が誓約書にサインしたところで、まずとーさまは僕の口から二人にお話しするようにと言った。
二人に隠していたことを打ち明けるのはドキドキするけれど、不安はない。
「では…お二人に僕の秘密をお教えします。…実は、僕は闇魔法が使えます。」
「へぇ。……闇魔法ってどんな魔法だ?」
「え!?闇魔法も使えるんですか!?」
僕の発表にテトラ君は闇魔法って具体的になに?状態で、オスカル君は僕が授業で使っていた魔法以外にも使える魔法があるってことに驚いている。
予想通りの反応だなぁっと思いながらチラっととーさまに視線を向ければ、分かりにくいけど満足そうなお顔だと思います。
「とーさま、ドラゴンさんを出してあげてもいいですか?」
テトラ君達に闇魔法を見せるのも兼ねて、問題のドラゴン解放の許可をとーさまにお願いする。
「あぁ。では、裏の広場に移動しよう。」
とーさまの言葉で僕達はぞろぞろと広場に移動。
到着した広場は僕はあんまし来ない所。
でもきちんと綺麗に整えられていて、傍に植えられているお花も木もイキイキとしていて、空気美味め。
ドラゴンが現れても平気そうな広さですが、タイルとか抉れないか心配です。
チラッと橋の方にいる庭師と使用人に目配せすると小さく手で丸を作って見せてくれたので遠慮なくドラゴン召喚!しますね。
て言っても、そんなかっこいい演出はないんだけどね。
トントン
「ドラゴンさーん、でぇておいでぇ。」
雲で薄ら影ができた時に足先で自分の影をノックして呼びかける。
ギュイィイイイ!!
呼び掛けに応じてドラゴンがそれっぽい感じで影から出てきてくれる。
五月蝿すぎない雄叫び声です。
「「ぶ…ブラックドラゴン!?」」
声を大にしてそう叫んだのはヒュー様とオスカル君。
とーさまは何か遠い目をしていて、にぃ様はふむと何か考えている様子。
テトラ君は…無表情で瞬きもせず固まっていた。
『ふむ…お主が今のアーバスノイヤー当主か。』
ぐぐぅっと伸びをしたドラゴンは視界にとーさまを捉えるとじっと観察するように見ながらそう言った。
けど、とーさまにもドラゴンの声は聞こえない様で、大きなドラゴンにじっと凝視される状況に緊張しているのが伝わってくる。
それにしても…ドラゴンはアーバスノイヤー家についてよく知っている風な感じだけど、アーバスノイヤー家とドラゴンが関係あるだなんて聞いたことないし、家の歴史が記された書物でも見た覚えがない。
首を傾げながらドラゴンを見ていると、そんな僕の様子を見てにぃ様がドラゴンが何を言っているのか通訳するようにと言われたので、僕はとりあえずそのまま訳さずドラゴンがアーバスノイヤー家について知っているようだと伝えることにした。
「…祖先にとあるドラゴンと交流を持った者がいたようだっということだけは先祖代々当主にだけ伝えられてきている。…そのドラゴンだろうか?」
『如何にも。その者とは我が生きうる限りアーバスノイヤー家を見守ると約束したのだが、近くにいては両方にとって良くない結果となろうと言うことで、我との関係は当主のみが知り離れたところより危険な状況にのみ駆け付けるということになっていたのだ。もう何百年前の話であるがな。』
ドラゴンは昔を懐かしむ様に空を眺めながらアーバスノイヤー家と自身のことについて話してくれた。
そんな昔の約束事を今も守ってくれているのかっと驚きながらドラゴンの言葉をそのままとーさまにお伝えする。
「長きに渡りアーバスノイヤー家を見守ってくれたこと現当主であるルグノス・アーバスノイヤーより深く感謝申し上げる。」
話を聞いたとーさまはそう言うとドラゴンに深く頭を下げた。
本当は人目がある所でアーバスノイヤー家当主が頭を深く下げるところを見せることは望ましくないことだけれど、これについてワイアットがとーさまを止めることはなく、ワイアットも他の使用人も、僕とにぃ様もとーさまに習って頭を深く下げた。
ヒュー様達はこちらに背を向けて、見ていませんよーってしてくれている。
『面を上げよ。我が望んでやったことでもあるのだ。歴代の当主は皆強く、我が手を貸す必要はなかったがな。むしろこうして今、助けを乞うことになり情けない。』
ドラゴンさんの言葉をそのままの口調で通訳するのはちょっともじもじしてしまうけれど、ドラゴンの威厳の為にもそのまま伝えたほうがいいだろうとそのままお伝えする。
僕の口が『面を上げよ』と発するとばっと皆の頭が上がって、またもじもじ。
「我らにとっても重大な案件です。」
少し落ち込む様子のドラゴンさんにとーさまがそう声をかけると、ドラゴンはふっと多分笑って穏やかな声で「そうか」と言った。
