アップルパイ

プラノ

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お酒

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一緒にチョコレートケーキを食べた日から、
あの子に会わなくなって2週間くらいたった。

この所、あの子のことが気になって仕事に集中出来ない。

「マジで俺どうしちゃったんだ.....」

はぁ、と深くため息をつく。

「おいおい櫻井、ため息なんてついてどうしたんだぁ?」

と、同僚の鈴木が言う。

「え?いやぁ、ちょっと気になることがあってよぉ....ま、お前には関係ないことだよ」

そうかそうかと、鈴木は自分の机へ戻ってしまった。

隣人に会えなくて悩んでいるなんて情けない話、恥ずかしくて出来なかった。



-「ゴホッゴホッ...うわ、風邪かも」

最近社内で風邪が流行りはじめ、俺もうつってしまったようだ。
でも、今日中に仕上げなければいけない書類があと3部ある。
家に帰るのは午後10をすぎるくらいか。


「はぁ、やるか。」


俺は今直ぐに家に帰りたかったが、頑張って仕事を終わらせた。





PM10:25

「はぁぁ、終わったぁ.....」

やっと全ての仕事が終わった。
帰れると思った時、残っていた上司に飲みに行こうと誘われた。
今の会議チームで同じ上司だから断れず、渋々ついて行った。



駅の近くの居酒屋へ入った。
チェーン店でもない、昔からある感じの居酒屋だ。
店の中央にある席に座り、
上司は「とりあえずビールでいい?」
と聞き、注文を始めた。


PM 11:35

だいたい1時間ぐらい飲んだだろうか。
あの子に会えなくてモヤモヤしている気持ちや、仕事のイライラを酒にぶつけ、
いつもより飲んでしまった。

ほとんど意識がない。

そんな俺をみた上司は
「そろそろ帰るか、」
といい、俺の手を方にまわし、家の方まで来てくれた。



AM 0:15

「おぉ、櫻井、鍵どこだ?」
俺を抱えたまま、上司は言った。

すると、コツンコツンと古いアパートの階段を登ってくる音がした。

「.....拓也さん、大丈夫ですか?」

あの子だ。隣の子が来た。
あの子は俺の上司にそう聞き、あとは僕がやりますよといかにもイケメンな発言をした。


ガチャと立て付けの悪いドアをあけ、
俺を布団に寝かせた。
器用にスーツを脱がせ、そこら辺に脱ぎ捨てられたパジャマを着せてきた。

「拓也さん....これ、水だけ飲んでください。」
コップを机の上に置き、そういった。
俺は意識なんて全然ないし、ほぼ夢の中にいる。





AM 6:30

ピピピピッと目覚まし時計がなる。
幸いにも今日は休みだ。
もう一回寝よう....と思い、寝返りをうったら俺の隣であの子が寝ていた。

「え?なんで君がここに....?」

「んんっ....櫻井..さん...?」

あの子はそう言い、嬉しそうに照れくさそうに笑った。

(まつ毛が長いな....肌が白くて、柔らかそうだ。.....唇が綺麗な赤で、あぁ、
この子はすごく綺麗な人だ。)

無意識のうちに、俺はあの子の頭を撫でていた。










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