王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。

薄明 喰

文字の大きさ
上 下
62 / 398
第2章

死んだ魚の目はこれか

しおりを挟む


ランチを終えて、とーさまとにぃ様はご多忙なのでお仕事に戻ってしまわれたけど、ノヴァはもう少し居てくれるので一緒に食後ののんびりタイムを過ごしている。


ノヴァも忙しのだけど、誕生日くらいは休みなよって強く、強く言い聞かせたので今日は1日休みになっている。



皆忙しいのに僕はわりと暇だ。

これでよいのだろうか…と思う日も少なくない。


まぁ、この悩みはまた別の日に考えるとして…今日はノヴァの誕生日を精一杯祝おう!





「ノヴァは学院どうしてたの?」

もうすぐ学院生になることもあって、にぃ様に学院生活について色々聞いているのだけど、チラッとノヴァは学院に通ってないって聞いたことを思い出して尋ねた。



「あぁ…魔法はもちろん、勉学についても人よりできたから飛び級で10歳の頃卒業した。というより、させられた。」

ちょっと死んだ魚の目をするノヴァ。

どうやら短い間だけど学院には通ってたみたい。
これ以上聞いたら何だかノヴァの目が更に濁ってしまいそうだったので「へぇ~」と返してこの話は終わりにする。


あとでにぃ様にノヴァは一応学院に通っていたことを教えてあげよう。





「そういえば、ノヴァってどの辺りに住んでるの?」

そういえば来てもらうばかりでノヴァの住んでる所知らないなぁと思って聞いてみる。

今更な質問にノヴァが少し呆れた顔をしたのを僕は見逃さない。



「国境の森林の中だ。魔物もよくでるし、森の精霊シルヴァヌスも居る。」

なんか思ったよりも凄い所にいるっぽい。


「国境ってどこの?今度お邪魔してもいい?」


「北の方だ。王家からなるべく離れたところに居ることにしてる。危ないから駄目だ。」


また死んだ目してる…



「分かった。強くなってからお邪魔するね。」

「そういうことでは…」


何か僕の望まない言葉を口にしそうだったノヴァにニコッと強めに微笑んでそれ以上言わさせない。

ノヴァははぁーっと大きな溜息を吐いてその先は言わずに僕の頭に強めに掌をのせ、強めにグシャグシャする。




ノヴァのお家に行ってみたいのはもちろん、僕は魔物にもすごく興味があるし、森の精霊にも興味津々だ。

誕生日にとーさまから魔物図鑑を貰ってどのモンスターにどんな危険があるのかとか急所だとかそういうのは何となく把握している。



最悪ドボンすればいいんだよっと胸を張って言った僕にノヴァは闇属性の魔物に遭遇したら意味ないよって教えてくれた。




やっぱり、闇属性が以外の魔法もある程度使えるようになって今よりレベルアップしてからノヴァのお家にお邪魔しよう。

もし駄目だったら強いにぃ様やヨハネス連れていけばいいや。



_____________

※前ページに少し文を足しました。



しおりを挟む
【お知らせ】登場人物を更新しました。世界観など設定を公開しました。(R6.1.30)
感想 42

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

美形×平凡の子供の話

めちゅう
BL
 美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか? ────────────────── お読みくださりありがとうございます。 お楽しみいただけましたら幸いです。

思い出してしまったのです

月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。 妹のルルだけが特別なのはどうして? 婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの? でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。 愛されないのは当然です。 だって私は…。

それ以上近づかないでください。

ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」 地味で冴えない小鳥遊凪は、ある日、憧れの人である蓮見馨に不意に告白をしてしまい、2人は付き合うことになった。 まるで夢のような時間――しかし、その恋はある出来事をきっかけに儚くも終わりを迎える。 転校を機に、馨のことを全てを忘れようと決意した凪。もう二度と彼と会うことはないはずだった。 ところが、あることがきっかけで馨と再会することになる。 「本当に可愛い。」 「凪、俺以外のやつと話していいんだっけ?」 かつてとはまるで別人のような馨の様子に戸惑う凪。 「お願いだから、僕にもう近づかないで」

勘弁してください、僕はあなたの婚約者ではありません

りまり
BL
 公爵家の5人いる兄弟の末っ子に生まれた私は、優秀で見目麗しい兄弟がいるので自由だった。  自由とは名ばかりの放置子だ。  兄弟たちのように見目が良ければいいがこれまた普通以下で高位貴族とは思えないような容姿だったためさらに放置に繋がったのだが……両親は兎も角兄弟たちは口が悪いだけでなんだかんだとかまってくれる。  色々あったが学園に通うようになるとやった覚えのないことで悪役呼ばわりされ孤立してしまった。  それでも勉強できるからと学園に通っていたが、上級生の卒業パーティーでいきなり断罪され婚約破棄されてしまい挙句に学園を退学させられるが、後から知ったのだけど僕には弟がいたんだってそれも僕そっくりな、その子は両親からも兄弟からもかわいがられ甘やかされて育ったので色々な所でやらかしたので顔がそっくりな僕にすべての罪をきせ追放したって、優しいと思っていた兄たちが笑いながら言っていたっけ、国外追放なので二度と合わない僕に最後の追い打ちをかけて去っていった。  隣国でも噂を聞いたと言っていわれのないことで暴行を受けるが頑張って生き抜く話です

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。 1日2話ずつ投稿します。

金の野獣と薔薇の番

むー
BL
結季には記憶と共に失った大切な約束があった。 ❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎ 止むを得ない事情で全寮制の学園の高等部に編入した結季。 彼は事故により7歳より以前の記憶がない。 高校進学時の検査でオメガ因子が見つかるまでベータとして養父母に育てられた。 オメガと判明したがフェロモンが出ることも発情期が来ることはなかった。 ある日、編入先の学園で金髪金眼の皇貴と出逢う。 彼の纒う薔薇の香りに発情し、結季の中のオメガが開花する。 その薔薇の香りのフェロモンを纏う皇貴は、全ての性を魅了し学園の頂点に立つアルファだ。 来るもの拒まずで性に奔放だが、番は持つつもりはないと公言していた。 皇貴との出会いが、少しずつ結季のオメガとしての運命が動き出す……? 4/20 本編開始。 『至高のオメガとガラスの靴』と同じ世界の話です。 (『至高の〜』完結から4ヶ月後の設定です。) ※シリーズものになっていますが、どの物語から読んでも大丈夫です。 【至高のオメガとガラスの靴】  ↓ 【金の野獣と薔薇の番】←今ココ  ↓ 【魔法使いと眠れるオメガ】

婚約者に会いに行ったらば

龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。 そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。 ショックでその場を逃げ出したミシェルは―― 何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。 そこには何やら事件も絡んできて? 傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。

処理中です...