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乙女ゲーム本編突入です。

第31話:罰ゲームかよ

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 誰か、私を助けて。
 ライジ殿下にをされているんですけど、拒否しちゃダメですか?

 サラも予想外だったのか、大きな目が更に大きくなっている。
 困り果てて周りを確認するが、その反応は二通りで『驚いている』のは私達女性陣。『微笑ましく見守る』のは、ライジ殿下のツレ。めろよ。

 食べても断っても不敬な気がする。

 しばらく固まってたが、ライジ殿下は引く気はないらしい。
 いつまでも目の前にある肉。
 意を決して、肉の中ほどに噛り付き、フォークから引き抜こうとした。
 さすがの私でも、フォークに口を付ける度胸は無い。
 ……が、嚙った肉をグイグイと口の中に押し込まれる。罰ゲームかよ!!
 ライジ殿下のフォークに、私の唇が触れた。

 ふ、父兄…違う、不敬にならない?大丈夫?
 なんて思ってたら、遠くのテーブルからカトラリーが皿の上に落ちるガチャンという大きな音が鳴る。
 誰だよ、そんな基礎も基礎、大基礎の失敗するのは。
 サプリ娘チョコアでも戻って来た?と、思ったら、バカ殿下でした。


「何だったの?あれ」
 図書室に移動して、仲良し4人組で小さく固まる。
 王族特別室に招待されたが、図書室で調べものがしたいと断ったのだ。
 王子達も、場所柄、付いて来るとは言わなかった。大勢で来る所ではないからね。

「ゲームイベントではない。てか、ゲームに第二王子出て来ない」
 ミリフィール情報。私より正確。
女誑おんなたらしって話は聞かないわね。どちらかといえば冷淡な方よ」
 ライジ殿下と一番親しいサラ情報。
「フィオをからかって遊んでた?」
 ジェラール。その可能性が一番高いけど、それは言っちゃいけない台詞よ。

「まさか、これから毎日コレ?」
 ミリフィールに質問する。
 コイツ、ちゃっかり新しい婚約者と親睦を深めてたんだぜ?人が針のむしろ状態だった時に。
「毎日かは判らないけど……ゴメン。明日は約束しちゃった」

 テヘッみたいな顔してるけど、ふざけんなよ。
 もう、お前ら二人で食べてろよ。
 もしくは、アンタだけライジ殿下のとりまきに入れ。

「アンタ、今、超絶ブサイクよ」
 何ですと!?この美少女を捕まえて失礼な。
「サラの言う通りよ。見る?」
 ジェラールが私の目の前に鏡のような物を出す。光魔法便利だな。
「そういう顔文字あったよね」
 と、どこから出したのかミリフィールが紙にペンで( ´△`)とか(´Д`)とか描く。失礼な。


 静かな図書室で、集まってコソコソと話していたら、またもや場違い女チョコアがやってきた。
 これが漫画なら、『ダンッダンッダンッ』って効果音が付きそうだ。
 ガニ股に近い歩き方だよ?普通にダメじゃない?ホント残念ヒロインだな。

「ねぇ、何で私が食堂から追い出されなきゃいけないの!?しかも、戻れなかったんだけど!」
 知らんがな。
「チョコア様。ここは図書室ですので、お声を抑えた方がよろしいかと」
 とりあえず貴女は空気を読む事を覚えた方が良いわよ。
 注意されたチョコアは、頬をプクっと膨らませて拗ねて見せる。
 これが男心をくすぐる行動なのか?
 私には理解できん。

「貴女を食堂から出すように指示したのは、第二王子のイライジャ殿下です。
 何を感じて、どういう意図があったのかは、御本人にしかわかりませんわ」
 本当は五月蝿うるさくて鬱陶うっとうしかったんだろうけど、あえて言わない。そんな義理無いし。
「ですが、これからもイライジャ殿下がいる時には同じことになると思った方が宜しいかと」
 視界に入れたくないだろうからね。
 そういう人ですよ、ライジ殿下は。

「何それ、何様なのよ!ちょっとめるように言ってよ」
 チョコア?馬鹿なの?
 何様って、第二王子様だよ。
 アンタの大好きな第一王子よりも立場が上の、正妃様のお子様だよ。
 しかも何でアンタのために私が権力に逆らうのよ。
 どんな命懸けの罰ゲームだよ。


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