二人に隠していたことを打ち明けるのはドキドキするけれど、不安はない。
「では…お二人に僕の秘密をお教えします。…実は、僕は闇魔法が使えます。」
「へぇ。……闇魔法ってどんな魔法だ?」
「え!?闇魔法も使えるんですか!?」
僕の発表にテトラ君は闇魔法って具体的になに?状態で、オスカル君は僕が授業で使っていた魔法以外にも使える魔法があるってことに驚いている。
予想通りの反応だなぁっと思いながらチラっととーさまに視線を向ければ、分かりにくいけど満足そうなお顔だと思います。
「とーさま、ドラゴンさんを出してあげてもいいですか?」
テトラ君達に闇魔法を見せるのも兼ねて、問題のドラゴン解放の許可をとーさまにお願いする。
「あぁ。では、裏の広場に移動しよう。」
とーさまの言葉で僕達はぞろぞろと広場に移動。
到着した広場は僕はあんまし来ない所。
でもきちんと綺麗に整えられていて、傍に植えられているお花も木もイキイキとしていて、空気美味め。
ドラゴンが現れても平気そうな広さですが、タイルとか抉れないか心配です。
チラッと橋の方にいる庭師と使用人に目配せすると小さく手で丸を作って見せてくれたので遠慮なくドラゴン召喚!しますね。
て言っても、そんなかっこいい演出はないんだけどね。
トントン
「ドラゴンさーん、でぇておいでぇ。」
雲で薄ら影ができた時に足先で自分の影をノックして呼びかける。
ギュイィイイイ!!
呼び掛けに応じてドラゴンがそれっぽい感じで影から出てきてくれる。
五月蝿すぎない雄叫び声です。
「「ぶ…ブラックドラゴン!?」」
声を大にしてそう叫んだのはヒュー様とオスカル君。
とーさまは何か遠い目をしていて、にぃ様はふむと何か考えている様子。
テトラ君は…無表情で瞬きもせず固まっていた。
『ふむ…お主が今のアーバスノイヤー当主か。』
ぐぐぅっと伸びをしたドラゴンは視界にとーさまを捉えるとじっと観察するように見ながらそう言った。
けど、とーさまにもドラゴンの声は聞こえない様で、大きなドラゴンにじっと凝視される状況に緊張しているのが伝わってくる。
それにしても…ドラゴンはアーバスノイヤー家についてよく知っている風な感じだけど、アーバスノイヤー家とドラゴンが関係あるだなんて聞いたことないし、家の歴史が記された書物でも見た覚えがない。
首を傾げながらドラゴンを見ていると、そんな僕の様子を見てにぃ様がドラゴンが何を言っているのか通訳するようにと言われたので、僕はとりあえずそのまま訳さずドラゴンがアーバスノイヤー家について知っているようだと伝えることにした。
「…祖先にとあるドラゴンと交流を持った者がいたようだっということだけは先祖代々当主にだけ伝えられてきている。…そのドラゴンだろうか?」
『如何にも。その者とは我が生きうる限りアーバスノイヤー家を見守ると約束したのだが、近くにいては両方にとって良くない結果となろうと言うことで、我との関係は当主のみが知り離れたところより危険な状況にのみ駆け付けるということになっていたのだ。もう何百年前の話であるがな。』
ドラゴンは昔を懐かしむ様に空を眺めながらアーバスノイヤー家と自身のことについて話してくれた。
そんな昔の約束事を今も守ってくれているのかっと驚きながらドラゴンの言葉をそのままとーさまにお伝えする。
「長きに渡りアーバスノイヤー家を見守ってくれたこと現当主であるルグノス・アーバスノイヤーより深く感謝申し上げる。」
話を聞いたとーさまはそう言うとドラゴンに深く頭を下げた。
本当は人目がある所でアーバスノイヤー家当主が頭を深く下げるところを見せることは望ましくないことだけれど、これについてワイアットがとーさまを止めることはなく、ワイアットも他の使用人も、僕とにぃ様もとーさまに習って頭を深く下げた。
ヒュー様達はこちらに背を向けて、見ていませんよーってしてくれている。
『面を上げよ。我が望んでやったことでもあるのだ。歴代の当主は皆強く、我が手を貸す必要はなかったがな。むしろこうして今、助けを乞うことになり情けない。』
ドラゴンさんの言葉をそのままの口調で通訳するのはちょっともじもじしてしまうけれど、ドラゴンの威厳の為にもそのまま伝えたほうがいいだろうとそのままお伝えする。
僕の口が『面を上げよ』と発するとばっと皆の頭が上がって、またもじもじ。
「我らにとっても重大な案件です。」
少し落ち込む様子のドラゴンさんにとーさまがそう声をかけると、ドラゴンはふっと多分笑って穏やかな声で「そうか」と言った。
485
【お知らせ】登場人物を更新しました。世界観など設定を公開しました。(R6.1.30)
お気に入りに追加
3,259
あなたにおすすめの小説


