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月曜日

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水曜、木曜....と毎日同じような日々を過ごして、また憂鬱な月曜日が来た。


AM6:30

「うわ、やべっ....寝坊した」

火曜日の夜以来、あの子には会っていない。

(あんなに元気そうだったのになぁ)

少しだけ、モヤモヤした。


時間が無いから、速攻で支度をした。



PM7:13

いつもよりは遅いが、なんとか間に合った。

電車があと....20分くらいでくる。
急いで駅へ走った。


「暑っ....」

今日は7月23日、夏も始まってジリジリと日が差している。


AM7:28

駅に着いた。
今日の予定なんて仕事以外にないが、
携帯を出してカッコつけてニヤニヤしながら予定表を眺めていた。

そんな時だった。


「あの....!さっきから私の友達のこと見てニヤニヤしてますよね!?」

(え?)

カッコつけて予定表を眺めていただけなのに、変な言いがかりをつけられた。


「誰か!この人、私の友達の事見てずっとニヤニヤしてるんです!」

(は?え?......え?)


大学生か....?いや、新人っぽいOLだな。

そいつが叫んだせいで、周りにいた人の視線が俺に集まってきた。

「あの人、痴漢だって....」
「朝から痴漢...?やっば....」

そんな声が聞こえてきた。


「あの、失礼ですが、俺はそんなことしてないですし、あなたの友達のことなんて見てませんけど。」

そう、言ってみた。
すると

「そんな証拠どこにもないじゃないですか!?嘘つかないでください!この子が可哀想です!」

(ん?ん?いや、俺が見たって証拠はなんだよ!?可哀想って、俺が可哀想だ!)

「あー、うん。分かった。ちょっとさ、話そうか。」

俺はもう諦めた。
こいつら頭弱いんだなと確信した。

会社に電話をいれ、7時間以上言いがかりを付けてきた女たちに捕まった。

PM4:46

やっと終わった。

「ぁぁぁぁあっ!最悪だなぁ、もう!」

こんな日はお酒でも飲んで忘れたい。
コンビニで、ビールとつまみと、弁当を買って帰った。



PM6:30

部屋の鍵を探していた。
全然見つからない。

朝からイライラすることだらけだ。
今日は早く寝るぞ。

「ん!見つかった、」

やっと鍵をみつけ、部屋に入ろうとした時、

「あ!櫻井さん!いい所にいた!」

と元気な声が聞こえてきた。

「あの!これ、チョコレートケーキなんですけど、良かったら食べてください!」

「あぁ、どうも、」

久しぶりに会えてなんだか嬉しい気持ちになった。

「じゃあ、俺はこれで、お仕事お疲れ様で....」

「っ....待って!」


家に帰らせたくなかった。
この子と一緒に居たかった。

「時間あるか知らないんだけど......その、い、一緒に食べない?」

「え!?いいんですか!」

すごく嬉しそうな顔をしていた。

「部屋汚いけど、どうぞ....」

「全然大丈夫です!俺も結構汚い部屋なんで笑お邪魔しますっ!」

いつもはすっからかんでなにもなさそうな部屋が、この子が来ただけで明るくなった気がした。

「あ、そのへん座ってて。お茶出すから。」

「ご丁寧にありがとうございます!でも、拓也さんお疲れだと思うので、俺がやります!」


「なんだこいつ天使か。」
(そんな、俺がやるし、ゆっくりしてて)

「え?」

心の声が出てしまった....
誤魔化したうちには入らないが、
そこにいるのは恥ずかしかったから直ぐに着替えに行った。


部屋着に着替えて戻ってくると綺麗にケーキといい匂いの紅茶が並べてあった。


「拓也さん!出来ました!どうぞ、座ってください!」

「あ、あぁ.....んじゃ、いただきます。」

1口、口に入れてみた。
すると甘く、でもくどくないチョコレートが口の中に広がった。


「お、いしい......」

理由は分からないが、涙が出ていた。
あの子は驚いたように、

「な、拓也さん!!なんで、ど、どうしました?!なんか入ってましたか....?不味かったですよね!ごめんなさい...」

そう謝ってきた。

「へ?俺泣いてる?嘘.....いや、違う、美味しくて、こんなの食べたことない.....」


あの子は
「ほ、ほんとですか...?嬉しいです。」

と言って、涙をこぼしていた。

「た、拓也さん....?」

今はなぜこいつが俺の名前を知ってるかなんてどうでもよかった。
無意識にこいつの顔に手を当てて、涙を拭ってやった。

「君の目は、綺麗だ....な、」

少し恥ずかしそうに、あの子は目を逸らして「今日はお開きにしましょう。」と言って帰ってしまった。


心にぽっかり穴が空いた感じになった。

それからまた1週間、あの子とは会わないようにした。

本当は会いたかったけど、何を言ったらいいか分からなかった。


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