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フラグとは、回収する為にあるのだ……と知った

第409話:重要な事らしい

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「とぉ~りゃんせ~とおりゃんせ~」
 森の中を歩く時には歌わなきゃいけないルールでも出来たのだろうか?
「こ~こはどぉ~この細道じゃ~」
 えっと、せめてもう少し明るい曲にしないか?
 それって、今は歌っちゃ駄目くない?
 知ってるか?この歌ってどんどん怖くなっていくからな。

 昔、歩行者信号でこの曲が流れてたの知ってるか?
 親に聞いた時、あり得ない!と思ったぞ。
 その時と同じ心境だ!

「行きはよいよい帰りは怖い……」
 ちょ!そこで止めるなよ!
「……選曲間違った」
 今かよ!!
 遅いわ!遅過ぎだわ!

「いや、マジでなぜその歌にしたの~?」
 オーベが呆れた声で斗苫斗的ととまとまとに質問する。
 多分、皆の心の中は同じ疑問でいっぱいだったよ。
「あまり激しい曲だと強い魔物モンスターを寄せ付けるかと思って、静かな曲にしてみました」
「そもそも歌わなければ良いだろう」
 ジルドが正論を言う。
「え?だって森に入ったら、歌いながら進まなきゃいけないんですよね?」
 え?何?その謎ルール。

「それは誰に聞いたのですか?」
 レイがゆっくりと斗苫斗的の方へと向く。
 それほどゆっくりじゃなくても、ヨミは落ちないぞ。
 そう。今、レイの頭の上にはヨミが乗っている。
 オパールがシズカの頭の上に乗っているので、淋しいのだろうと何も言わずに見守っている。……と、いう事にしておこう。

「えぇっと、掲示板でヴィンさんの従魔達が森の中を大合唱しながら歩いていたとあったので」
 お~!確かに森の中で熊に追いかけられる例の歌を歌いながら歩いたな。
「だが、この森じゃなくスライムが居る森だぞ」
 あっちの森でも歌う必要は無かったのだがな。
 それよりもその状態を目撃されていたのか。さすがに恥ずかしい。


<リンカーンコンチネンタル、マックスフォード、ムスタング~>
 んん?なぜかネルが車の名前を歌うように節をつけて言い始めた。
<グ、グ、グロリア、アルファロ!オ、オ、オペールカーでトンボの宙返り~>
 あ、これは何かの歌なのか?初めて聞いた。
<この先がわからないにゃ>
 しょんぼりと言われたが、スマン。その曲自体を知らない。
 ジルドを見たが、首を横に振られた。


 なぜか今は、何を歌うか会議になっている。「歌わなくて良いのでは?」と言う俺の意見は早々に却下された。
 理由はチビッ子組が歌う気満々だからだ。
 リルの上で揺れている属性オコジョも、歌う方向で賛成のようだ。
 しかし二十匹が2本足で立って揺れていると、某有名なカバのような妖精が主人公の話に出てくる、チンアナゴに似たニョロニョロとした白いアレみたいだ。

「ガルムは歌わないのか?」
 楽しそうに盛り上がっている皆を見ながら、ガルムに抱き付く。俺が居るのはガルムの上だから、モフンとうつ伏せに寝たみたいになる。
<ふむ。興味は無いが、あるじが教えてくれるのならば歌おうか>
 えぇ~マジですか。
 それなら曲調がゆっくりめで、ちょっと低めの声のボーカルが特徴あるあのバンドの曲を……あ、昼間の森の中には相応ふさわしく無い曲でした。
 後で個人的に歌ってもらおう。



────────────────
歌詞の続きは『リムジン、ロールスロイス、ス、ス、スバル、ル、ル、ルーチェ、チェ、チェ、チェリー』でした。
途中抜けてるかも

そして歌って欲しかったのは、『ends』の「WHOLISTIC」です
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