美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
──────────────────
お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。

思い出してしまったのです
月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。
妹のルルだけが特別なのはどうして?
婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの?
でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。
愛されないのは当然です。
だって私は…。

それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ある日、憧れの人である蓮見馨に不意に告白をしてしまい、2人は付き合うことになった。
まるで夢のような時間――しかし、その恋はある出来事をきっかけに儚くも終わりを迎える。
転校を機に、馨のことを全てを忘れようと決意した凪。もう二度と彼と会うことはないはずだった。
ところが、あることがきっかけで馨と再会することになる。
「本当に可愛い。」
「凪、俺以外のやつと話していいんだっけ?」
かつてとはまるで別人のような馨の様子に戸惑う凪。
「お願いだから、僕にもう近づかないで」

勘弁してください、僕はあなたの婚約者ではありません
りまり
BL
公爵家の5人いる兄弟の末っ子に生まれた私は、優秀で見目麗しい兄弟がいるので自由だった。
自由とは名ばかりの放置子だ。
兄弟たちのように見目が良ければいいがこれまた普通以下で高位貴族とは思えないような容姿だったためさらに放置に繋がったのだが……両親は兎も角兄弟たちは口が悪いだけでなんだかんだとかまってくれる。
色々あったが学園に通うようになるとやった覚えのないことで悪役呼ばわりされ孤立してしまった。
それでも勉強できるからと学園に通っていたが、上級生の卒業パーティーでいきなり断罪され婚約破棄されてしまい挙句に学園を退学させられるが、後から知ったのだけど僕には弟がいたんだってそれも僕そっくりな、その子は両親からも兄弟からもかわいがられ甘やかされて育ったので色々な所でやらかしたので顔がそっくりな僕にすべての罪をきせ追放したって、優しいと思っていた兄たちが笑いながら言っていたっけ、国外追放なので二度と合わない僕に最後の追い打ちをかけて去っていった。
隣国でも噂を聞いたと言っていわれのないことで暴行を受けるが頑張って生き抜く話です


金の野獣と薔薇の番
むー
BL
結季には記憶と共に失った大切な約束があった。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
止むを得ない事情で全寮制の学園の高等部に編入した結季。
彼は事故により7歳より以前の記憶がない。
高校進学時の検査でオメガ因子が見つかるまでベータとして養父母に育てられた。
オメガと判明したがフェロモンが出ることも発情期が来ることはなかった。
ある日、編入先の学園で金髪金眼の皇貴と出逢う。
彼の纒う薔薇の香りに発情し、結季の中のオメガが開花する。
その薔薇の香りのフェロモンを纏う皇貴は、全ての性を魅了し学園の頂点に立つアルファだ。
来るもの拒まずで性に奔放だが、番は持つつもりはないと公言していた。
皇貴との出会いが、少しずつ結季のオメガとしての運命が動き出す……?
4/20 本編開始。
『至高のオメガとガラスの靴』と同じ世界の話です。
(『至高の〜』完結から4ヶ月後の設定です。)
※シリーズものになっていますが、どの物語から読んでも大丈夫です。
【至高のオメガとガラスの靴】
↓
【金の野獣と薔薇の番】←今ココ
↓
【魔法使いと眠れるオメガ】

婚約者に会いに行ったらば
龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。
そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。
ショックでその場を逃げ出したミシェルは――
何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。
そこには何やら事件も絡んできて?
傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる