18 / 46
version.a
17a:謝恩パーティー
しおりを挟むフーリーとミアが会場に入ると、他の卒業生達の視線が集まる。
未来の王妃よ!挨拶に来なさい!
ミアはそんな風に思ったが、誰も側には寄って来なかった。
学校の講堂で謝恩パーティーは開かれる。
卒業生が保護者に感謝をする場なので、卒業生達は各々勝手に会場に入る。
大抵の卒業生は、両親と共に来場していた。
それは王族であっても変わらないはずなのだが、二人はそれすら知らなかった。
予想と違う周りの反応に、ミアだけでなくフーリーも不機嫌になっていると、会場がワッと湧いた。
何事かと入り口を見ると、アメリアがアルフィーと会場に入って来たのだった。
その後ろには国王と王妃と側妃、そしてアンダーソン公爵夫妻とパーソン伯爵が居た。
国王はフーリーに気付くと「何だ、来ていたのか」と呟いた。
恙無くパーティーは進んだ。
家族との交流や恩師への挨拶なども終わり、場が落ち着いてきた頃。
王族とアンダーソン公爵家が舞台上に上がった。
驚いたのは、舞台下でそれを見上げたフーリーとミアだ。
二人は舞台へ行こうとしたが、フーリーは王宮の護衛に、ミアはロバーツ・パーソン伯爵に止められた。
「おにい様、離してよ!」
ロバーツの腕を振り払おうとしたミアは、突然ロバーツに頬を張られた。
「子爵が不敬な」
いきなりの暴力に、ミアは泣き叫ぶ。
「子爵って何よ!私は公爵令嬢で、あなたは兄でしょ!?」
ロバーツはミアの手を離し、溜め息を吐いた。
「アンダーソン子爵、貴女は昨日までは未成年で公爵家の庇護下にありました。今日からは成人で、アンダーソン子爵です。女性でも爵位が継げる国で良かったですね。隣国なら貴女は平民だ」
ロバーツの説明に驚いたのはミアだけでは無い。
フーリーも同じように呆けていた。
433
お気に入りに追加
3,345
あなたにおすすめの小説
王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。
比べないでください
わらびもち
恋愛
「ビクトリアはこうだった」
「ビクトリアならそんなことは言わない」
前の婚約者、ビクトリア様と比べて私のことを否定する王太子殿下。
もう、うんざりです。
そんなにビクトリア様がいいなら私と婚約解消なさってください――――……
忘却令嬢〜そう言われましても記憶にございません〜【完】
雪乃
恋愛
ほんの一瞬、躊躇ってしまった手。
誰よりも愛していた彼女なのに傷付けてしまった。
ずっと傷付けていると理解っていたのに、振り払ってしまった。
彼女は深い碧色に絶望を映しながら微笑んだ。
※読んでくださりありがとうございます。
ゆるふわ設定です。タグをころころ変えてます。何でも許せる方向け。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
どうやら婚約者が私と婚約したくなかったようなので婚約解消させて頂きます。後、うちを金蔓にしようとした事はゆるしません
しげむろ ゆうき
恋愛
ある日、婚約者アルバン様が私の事を悪く言ってる場面に遭遇してしまい、ショックで落ち込んでしまう。
しかもアルバン様が悪口を言っている時に側にいたのは、美しき銀狼、又は冷酷な牙とあだ名が付けられ恐れられている、この国の第三王子ランドール・ウルフイット様だったのだ。
だから、問い詰めようにもきっと関わってくるであろう第三王子が怖くて、私は誰にも相談できずにいたのだがなぜか第三王子が……。
○○sideあり
全20話
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる