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価値・無価値は、人によって違うものなのだと再確認した
第435話:そんな日もある
しおりを挟む朝目覚めたら、虫になってるのは何だったか。主人公が死んで、家族が喜ぶというアレだ。
主人公が元気な時には一人だけ働かせて、虫になったら両親と妹が働き始めるんだよな。
で、最終的には父親に殺される。
カフカはどうでも良い。
今の俺に必要なのは……
「すみません、寝坊しました。今から行きます」
休日出勤なのに、アラームをセットし忘れた為に起きた遅刻という現象を、少しでもマシにする為に速やかに家を出る事だ。
「昨日、休日出勤だからって俺より先に落ちたよな?」
同僚のメガネに言われる。
昨日は珍しく【ペットカフェ】で会ったから、一緒に狩りに行ったのだ。メガネの実兄のリイドも一緒に。
ログアウト後は、普通に寝た。
ただ、アラームのセットを忘れたのだ。
「面目無い。アラームを忘れた」
素直に謝ると、笑われた。
「まぁ休日だから、フレックスタイム制で遅刻では無いけどな」
いつもの就業時間内で、4~6時間働くのがうちの休日出勤なのだ。
予定より遅い出勤になったが、最低でも5時間は働けるので、遅刻扱いにはならなかった。セーフ。
カタカタカタカタ。
キーを叩く音が部屋に響く。
黄金週間のせいで休日出勤になったが、今年は飛び飛びで良かった。
10連休とかになると、連休最終日には辞表を用意したくなる。
今年は途中に平日を挟んだからな。
世の中、長期連休を喜ぶ人間ばかりでは無いのだよ。
切りの良いところで手を止めて、大きく伸びをする。
そのタイミングでメガネが話し掛けてきた。
「なぁ、リヴァイベ参加した?」
なぜ昨日会ってるのに、今聞くのか。
「いいや。卵増えたら嫌だから不参加だ」
「は?卵なんて賞品に無かっただろ」
「ドロップするだろ?」
「はぁ!?しねえよ」
うん。そうか、しないのか。
メガネの事は無視して、またデータの入力に戻った。
「今日、家行くから」
ボソリと言われた。
この場合の家は、クランハウスの事を言う。
なぜならメガネは現実の俺の家には来ないから。
周りに聞かれた時に「クランハウス」では色々面倒臭い事になりそうだからな。
俺より1時間早く出勤していたメガネは、やはり1時間早く帰った。
「ちょっと!リヴァイアサンの卵って何!?リコ、知らないんだけど!」
宣言通りクランハウスに来たリコンスは、俺の顔を見るなり叫んだ。
ああ、ほら、俺の肩を掴んでそんなに揺すると……
「追い出しますよ?」
レイが怒るから気を付けてな。
絶対零度な笑顔のレイを宥めて、リヴァイアサンの池へと移動した。
楽しそうに遊ぶハナサンとピリリとムンド。
プカプカ浮かぶ木に乗って遊んでいるプーリとシズカ。
え?お前達が乗ってるの、トレントじゃないか?
一匹ずつ乗ってるから大丈夫なのか?
いや、でも、トレントとプーリとシズカって、大きさ同じ位だよな!?
「何で個人がリヴァイアサン所有してんのよ!しかも何?あの出来損ないのハロウィングッズみたいなの!」
とりあえず、失礼なリコンスの頭をアイアンクロー。
俺では無理なので、実行したのはレイだが。
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