上 下
10 / 280
この世界で生きる為に

しおりを挟む
 





て言うか、丸聞こえだよ。

私以外にも文句言いたそうな人いっぱい居るよ。

王族だから言えないのかな?







「アヤ姉、あの人達何で並ばないの?」





夜になっていてこの列以外は人があまり居なく静かなのでアルフの純粋な言葉はあの2人に聞こえてるだろう。

……子供って素直。



あっ、お姫様がこっちを恐い顔して見てる。

アルフの言葉は正論だけどお姫様としては不満だったのかな。







「ちょっとそこの貴女」







ずんずんとこっちに歩いて来る姿を見ればアルフは私の後ろに隠れる。

多分、何でこっちに来るのかわかってないんだろう。







「何でしょうか?」



「今、この私に文句を言ったの?」





うん、私的に受け付けないな。

偏見は悪いかもだけどハーレムメンバーがいい人なんてあまりないし。







「文句ってわけじゃないですが、皆さん並んでるのにちゃんと並ばないんですか?」



「私は王女だからいいのよ」





あっ、やっぱりお姫様であってたのか。

最初に見つけた時も普通(ちょっと煌びやかだけど)の服を着ているから曖昧だったけど。







「王女様って何かしたの?」



「私は居るだけでいいの、後は全てお父様がしてくれるんですもの」





この国って次世代ぐらいに潰れるんじゃないの?

お姫様がこれだったらもし他に兄弟が居ても期待できない。





周りの人も諦めたようにため息ついてるし、やっぱり次世代で潰れるのかな。







「何で何もしないの?」



「する必要がないからよ。 それに穢らしい庶民の分際で私に質問しないで」





いつの間にかアルフは私の隣に居たのかお姫様はキッとアルフを睨み付けながら罵倒した。

今のは流石に私もイラッとする。







「何、子供に言ってるんですかっ」





アルフは可愛いし穢らしくないっ!

ってか、主人公君は何も言わないのか。







「あら穢らしいから穢らしいって言ってるだけだわ。 綺麗にしてあげる、『水よ、降れ』」





お姫様の言葉の後に水がザバッとアルフに降り注ぐ。

まさかあれが魔法っ?

アルフは水がかかってきょとんっとしてるし。



ちょっ……!







「アルフに何するのっ!」





いくらお姫様だからってアルフを傷つけるのは許さないっ。

ドンっとお姫様の肩を押せばポケットから大きめのタオルを取り出しアルフの身体を拭く。



この国で喫茶店をするのは止めよう。

お姫様がこんな性格してるんなら王様がどんな性格なのかわからないし。



確か夜でもやってるみたいだし直ぐに行こう。









「何やってるんだっ」





今更気付いたのか主人公がこっちに来る。

気付くの遅いでしょ。







「あっ……」





お姫様は怒られると思って居るのか顔を真っ青にしている。

好きな人に嫌われるのってキツいよね。

まあ、だからと言ってアルフに攻撃したんだから同情しないけど。







しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

長女は家族を養いたい! ~凍死から始まるお仕事冒険記~

灰色サレナ
ファンタジー
とある片田舎で貧困の末に殺された3きょうだい。 その3人が目覚めた先は日本語が通じてしまうのに魔物はいるわ魔法はあるわのファンタジー世界……そこで出会った首が取れるおねーさん事、アンドロイドのエキドナ・アルカーノと共に大陸で一番大きい鍛冶国家ウェイランドへ向かう。 魔物が生息する世界で生き抜こうと弥生は真司と文香を護るためギルドへと就職、エキドナもまた家族を探すという目的のために弥生と生活を共にしていた。 首尾よく仕事と家、仲間を得た弥生は別世界での生活に慣れていく、そんな中ウェイランド王城での見学イベントで不思議な男性に狙われてしまう。 訳も分からぬまま再び死ぬかと思われた時、新たな来訪者『神楽洞爺』に命を救われた。 そしてひょんなことからこの世界に実の両親が生存していることを知り、弥生は妹と弟を守りつつ、生活向上に全力で遊んでみたり、合流するために路銀稼ぎや体力づくり、なし崩し的に侵略者の撃退に奮闘する。 座敷童や女郎蜘蛛、古代の優しき竜。 全ての家族と仲間が集まる時、物語の始まりである弥生が選んだ道がこの世界の始まりでもあった。 ほのぼののんびり、時たまハードな弥生の家族探しの物語

少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる? 別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨ この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行) この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。 この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。 この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。 この作品は「pixiv」にも掲載しています。

転々と追いやられてもなんとか生きてます

みやっこ
ファンタジー
転校して上手くいかないなと思ってたら、異世界に転移した不運な女子高生フク。しかも転移した理由は、選ばれし者に腕を掴まれていたからだった。もちろん選ばれていないフクは、異世界の言葉もわからない。 全く何一つとしてわからないまま、働かざる者食うべからずで、魚をさばいて干す職につき、なんとか覚えた挨拶だけを頼りに、転校先でできなかった、人間関係の構築に奮闘する。 友情と恋は挨拶と笑顔だけでも手に入れられるのだろうか。というお話です 小説家になろう様にも投稿させて頂いております。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。

月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!  見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに 初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、 さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。 生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。 世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。 なのに世界が私を放っておいてくれない。 自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。 それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ! 己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。 ※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。 ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。  

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜

二階堂吉乃
ファンタジー
 瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。  白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。  後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。  人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話。

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

処理中です...