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旅の道中

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「私には無理だね」


「僕はアヤ姉とならどこにでも行くよ」




いや、アルフが一緒なら更に危なくない様に気をつけて街に住むよ。
街でも確実に安全ってわけじゃないんだろうけど、王都なら城もあるから警備はしっかりしてるだろうし。
冒険者も高ランクの人とかもいるからまだ魔物が来ても安心でしょ。

嫌だけど死にたくはないから私も必要に駆られれば戦うしかない。




「ありがとうね」




危ないことはさせたくないけどアルフのその気持ちは嬉しい。
この可愛いまま成長して欲しい。




お昼休憩は先ほどよりも長めに休憩を取ることになっているからまったりとしている。
ご飯食べた後にすぐに運動するのはキツいからね。

しかし、その平和もすぐに終わる音が聞こえた。




「今の声何!」




グオオオーみたいな獣の様な恐ろしい声。
クロスはすでに警戒態勢に入ってるし、アルフも剣を構えてる、私も足手まといにならない様に立ち上がった。

この世界で二度目の魔物。
殺らなければ殺される。

鞄から拳銃を取り出し軽く深呼吸をして息を整える。
私が足手まといになってクロスやアルフに怪我でもさせるわけにはいかない。




「来るぞっ!」





クロスの声がした瞬間にバキバキと木が倒れる音が聞こえてきた。
そして、子供の悲鳴も一緒に……。

森の中から出て来たのは幼い、五歳くらいの女の子と女の子を追い掛けてる三メートルくらいの熊。
熊には角が二本ついて、鋭い爪で木を薙ぎ倒している。




「ランクCのグレートベアだ。 アルフ、俺がグレートベアを引き離すから子供の保護をしろっ」





クロスはアルフに言いながらも剣を引き抜きグレートベアに向かって行く。
グレートベアは向かってきたクロスを警戒するように声を上げる。

アルフはクロスの指示に従い追われていた女の子を抱き上げるとすぐに後退してきた。




「アルフっ」




私よりアルフの方が強いのでアルフから女の子を受け取ると優しく頭を抱き締める。
女の子は追われていた恐怖から腕の中で震えていた。




「アルフ、つがいの可能性もあるから警戒は怠るな!」


「うんっ!」




私は魔物の事は全く勉強してないからグレートベアごどんな魔物か知らない。
私に出来る事はクロスやアルフの邪魔をしない様に女の子を守ることだ。

クロスはグレートベアの爪の攻撃を避けながら何かをブツブツ呟いている様に見える。
すると、クロスが持っていた剣が急に燃え上がった。

そして、クロスはその燃えた剣でグレートベアの首を切り落とした。




「……すご……」




頭が切り落とされたのは大分グロいけど、あんな剣であれほど大きなグレートベアの首を切れるモノなの?
剣が燃えてるのもよくわからないし。

クロスがやっぱ強いってことしかわからない。




 
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