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9話 繰り返す

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あれから…

友也さんからの連絡は…ない。

仕事の時は普通に接しているし、何も変わった様子もなかった。

たった一度の過ちだったと友也さんは思ったのかもしれない。
俺は友也さんを満足させてあげられなかったのかもしれない…。


そんな想いと知ってしまった友也さんの温もりを胸に抱いて、
毎晩のように自分を慰める。


寂しくて、虚しいひとりでする行為。


あれはたった一度の過ちだったと諦めかけ始めた頃。


【今日行ってもいい?】

出張先の友也さんからメッセージが届いた。


嬉しくて、すぐさま返信をした。

【もちろんです。待ってます。】

にやけてしまう顔をどうにか保ちつつ


【今新幹線の中だから、そのまま向かうから18時頃になるかも?】

友也さんからのメッセージを読んだ。


【わかりました!】


『なんかいいことあった?』

『わぁーーーっ!びっくりしたぁーー!』

一ノ瀬くんが背後から俺に言った。


『別に…何でもないっ!』

『でも、顔にやにやしてるよ♡いいことあったんだね~』

『なんもないっ!!いいから!仕事しろよ!』


捨て台詞を吐いて、資料を持つと資料室へ逃げた。


危なかった…一ノ瀬くんいつも近くに居て痛いとこついてくるんだよ!
ほんとにアイツなんだよ!!


でも、無いと思っていた2回目があるかもしれないと心が躍らずにはいられなかった。


いつもよりテキパキと仕事を終わらせて

『お疲れさまでした~!お先に失礼しま~す!』

元気よく会社を後にした。


夕飯を一緒に食べようと、買い物を済ませて夕飯を作る。
お風呂を準備して…

自分のカラダも…一応…準備しておこうかな♡

なんて、ヤる気満々でお風呂と準備を済ませた。


こんなに待ち遠しい夕飯があるだろうか!

18時を過ぎた頃、インターフォンが鳴った。



『はいっ!どうぞ♡』


スーツ姿の友也さんが現われた。
やっぱり素敵な人だ…と見惚れていたら…


いきなり抱きしめられて


『ごめんっ!抱いても…いい?』


突然の言葉に驚いたけど


『はい!もちろん…(です)。…』

言い終わらないうちにキスで塞がれた。


なにかあったのだとすぐにわかった…


苦しそうで、貪るようなキス。

感情が抑えきれないのだと思った。


…っちゅっくちゅ♡…ちゅっ…ちゅっちゅぱっ♡…///
くちゅくちゅっ///…♡…ちゅっちゅ♡…くちゅっ♡


息も出来ない程の深いキスで…頭の中まで蕩けてしまいそうになって
立っているのもやっとで…


『ンン♡…とも…や…さんっ///…ともやさんっ…///…ベッドへ…』


『…あっ…ごめんっ///』

そう言うと、友也さんは俺をひょいと抱き上げて
ベッドへ運んだ。


ゆっくりとベッドへ下ろされたかと思うと、
ネクタイを外して、シャツを脱いだ。

よく引き締まったカラダが現われて、俺の上に跨った。


余裕をがなくて、ギリギリで…
切ない表情の友也さんが愛おしい。


『ごめんっ///…抱かれてっ///…』

掠れた切ない声が俺の耳を犯していく。


『はいっ…抱かれます♡』









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