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第2章
2度目の緊急事態
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控室からヨハネスが来たことで、コルダは僕から離れて行った。
丁度休憩時間だったこともあり、片目の隠れた美人さんは注目を浴びていたけれど彼は堂々とした歩みである。
とても普段人目につかないように行動している人物には見えない。
ヨハネスを連れて教室に戻るとテトラ君が駆け寄ってきて『声をかけられた時に一緒に居たらよかった。考えが足りずすまない。』と謝られた。
でも一緒に居られたらドラゴンをドボンできなかったか、テトラ君の脳みそ弄らないといけなかったから来なくて良かったと僕は心の中で思いながら、そんなことは本人には言えないので気にしないでーっと曖昧に笑むしかなかった。
「…お前が今何かを隠したことだけは伝わったぞ。」
そんな僕にテトラ君が顔を顰めて声を低くしてそう行ってきたもんだから、僕の口角がひくひくと引き攣る。
此処は気づかないふりをしてくれてもいいのではないだろうかっとぶすくれる。
「安心しろ。深く探ったりしない。ただ悪鬼の件もまだ片付いていないのだから大人しくしておいた方がいいぞ。」
テトラ君の忠告に視界の端でヨハネスがうんうん頷いているのが見えて、自分の行動を振り返る。
そんな動き回っているつもりはないのだけど、今回のように衝動で動いてしまうことが偶にあるので気を付けようと思いテトラ君とヨハネスに向けて『気を付けるよ』と返した。
「ルナイス様。」
テトラ君とお話しているとオスカル君がそろーっとやってきた。
「お怪我等はありませんか?」
「ないよ。心配してくれてありがとう。」
始めて話をかけられた時は、圧が凄くてびっくりしたけど、強くなろうと努力する優しくて普段は穏やかな子だ。
戦闘狂な面が心配だけれど…。
テトラ君、オスカル君と最近の貴族の裏話情報をお話していると教室にグリシャム先生が戻ってきた。
「緊急事態発生の為、迎えが用意できた者から帰宅してもらうことになった。すぐに迎えの用意が整わない者、寮生は大ホールへ移動をするように。」
先生の言葉にクラスメイト達からは不安の声が上がる。
確かに、入学してから一年も経たない内に緊急事態で帰宅っていうパターンは2度目。
今回は生徒だけではなく保護者達からも学園に対する不安の声が上がるだろう。
グリシャム先生も眉間に皺を寄せていつもより険しい顔になっている。
僕のお家はたぶん今回の騒ぎにとーさまも招集されているので、当主の移動が最優先にされている為、迎えが遅れる。オスカル君のお家は単純に少し距離があるから遅くなるみたい。
なので寮生のテトラ君と一緒に(ヨハネスもいれて)4人で大ホールへ向かった。
__________
※ぶすくれる=不貞腐れる
方言みたいなので、念の為補足を。
そして誤字報告を下さる読者の皆々様。
どのお話の、どの部分かまでとても親切に教えて下さるのでとても助かっています!
本当にありがとうございます!
少しずつ修正していきますので、どうぞ温かい目で見守ってやってください。
丁度休憩時間だったこともあり、片目の隠れた美人さんは注目を浴びていたけれど彼は堂々とした歩みである。
とても普段人目につかないように行動している人物には見えない。
ヨハネスを連れて教室に戻るとテトラ君が駆け寄ってきて『声をかけられた時に一緒に居たらよかった。考えが足りずすまない。』と謝られた。
でも一緒に居られたらドラゴンをドボンできなかったか、テトラ君の脳みそ弄らないといけなかったから来なくて良かったと僕は心の中で思いながら、そんなことは本人には言えないので気にしないでーっと曖昧に笑むしかなかった。
「…お前が今何かを隠したことだけは伝わったぞ。」
そんな僕にテトラ君が顔を顰めて声を低くしてそう行ってきたもんだから、僕の口角がひくひくと引き攣る。
此処は気づかないふりをしてくれてもいいのではないだろうかっとぶすくれる。
「安心しろ。深く探ったりしない。ただ悪鬼の件もまだ片付いていないのだから大人しくしておいた方がいいぞ。」
テトラ君の忠告に視界の端でヨハネスがうんうん頷いているのが見えて、自分の行動を振り返る。
そんな動き回っているつもりはないのだけど、今回のように衝動で動いてしまうことが偶にあるので気を付けようと思いテトラ君とヨハネスに向けて『気を付けるよ』と返した。
「ルナイス様。」
テトラ君とお話しているとオスカル君がそろーっとやってきた。
「お怪我等はありませんか?」
「ないよ。心配してくれてありがとう。」
始めて話をかけられた時は、圧が凄くてびっくりしたけど、強くなろうと努力する優しくて普段は穏やかな子だ。
戦闘狂な面が心配だけれど…。
テトラ君、オスカル君と最近の貴族の裏話情報をお話していると教室にグリシャム先生が戻ってきた。
「緊急事態発生の為、迎えが用意できた者から帰宅してもらうことになった。すぐに迎えの用意が整わない者、寮生は大ホールへ移動をするように。」
先生の言葉にクラスメイト達からは不安の声が上がる。
確かに、入学してから一年も経たない内に緊急事態で帰宅っていうパターンは2度目。
今回は生徒だけではなく保護者達からも学園に対する不安の声が上がるだろう。
グリシャム先生も眉間に皺を寄せていつもより険しい顔になっている。
僕のお家はたぶん今回の騒ぎにとーさまも招集されているので、当主の移動が最優先にされている為、迎えが遅れる。オスカル君のお家は単純に少し距離があるから遅くなるみたい。
なので寮生のテトラ君と一緒に(ヨハネスもいれて)4人で大ホールへ向かった。
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※ぶすくれる=不貞腐れる
方言みたいなので、念の為補足を。
そして誤字報告を下さる読者の皆々様。
どのお話の、どの部分かまでとても親切に教えて下さるのでとても助かっています!
本当にありがとうございます!
少しずつ修正していきますので、どうぞ温かい目で見守ってやってください。
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