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どこかに話すモフモフがいるらしいよ!探そう!!
第296話:野菜でも魔物なので!
しおりを挟む子供達が気が済むまで遊んだ後、野菜の苗が植えられた。
耕してフカフカになった土で遊んだ子供達は、茶色い。とても茶色い。凄く茶色い。
元の色を保っているのは、ガルムとユキだけだ。
ユキはやはり女の子だからか、あまり激しい遊びはしないのかもな。
勿論ガルムは、俺と一緒に居たから変色無しなのだ。
決して黒だから目立たないわけではない。
<主!あのね!魔物畑に行って来ても良い?>
足元へと跳んで来たシズカが聞いてくる。
白兎だったよな?茶色い兎じゃなかったはずだよな?
<きゅ!>
横に並んだヨミが良い?みたいに、首を傾げて鳴いている。
おかしい。
二匹が同じ色に見える。
ここまで万遍なく汚れられるものなのか。
そういえば、今日は魔物人参の収穫日だったか。
<主、急がないと人参が全部逃げてしまうようだよ?>
リルも行く気満々だ。
<誰かもう来ておるの。妾も行こうかの。楽しみなのじゃ>
魔物人参の収穫には参加するのか、ユキ。
「向こうには誰が来たのかな?まぁ、良いか。ちゃんと言う事聞くなら行って良いぞ」
<だいじょうぶ!>
<きゅぅ!>
ジルドかオーベがログインしたら、収穫開始だと言われていた気がする。
「気を付けてな」
ここでウィンドウを開いて確認しなかった事を、俺はすぐに後悔する事になる。
「は?今、何を?」
「ですから、僕も今ログインしたばかりで状況がいまいち理解できてないのですが」
慌てた様子で走って来たレイによると、魔物人参・大根畑の柵が開いていたそうだ。
人参も大根も全て逃げた後だったらしい。
逃げる系の魔物野菜畑は、野菜を収穫しやすくする為、高さ1メートル位の柵で囲うのが常識で、扉は掛け金付きだ。
魔物野菜の体当たり程度では絶対に開かない。
「さっき魔物野菜畑を見に行った時は閉まってたよ」
はれひめが言う。
俺の所に来る前に、魔物野菜の方を確認したそうだ。
「ジルドは何て言ってる?」
レイに聞く。
「いえ、ジルドは居ません。今日は残業になったそうで、代わりに僕が収穫の監督をしに来たのです」
あれ?
「じゃあ、オーベが居たのかな」
「え?さっきは誰も居なかったよ」
はれひめの台詞に、レイと顔を見合わせる。
ウィンドウを開くと、ジルドは勿論、オーベもログオフ中だった。
ついでに咲樹も。
俺の所に残っていた従魔は、ガルムとムンドだけだった。
まずは従魔達と念話で連絡を……
「あ!まずはクランの敷地を何かで囲って!魔物野菜を野生化させるとペナルティくらうから!」
はれひめが叫ぶ。
え?そうなの!?
「昔、馬鈴薯を逃した馬鹿がいて、当時のは繁殖力も強くて大変だったんだから!今でも野生の馬鈴薯は討伐対象なんだよ!」
マジか!!そこまでなのか!!
「何かって、結界とか?でもオーベも咲樹もいないし、レイは……」
「無理ですね。申し訳ないですが」
「いや、俺も出来ないし……」
詰んだ。
「ごめん。最近は管理がちゃんとしてるからペナルティの事忘れてた」
はれひめが謝ってくる。
「いえ、はれひめは悪くないですから」
レイの言う通りだ。
「大丈夫。最悪、敷地内を焦土化すれば、魔物野菜も殲滅されるだろ」
幸い、敷地内には、うちの子達が居る。
毒でも炎でも雷でも、敵を殲滅する方法はいくらでもあるからな……後の事を考えなければ。
________________
馬鈴薯の案は、なろうでの感想でトロッケンハイト様からいただきました^ ^
ありがとうございました。
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