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第一章 魔女の森。
【第四話】 少しずつ、何かが変わり始めてる。
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──これはこれから少し先に起きる本当の話です。
それはあの日と同じ雨の降る日のことでした。
その日、森にやって来た情報通の大カラスさんの噂話をきっかけに私達の日常は急展開を迎えます。
そして私はその話を聞くと即座に頭の中で最悪の事態を想像してしまったのでした。
「──カァカァ。それでな、その時確かに言ったんだよ。これは、復讐だってな」
「復讐……ですか?」
「そう、復讐。なんでも、最近噂の『魔女の森』って呼ばれるようになった森があって、そこにいるモンスター達に大恥をかかされたとかなんとかで、だから仲間を集めれるだけ集めて復讐するんだと」
「そんな……それって、まさか……」
「ああ。多分、この森の事で間違いないだろうな。それで、先ずは森の主のお前さんにこの事を話そうと思ってな……」
「……そう……なんですね……」
「しかも、最悪な事にアイツらはこともあろうかこの森ごと潰す気らしい」
「この森ごとって……なんで……」
「それは確か……忌々しい記憶がどうのこうのって、アイツは言ってたな。で、どうする?」
「いや、どうするも何も……そんな事、急に言われても……」
「悪いが悩んでる時間はあまり無いと思うぞ。居たんだよ、そこに……」
「居た? 居たって、誰がですか?」
「色違いの、うさぎ。黒い姿をしたお前さんがだよ」
「え?」
そして告げられたもう一人の私の話。
身に覚えのないその話に、だけど不思議に私は直感的にですがこう思ったのでした。
この森が跡形もなく無くなってしまうと……
──そして時はこれから遡る事、半年前。
ゴブリンさん達が初めて駆け出し冒険者さん達に勝ったその日の直後にまで戻ります。
それはあの日と同じ雨の降る日のことでした。
その日、森にやって来た情報通の大カラスさんの噂話をきっかけに私達の日常は急展開を迎えます。
そして私はその話を聞くと即座に頭の中で最悪の事態を想像してしまったのでした。
「──カァカァ。それでな、その時確かに言ったんだよ。これは、復讐だってな」
「復讐……ですか?」
「そう、復讐。なんでも、最近噂の『魔女の森』って呼ばれるようになった森があって、そこにいるモンスター達に大恥をかかされたとかなんとかで、だから仲間を集めれるだけ集めて復讐するんだと」
「そんな……それって、まさか……」
「ああ。多分、この森の事で間違いないだろうな。それで、先ずは森の主のお前さんにこの事を話そうと思ってな……」
「……そう……なんですね……」
「しかも、最悪な事にアイツらはこともあろうかこの森ごと潰す気らしい」
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「いや、どうするも何も……そんな事、急に言われても……」
「悪いが悩んでる時間はあまり無いと思うぞ。居たんだよ、そこに……」
「居た? 居たって、誰がですか?」
「色違いの、うさぎ。黒い姿をしたお前さんがだよ」
「え?」
そして告げられたもう一人の私の話。
身に覚えのないその話に、だけど不思議に私は直感的にですがこう思ったのでした。
この森が跡形もなく無くなってしまうと……
──そして時はこれから遡る事、半年前。
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