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母への告白
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妊娠が発覚してから、幾度となく母に告白しようとした。
なるべく母の機嫌がいい時に…
少しでも怒りが少ないように…
でも中々言い出せることが出来なかった。
もう次の検診日が近づいている。
言わなきゃ…
仕事が終わりパチンコから帰って来るのはだいだい23時過ぎ。
今日こそ話そう。
緊張しながら母の帰りを待った。
帰ってきた母は上機嫌。
どうやら勝ったらしい。
今日しかない。
震え。止まれ。
頑張れ。私。
「お、お母さん…」
「は?」
「話したい事があるんだ…」
母は髪を掻き分けながら舌打ちをした。
「なに?」
急な威圧感に言葉が詰まる。
「あ…疲れてるのにごめん…」
「うるせーなぁ…ダラダラダラダラよー!」
と急に機嫌が悪くなりコップを投げつけた。
額に当たり、痛かったが黙ってコップを流しに置いた。
「お前のそういうウジウジしたところに腹が立ってしょーがねーんだよ!テメー何で生きてんだよ!」
いつものことだ。
こんな事はいつもの事。
言わなきゃ…
言わなきゃ…
「あのね、お母さん…聞いて。大事な話なの。」
目を潤ませた事が気に入らなかったのか…
その時の母の気持ちなど分からないが、
急に飛びかかるように、私の髪の毛を引っ張り上げ、殴られ…
「お母さん!聞いて!お母さん!」
「うるせー!!」
と、くわえていたタバコを首筋に当てられた。
激痛で泣き叫ぶと殴られ、今度は鎖骨にタバコを押し当てられた。
もう何も言えるはずがない。
私に言える言葉はひとつだけ。
「ごめんなさい…ごめんなさい…
せっかく気分良く帰って来たのにごめんなさい…」
ひたすら謝り続ける私に母は
「早く死ね!お前は生きてるだけで迷惑なだけだ。早く死ね。お前の顔を見るだけで吐き気がする。
ねぇ…何で生きてんの?」
私は謝って布団に潜り込んだ。
母の罵声は続き布団に色々投げつけられたが眠ったふりをした。
母に告白どころか、何一つ伝えることすら出来なかった。
そして次の検診日を迎えた…
あれから一週間。
赤ちゃんはおそらく14週になっているはず。
私は病院の前に行ったものの、中に入ることは出来なかった。
なるべく母の機嫌がいい時に…
少しでも怒りが少ないように…
でも中々言い出せることが出来なかった。
もう次の検診日が近づいている。
言わなきゃ…
仕事が終わりパチンコから帰って来るのはだいだい23時過ぎ。
今日こそ話そう。
緊張しながら母の帰りを待った。
帰ってきた母は上機嫌。
どうやら勝ったらしい。
今日しかない。
震え。止まれ。
頑張れ。私。
「お、お母さん…」
「は?」
「話したい事があるんだ…」
母は髪を掻き分けながら舌打ちをした。
「なに?」
急な威圧感に言葉が詰まる。
「あ…疲れてるのにごめん…」
「うるせーなぁ…ダラダラダラダラよー!」
と急に機嫌が悪くなりコップを投げつけた。
額に当たり、痛かったが黙ってコップを流しに置いた。
「お前のそういうウジウジしたところに腹が立ってしょーがねーんだよ!テメー何で生きてんだよ!」
いつものことだ。
こんな事はいつもの事。
言わなきゃ…
言わなきゃ…
「あのね、お母さん…聞いて。大事な話なの。」
目を潤ませた事が気に入らなかったのか…
その時の母の気持ちなど分からないが、
急に飛びかかるように、私の髪の毛を引っ張り上げ、殴られ…
「お母さん!聞いて!お母さん!」
「うるせー!!」
と、くわえていたタバコを首筋に当てられた。
激痛で泣き叫ぶと殴られ、今度は鎖骨にタバコを押し当てられた。
もう何も言えるはずがない。
私に言える言葉はひとつだけ。
「ごめんなさい…ごめんなさい…
せっかく気分良く帰って来たのにごめんなさい…」
ひたすら謝り続ける私に母は
「早く死ね!お前は生きてるだけで迷惑なだけだ。早く死ね。お前の顔を見るだけで吐き気がする。
ねぇ…何で生きてんの?」
私は謝って布団に潜り込んだ。
母の罵声は続き布団に色々投げつけられたが眠ったふりをした。
母に告白どころか、何一つ伝えることすら出来なかった。
そして次の検診日を迎えた…
あれから一週間。
赤ちゃんはおそらく14週になっているはず。
私は病院の前に行ったものの、中に入ることは出来なかった。
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