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行きたい所へ行く!それが冒険。多分
第474話:楽しみだな!
しおりを挟むもう、『いつきしま』の『美暴食街』まで冒険する事は確定のようだ。
俺はガルムの背中の上に乗っているだけだろうから、何も言わない。
それぞれ好きな事をしていた従魔達が集合し、色々と相談をし始めた。
「何事?また悪巧み?」
会議をしている従魔を横目に、ココアが失礼な事を聞いてくる。
手にはフルーツたっぷりロールケーキ。
俺が注文した品だ。
一切れではなく、一本まんまで頼んでみた。
40センチ位ある。
まるで幻想世界の『のびのびロール』だな。
『のびのびロール』とは、東京都下在住の同僚がウケ狙いで職場に持って来たロールケーキで、コスパ最強ロールケーキらしい。
普通に美味しいロールケーキだった。
どこの店かそのうち聞こうと思っていたのに、その同僚が移動になって聞かずじまいになった。
それにその同僚は居なくなったのに、定期的に誰かが買ってくるので支障が無い。
むしろ自分で買っても食べ切れないからな。
「悪巧みとは失礼だな。『いつきしま』の『美暴食街』に行こうかと思っているだけだ」
ココアの失礼な問い掛けに、答える。
すまん。視線はココアではなく、目の前に置かれたロールケーキだ。
「え?『いつきしま』まで冒険?オレも行きたい!」
近くのテーブルで仲間と食事をしていたミロが、突然会話に割り込んできた。
なぜ聞こえた!?と思ったが、鳥兜と管狐が周りをウロウロしていた。
ミロではなく、俺の周りだ。
狙いはロールケーキか?
「ちょ!止めて!恥ずかしいから!ココア!そのロールケーキ、こっちにも頂戴!」
召喚師なミロは、召喚獣と念話で会話するようだな。
鳥兜みたいに直接話す事が出来るのもいるけど、基本は念話という事なのか?
そういえば御狐様も話さないよな。
いや、本当に念話で会話してるのかは、直接聞いてないから謎だが。
慌てて管狐を回収していくミロを見ていると、自分の仮説に自信がなくなる。
念話が出来るなら、呼び寄せるよな。
その後、シンプルなクリームのみのロールケーキと、苺たっぷりロールケーキと、マロン入りロールケーキまで頼んでしまった。
美味しかったのだから、しょうがない。
そしてロールケーキを食べている間に、色々と決まっていた。
従魔達とミロとシアラの間で。
俺?冒険や戦闘に関しては、俺に発言権は無い。
俺の仕事は、行き先を決めた時点で終わっている。
決まった事は、『美暴食街』まで一緒に行く事。
メンバーは、シアラとリイドとリコンス、そしてミロとそのパーティーメンバー。
今日、一緒に【ペットカフェ】に来ていたのがパーティーメンバーだった。
店の中だったので、お互いに軽く会釈して今日のところは解散。
冒険当日に、きちんとした自己紹介をする事になった。
見るからにベテラン冒険者って感じで格好良かったな。
悪友達とは違い、王道の冒険者って感じだ。
いや、悪友達も職業で考えると王道のはずなのだが、何かが違う。
最近冒険している姿を見ないからだろうか?
今回の冒険に誘ってみるかな。
大所帯になり過ぎか?
まぁ、多い方が楽しいだろう。
多分。
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