最低なふたり

白夜

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最低な人を好きになりました。

2話 あのふたり だいきside

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2話 あのふたり


だいきside



もやもやとした気持ちを抱えたまま、3年が経った頃。

相変わらず、あのふたりの距離感は特別で…でも、付き合っている訳じゃなく…


でも、目の前でイチャイチャされたりふたりだけの特別な暗号みたいな目配せしたり…

そんなの見せつけられて…

俺の気持ちももう、いっぱいいっぱいだった。


俺の家で、一緒にお酒を呑んでいる時だった


たぶんもう…限界だった。


振られるなら、いっそフラレた方がいい。その方がスッキリする!

なんて思い始めてた…。


いつものごとくお酒に酔ったと称して、大和に甘える俺

『やまとぉ~ね~ぇ~』

焼酎をお湯で割って飲む大和は、全く酔っていなくて

俺だけが、どんどんお酒と大和に酔っていた。

今日はとことん呑もうって、家呑みにしたのが良くなかったんだと思う。

隣に座った大和と、時折肩がぶつかって、変に意識してしまう。

俺が見つめていると
『ん?酔っぱらってる?だいきは甘えん坊さんだね♡』って、優しい眼差しで見つめ返してくれるから…

俺にもチャンスがあるんじゃないかって、思ってしまった。

いや、もう言わずにはいられなかった。

酔った勢いに任せて

『やまぁとぉ~?付き合ってる人…いる?』

『…付き合ってる人?…ん~、いないけど…』

『じゃあさ、…俺と付き合ってみない?』
酔った頭は完全に志向回路が繋がっていないくて、ただ『好き』という事実を含んだ言葉だけが口から零れた。

もしフラれてしまったら次どんな顔して会えばいいのか?とか、フラれた後のふたりの関係はもう友達にには戻れなくなるんじゃないか?とか…その後の事なんて、何も考えられなくなっていた

『え?酔っぱらってるん?』
大和は少し驚いた顔してたけど、すぐにいつもの優しい笑顔を向けてくれた

『…そうかもしれない…っ///。けど…俺、けっこう…やまと…のこと…好き…だもん』

俺は嘘をついた。

けっこうなんてどころじゃない…

もう、好きで好きでたまらない。

大和を思って自慰行為に耽る毎日。

寂しい行為はもううんざりだ!!

大和が連絡くんと一緒に居ると目を背けたくなるくらい、嫉妬してしまう。

それくらい好きだけど…
断られて、今までの関係を壊したくない
だから、三年もの間友達のフリして、ふたりの距離を保って来たのに…


酔った頭はそんな事お構いなしに、発進してしまったようだ

でも…大和なら、振った相手にも今までどおり接してくれそうだけど…と、いうわずかな可能性に頼っていたのかもしれない。

臆病な俺は、酔っぱらったフリをして【好き】を伝えてしまった。

…酔ったフリじゃなくて、本当に酔っぱらっていたのかもしれない。

正常な判断が出来ていなかったのだから。

『ありがと♡…考えてもいい?』


まさかの答えに

『うん♡もちろんっ!!』
明らかにテンションが上がってしまった。

蓮くんとはただの先輩と後輩なのかもしれない!!

なんなら、あのふたりの特別な空気感は俺の勘違いなのかもしれないと、心が弾んだ。


嬉しさで俺のお酒はイッキに美味しくなって…

それからの事は、全く覚えてない。

目が覚めると、ベッドに寝かされてて
リビングはキレイに片づけられていて

メッセージが送られて来ていた

【帰るねぇ~。付き合うって話、もうちょっとまっててぇ~】

そのメッセージを見て、昨日の喜びが蘇った。

夢じゃなく、ほんまに…かずやと付き合えるんかもしれへんっ!!

嬉しくて、嬉しくてっ!

でも、まだ付き合うって決まった訳じゃない!!

勘違いするな俺!

ここから地獄へ突き落される可能性だってある。なんなら、そっちの方が確率が高い。

大和からの返事はまだなくて、生きた心地がしなかった…

酔ったフリして告白をしてから一週間…
かずやの態度は何も変わりなく、俺と一緒に帰ったり…相変わらず蓮くんと特別な空気感…を保ちつつ

って、日々が続いていた。


そして、俺は…

見てしまった。




あのふたりが…一緒にホテルへ入っていくところを…。
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