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第2章
事件から一ヶ月
しおりを挟むあの事件があってから一ヶ月。
僕は比較的平和な学生生活を送っている。
あの事件の事については、とーさま達が問題解決に動くから僕やにぃ様は気にせず学業に専念し、あまり関わらないように、と、とーさまから言われている。
にぃ様に情報漏洩の危機をお伝えした後から、僕の護衛は更に強化されたらしい
僕はその強化された護衛人を見たことがないが、ヨハネスがぐったり気味な時があったからヨハネスも強化されているのだろうなっと思う。
そして学校では各教室に王国騎士の騎士さんが一人つくようになり、校内を見廻る騎士さんも何人か配置された。
物々しい雰囲気になってはいるが、学園が狙われた以上何よりも優先されるのは生徒達の安全だ。
8日前には悪鬼達へ掛けられていた呪縛もノヴァによって解かれた。
消耗が激しい悪鬼達は治療が施され、呪縛が解けて魔物へと姿が変わった…戻ったと言うべきかもしれない。
姿が戻った魔物達はやはり無理矢理魂の形を歪められた影響なのか、形を成してないものが多く…しばらくしたら消失したと聞いている。
魔物であっても可哀想だと思うが、これが人間にかけられたものであったら…と、少しばかりぞっとした。
予想が当たったといえば、やはりガンナーさんは鬼神だった。
本人にその自覚はなかったようだけど。
我を取り戻した悪鬼達には事情聴取を。
皆記憶が曖昧ならしく、一番記憶が混濁してなさそうなガンナーさんにノヴァは記憶を覗く魔法を使うことになるらしい。
記憶を覗く魔法は特級魔法で、魔力の消費が激しいだけでなく、リスクが大きく危険な魔法。
少しでもしくじれば、対象の記憶を全て消してしまったり、ぐちゃぐちゃにしてしまって人格を破壊してしまう可能性がある。
そして失敗した場合は対象だけでなく術師も記憶損失の恐れがある。
その為この魔法は基本的に使用禁止とされていて、罪人に国に認められた人が使用することのみ許されている。
そんな危険な魔法なのに王様は何の対策もない状態で、すぐに実行するようにノヴァに命じたのだとか。(とーさま情報)
もちろんノヴァは拒否したし、とーさまやヒル侯爵様もありえないと王様に物凄く怒ったのだとか。
他の貴族のお家からもその対応はいかがなものかという苦情が上がり、王様もそれ以上は何も言わなかったようだけど…。
僕は1度王様とじっくり話し合う必要がある…
まぁ、そのうち嫌でも会うことになるだろう…その時にノヴァをいいように使おうとする王様に文句の一言でも言ってやる所存だ。
結局それでもやらなければいけないことだから、きちんと場が整ってノヴァの準備も万端になって、ガンナーさんの同意も得られたら取り組むってことになったみたい。
ガンナーさんもノヴァも心配だけど、それで少しでも犯人に関する手がかりが掴めたらいいな。
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