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どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!

第315話:テディ

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 俺の謎の肉消費計画は、綺羅とリコンスとリイドとレイに猛反対されて中止になった。
 特にレイの反対が凄かった。
 リコンスの「何も変わってない!掲示板ちゃんと見た!?」の台詞には、「見たけど、何か?」と返したら頭を叩かれた。
 そのリコンスの頭をリイドが思いっ切り叩いてた。
 音があまりにも痛そうで、ちょっとヒュンッとなったのは内緒。

 気弱なリザードマンな印象だったけど、兄は兄なのだと実感。
 ムンドを躾けるリルと重なったよ。
 あと、リザードマンの中でも鰐だから、基礎筋力がかなり高いのだろう。
 ホント、なぜ白魔術師。


 さて、ここで問題がひとつ。
 フレースヴェルグの卵はどうしたものかね。
 温めるのと、多分魔力もあげなきゃだよな。
 ドラゴネットの卵より大きいので、俺のパーカーのフードには入らない。
 どうしようかと卵を眺めていたら、スススッと綺羅が近付いて来た。
 嫌な予感しかしない。

「良いモノがありますぜ、ダンナ」
 怪しい取り引きでもするように綺羅が声を掛けてくる。
「ほほぅ、見せてもらおうか」
 とりあえずみた。
 ジャーン!と綺羅が取り出したのは、テディベア型のリュックだった。

 確かに!確かにサイズとしてピッタリだと思う。
 クマの背中側がファスナーになっていて、いつの間にかファスナーが開いていて落ちてしまった!などという事も無いだろう。
 だがなぜテディベアだ!
「他には?」
 一応聞いてみる。
「ウサギと狼と猫もありますよ」
 変わらんわ!!



 『真ん中の街』に無事に到着し、解散となった。
 門番とも揉める事なく、中に入る事ができた。あまりにも機械的な対応で、逆にビックリしたよ。
 これが『むつきしま』の良いところであり、悪いところでもあるらしい。

 そして、卵だと従魔とは認識されないらしく、従魔転送魔導具でクランハウスへ送れない事が判明。
 ガルムとユキが『真ん中の街』へ残り、卵を温めつつ魔力も与えてくれるそうだ。
 リルも温めたいと言っていたが、加減を間違えて俺がいない間に孵化させそうなので、クランハウスへお帰りいただいた。
 ピリリという前科があるからな、リルは。

<きゅうぅ!>
 ん?ヨミも残りたいのか?
 俺の顔を見上げてヨミが可愛く鳴く。
<教育係なのかえ。ヨミ>
 ユキがコロコロと笑う。
 そういえば、テラの時もヨミが何やらしていたな。
「ガルム、どう?」
 うちの執事さんに聞いてみる。
<うむ。別に良いのではないか>
 はい。了承をいただきました。
<きゅ!>
 ヨミが嬉しそうに鳴く。
 リルが居たら文句を言っていそうだな。先に帰して正解だった。

「よし、じゃあ任せたぞ。ガルム、ユキ、ヨミ」
 三匹の目の前にフレースヴェルグの卵プリンの入ったテディベアリュックを置く。
「取り出した方が良いか?」
<いや、移動する時に持ちやすいから、そのままでいぞ>
 綺羅が聞いていたら大喜びしそうだが、残念ながら先にログアウトしてしまっていた。
 ガルムがヒョイッとテディベアを持つ。
 テディベアリュックの肩紐部分を咥えて持つとぱっと見、首を咥えているようで、ちょっと捕食っぽいと思ってしまった。


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